<2021年1月の医業収入は2021年の最高医業収入?>

2021年02月19日 (金)

科目:
内科
コラムテーマ:
経営計画/経営管理 業界動向

平素より、大変お世話になっております。
株式会社船井総合研究所の石原でございます。
いつも「めでぃまが」をお読みいただき誠にありがとうございます。

早速ではございますが、皆様の内視鏡クリニックでは

医業収入・内視鏡検査数が落ちていませんか?

まさしく昨年末の医業収入の向上期間を経て2021年になった途端、医業収入も内視鏡検査数も落ちている。そのようなクリニック様が多いかと思いますが

原因はコロナのせいで緊急事態宣言が終われば患者数は戻ってくる
第一波のときもそうだったからあと少し我慢すれば大丈夫

と思っていませんか?

実際多くの方からこのようなご意見をいただきますが実際は「そんなことはない」と船井総研は時流予測をしています。

 

患者数減少の本当の理由

緊急事態宣言の開始に伴い、2021年は患者数の減少傾向が全国的に見られています。
しかし、これは緊急事態宣言や感染回避による受診抑制ではなく、純粋な不景気が影響しているためと思われます。

昨年12月に国内で支払われた賞与は昨年対比をマイナス10%以上を記録したといわれており、リーマンショックを超える前年比年収減少が起きました。

リーマンショックの時も顕著でしたが、年収が前年比減を迎えると国民の消費活動は大きく抑制され

  • 緊急性が高くない
  • 重要性が高くない
  • 高額価格

上記のような商品は敬遠される傾向が強くなり、要はこの景気減退傾向が日本史上最大規模で発生しているといわれているのです。

 

内視鏡クリニックへの影響

緊急性が低い、重要性が低い、高額、といわれて内視鏡クリニックで連想される商品は何でしょうか。

それは二次検診患者受診です。便潜血陽性の結果を受けた患者様を想定してみましょう。

  • 半強制的に健康診断を受けて便潜血検査が陽性だった。医師からは大腸カメラ検査を受けなさいと言われる
  • しかし自分自身は健康そのものであり、すぐに解決したい課題ではない(低緊急性)
  • 大腸カメラ検査がいまいちどのような検査かよくわかっていない。むしろマイナスなイメージ(低重要性)
  • しかもネットで調べてみると自己負担が最大2~3万円を要する可能性がある(高額)

つまり、景気減退がもたらす内視鏡クリニックへの影響は「二次検査患者」の減少です。実際に私たちがお付き合いをしているクリニックでも同様の傾向が見られます。

※一般の消化器外来患者は「”今”症状で苦しんでいる(緊急性)」「生活に支障がでる症状がある(重要性)」「外来は低単価イメージ」などの理由から二次検診患者と比較すると減少傾向が弱いです。

また、そもそも2020年は健康診断事業が不振であったために、二次検診市場自体が縮小してしまっています。

 

まとめ

結論に戻りますが2021年に入ってから患者数が減少しているカラクリは緊急事態宣言の影響ではなく、景気減退による消費活動の抑制が影響しているからだと考えています。

緊急事態宣言が解除されても患者数回復の期待は難しいです。

景気回復のターニングポイントは
①コロナワクチン事業の成功
②東京オリンピックの開催成功
上記に左右されるといわれていますが、成功の保証はなく、経営者は悲観的に現状を判断する必要があります。

悲観的な判断とはつまり
「2021年1月の月間医業収入は2021年の最高月間医業収入になる」
という見込みです。

今こそこのタイミングで集患戦略、財務戦略、組織体制を見直していき、経営のギアを上げていく必要があります。
まだまだコロナ禍(不景気)でのクリニック経営は続きます。皆様の成長と発展をお祈りしております。

 

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この記事を書いたコンサルタント

石原 春潮

プロフィール詳細

内科クリニックの外来増患対策に幅広い施策を展開させることができる。Webを活用したマーケティングには特に定評があり、クリニックや地域の特性を活かした上で最大限の効果が発揮できる増患戦略を組み立てることが得意。
 専門治療においては内視鏡検査件数の増加を最も得意としており、定期受診獲得、既存患者誘導など、様々な角度から内視鏡検査を増やしていく。全国で内視鏡クリニックのコンサルティング成功事例も増えてきており、即時業績アップの実現に向けて日々コンサルティングの精度を上げている。

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