【新型コロナ特別措置対応】内科向けオンライン診療制度まとめ

2020年05月07日 (木)

科目:
内科
コラムテーマ:
経営計画/経営管理 業界動向 コロナ対策 診療報酬改定

昨今のコロナウイルス蔓延の影響を受けて、国内ではオンライン診療の体制が大きく変化してきています。特に、大きな動きでいえば4月上旬から始まったオンライン診療の初診解禁だといえるでしょう。

本記事では内科クリニック経営をしていく上では絶対に関心を持たなければならないオンライン診療のクリニック導入に向けた最新情報を整理させていただきます。実際に全国の内科領域ではオンライン診療の導入が加速しており、様々な事例も生まれてきています。

 

■オンライン診療制度の推移

〇コロナ期間を迎える前に予定していたオンライン診療

・オンライン診療料(71点)、オンライン診療料対象管理料(100点)、処方箋料(68点)が算定可能
・初診は必ず対面診療、3か月に1度は対面診療
・対象疾患は限定的
・30分ルールは免除
・情報通信機器の運用に関する費用は自由に設定が可能

いわゆる初診が解禁されていない通常のオンライン診療です。2018年の診療報酬改定と比べると大きくネックになっていた30分ルールが解消されたことは注目ではありましたが、初診は対面であること、対象疾患が内科領域の中でも限定的であることが依然として障壁となっていました。

また、厚労省が定める研修を医師が受けなければオンライン診療を実施できないことも一部注目をされています。

 

〇コロナ期間における特例措置のポイント

しかし、4月10日に厚生労働省から事務連絡が通達され、従来のオンライン診療と比較して大きな時限的処置が取られました。ポイントとなるのは下記です。

①初診からオンライン診療が解禁
コロナ期間における時限的措置としてオンライン診療の初診が解禁されました。そのため算定可能な点数は

・オンライン初診料:214点
・処方箋料:68点
・情報通信機器の運用に関する費用:任意
※再診の場合は再診料(73点)と医学管理料(147点)が算定可能
※受診歴のない患者に対して処方日数の上限は7日間

上記となりました。初診料は通常の初診料の4分の3ですが、従来のオンライン診療の制度と比較すると最も大きな変化だといえます。

②対象疾患の限定が解除
「電話や情報通信機器等を用いた診療が当該医師の責任の下で医学的に可能であると判断」した場合にオンライン診療が可能となりました。つまり、オンライン診療における疾患の明文化された基準はなくなり、医師の責任の下で全ての疾患がオンライン診療の対象となっています。

この限定解除により、多くの科目でオンライン診療初診が普及されることが期待されます。内科領域を中心にオンライン診療は当然普及が進んでいますが、内科以外の科目でもオンライン診療の導入は進んでおり、肛門科のオンライン診療初診が行われていた事例もあります。
※患者が患部を事前に写真を撮り、その画像をもとに診察を進める

③処方箋対応
処方箋の扱いは下記2点が選択肢として挙げられます。
【1】患者宅に処方箋の原本を郵送
【2】患者が指定する薬局に処方箋をFAXし、原本は薬局に後日郵送
※内科クリニックの場合は院内処方も多いですが、薬を患者宅に直接郵送する場合はレターパックなどで受け取り確認ができるようにしなければいけません。

上記①②③を中心に内科領域におけるオンライン診療は広く普及し始めています。常に最新情報をチェックして自院への導入を是非ご検討されてみてください。

 

■オンライン診療を行う際の注意点

オンライン診療を行う上で、注意しなければいけない点が多くあります。主な注意点は下記です。

・麻薬及び向精神薬の処方は禁止されています
・オンライン診療の際には本人確認が必要となります(※医師、患者ともにです)
・オンライン診療を初診から行う場合は所属都道府県に報告が必要
・診療録に不利益や急変時の対応に関して記載が必要
・特例期間中はオンライン診療における診療計画書の作成が不要
・特例期間中はオンライン診療の研修受講が不要

コロナが終息した際に、オンライン診療規制の緩和がどこまで再び制限されるかはまだわかりませんが、コロナ期間が長期化することを前提に、内科クリニックにおいてはオンライン診療の導入をされることを推奨致します。コロナ終息後も内科領域においてオンライン診療が重要な立ち位置になることは間違いありません。

 

■コロナウイルスとオンライン診療

オンライン診療はコロナウイルスに感染されている疑いのある方にも実施が可能です。その場合にも注意点があります。

・事前に患者の診療情報を取得している必要がある
・コロナ感染の疑いのある患者の処方箋には備考欄に「CoV自宅」「CoV宿泊」を記載する必要がある
・関係者(薬局や配送業者)にコロナ感染の疑いがあることを知られてしまうことに関して同意を得る必要がある

特に内科クリニックの場合は発熱患者が来院しやすく、コロナ患者の来院を統制が必須となるため、オンライン診療による対応は相性がいいと考えられます。

この記事を書いたコンサルタント

石原 春潮

プロフィール詳細

内科クリニックの外来増患対策に幅広い施策を展開させることができる。Webを活用したマーケティングには特に定評があり、クリニックや地域の特性を活かした上で最大限の効果が発揮できる増患戦略を組み立てることが得意。
 専門治療においては内視鏡検査件数の増加を最も得意としており、定期受診獲得、既存患者誘導など、様々な角度から内視鏡検査を増やしていく。全国で内視鏡クリニックのコンサルティング成功事例も増えてきており、即時業績アップの実現に向けて日々コンサルティングの精度を上げている。

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