集患対策の決定版|クリニック経営・開業情報

2019年08月29日 (木)

科目:
内科
コラムテーマ:
集患・ホームページ活用

内科クリニック時流予測レポート

内科クリニックにおける患者集患(集客)のポイント

現在日本では、約64,000件の診療所が≪内科≫を標榜しています。

これはコンビニの数(全国に約55,000件)より多く、患者さんからすると自宅からの

徒歩圏内に複数件の内科クリニックが存在しているような状況であり、

ちょっとした体調不良や風邪などでは、最寄りの内科クリニックにかかることがほとんどでしょう。

このような場合、集客・集患において重要になるポイントは自宅や職場からの近さ、

などといった“立地”になります。

患者がクリニックを選ぶ最も大きな理由は立地

ただしこういった患者さんは継続して通ってくれるわけではなく、

症状が改善すれば通院しなくなるため、クリニック経営の安定化という面でみると

来院頻度の低い、不安定な患者さんとなります。

外来患者さんがこういった患者さんが中心に構成されている(=流行性疾患の比率が高い)内科クリニックは、

月ごとの患者数が季節要因や気候要因に大きく左右され、経営基盤が不安定になっているケースがよく見受けられます。

 

ここで意識をしていただきたいのは、先生のクリニックが近隣の競合する内科クリニックと

比較したときに何らかの“差別化”(=患者さんが自院を選んでくれる理由)ができていないと、

そういった「徒歩圏内の」「ちょっとした体調不良の患者さん」が、

かぜなどが流行っている時期にだけ、自院から徒歩数分圏内の場所からしか来院してくれていない、

という状況になってしまう、ということです。

 

逆に言うと、この“差別化”をしっかりとすることで、

「先生のクリニックだから通院する」という、選ばれて来院される状態を作り出すことができます。

つまり、“集客・集患”のポイントは“差別化”です。

差別化とは、その患者さんにとって自院を選んでくれる理由です。

そうした理由を持った患者さんは、疾患にもよりますが基本的に継続して通院してくれるため、

クリニック経営の安定化という面でも非常に大切な患者さんです。

では、内科クリニックにおいて“差別化”は、どのような観点で考えれば良いのでしょうか。

船井総合研究所の差別化の8要素

 

船井総合研究所には、差別化を考える時のポイントとして、

≪差別化の8要素≫という考え方があります。

 

 

差別化の8要素とは、他社と差別化を図るために意識すべき以下の8つの要素のことです。

1.立地
2.規模
3.ストアロイヤリティ
4.商品力
5.販促力
6.接客力
7.価格力
8.固定客化力

となっており、この順番は重要度も表しています。

 

この中で、1~3を戦略的差別化と呼びます。

ここに関してはすぐには変えることのできない、長期的な視点で戦略的に

考えていく必要のある要素です。

そして4~8を戦術的差別化と呼びます。

戦術的差別化については、企業努力によって変えることができる要素です。

 

これを内科クリニックに当てはめると、

1.立地⇒クリニックの所在地からみた利便性(駅からの近さ、駐車場の有無など)
2.規模⇒医師の数、スタッフの数、クリニックの広さ
3.ストアロイヤリティ⇒開院からの年月、院長・クリニックの認知度
4.商品力⇒対応できる疾患、提供できる治療内容
5.販促力⇒各種広告、ホームページ、院内販促
6.接客力⇒スタッフの接遇、診療時における説明の充実度
7.価格力⇒不必要な検査などにより、他院よりも極端に点数が高くなっていないか
8.固定客化力⇒一度きりでなく、またかかりたいと思ってもらえるサービス(治療、接遇)が提供できているか

もちろんクリニックの場合、一概に一般企業と全く同じ考え方とはなりませんが、

おおむね上記の通りでご認識いただけるかと思います。

 

1~3の戦略的差別化要素については先ほど述べたようにすぐに改善できるものではありませんので、

クリニックの集客・集患対策としてぜひ力を入れていただきたいのが

4.商品力⇒対応できる疾患、提供できる治療内容

の部分です。

 

一言で内科といっても、先生方は開業されるまでの間、消化器や循環器、呼吸器など、

様々な分野を専門的に診療されていたことが多いかと思います。

つまり、「ちょっとした体調不良」を診るだけでなく、

「特にこの疾患においては専門的に診ます」ということをしっかりとアピールすることで、

患者さんの抱えるお悩みに対して「専門の先生に診てもらいたい」というニーズから、

多少遠い場所からも患者さんが”自院を選んで”来院してくれる差別化のポイントとなり、

結果、季節や流行性疾患に左右されない、安定した集患力を高めることにつながるのです。

 

上手な集客・集患のためにどのような広告を活用するのか

内科クリニックにおける集客・集患のための広告、と聞くと、

どのような媒体が思い浮かぶでしょうか?

集患に適切な広告媒体は?

 

 

 

 

 

 

開業した当初は駅の看板やタウンページなどに広告を掲載される場合も多いでしょう。

また厳密には広告とは異なりますが、最近では開業に合わせてホームページを作成し、

事前に公開される内科クリニック様も多く見受けられます。

 

それぞれの広告媒体には、それぞれの強みがあります。

開業したてで自院の存在があまり地域に知られておらず、

まずは周辺地域に周知をしたいという段階では、チラシや看板広告、タウンページなどの

地域に根ざした広告媒体を利用することで認知度を高められることから、

足元の診療圏からの集客・集患が期待できます。

 

ところが開業して数年が経過すると、地域での認知度はだんだん高まっていきますが、

それだけでは「ちょっとした体調不良の患者さん」が徒歩圏内から来院してくれるだけです。

 

やはり物理的にスペースに制限のある広告媒体では、

“差別化”ポイントである先生の専門性を充分にアピールすることは難しいでしょう。

この段階になると、ホームページ(WEBサイト)を主軸としたWEB・インターネットを利用した宣伝(広告を含む)媒体を

上手に活用することで、戦略的にターゲットとすべき患者さんを多方面から集患する、

診療圏を拡大していくための施策が必要になります。

 

つまり内科クリニックの集客・集患にとって有効な広告とは何かを考えた時、

開業してからの年数や実際に来院されている患者さんの層(疾患や年齢)、

本当に先生が診ていきたい患者さんの層などにより、最適な媒体は異なってきます。

 

しかし足元の診療圏(徒歩圏内)からある程度の患者さんが来院してくれていて、

更に発展していく内科クリニックを目指したい、あるいはこの地で長く診療を続けたい、という先生は

次の段階として、ホームページ(WEBサイト)を主軸としたインターネット媒体の宣伝(広告)手法を上手に活用し、

いかに“差別化”ポイントである専門性をアピールしていくか、ということが重要になります。

 

ホームページ(WEBサイト)による集客・集患のポイント

一般の患者さんを対象としたアンケート調査結果では、初めての医療機関にかかる際、

その医療機関のホームページを確認すると答えられた方は実に半数に上ります。

これは、患者さんが自身の置かれた状況(地域、通院できる曜日・時間、症状、悩みなど)に対し、

自身にとって最も適切な医療機関を“比較検討し、選んでいる”と言えます。

患者さんはクリニックを比較検討し、選んでいる

 

 

 

 

 

つまりホームページの内容を考える時に気を付けておきたいポイントは、

様々な悩みを持った患者さんに対し、いかに”適切な情報発信”ができているか、

”悩みに対する回答”ができているか、ということです。

 

競合他院と差別化できる要素はここにあります。

 

つまり先生がご専門として特に力を入れて取り組んでこられた分野や疾患について、

検査や診断方法・治療方法などの情報を、ホームページを用いて発信することにより、

その疾患や症状について困っていた患者さんに対して明確に訴求ができ、

その結果として、“専門の先生に診てもらいたい”というニーズを持っている患者さんが、

遠方からでも自院を選んで来てくれる、という集患力につながります。

 

ホームページを制作する時の2つの視点

クリニックの集客・集患を成功させるためのホームページ、と聞くと、非常に難しいことをするのではないか、

と思われる先生も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

実際にホームページは作成していても、作成後は依頼した制作業者さんにその後の運用も

任せっきりになってしまっているというケースも多くお聞きします。

しかしそれでは多くの場合、”差別化”のために必要な情報が発信されておらず、ただ無目的に

”作成されているだけ”となっている場合が非常に多いのです。

ホームページを活用して集患・集客をしようと思うと、”マーケティング”的な思考を持つことが重要です。

難しく聞こえるかも知れませんが、実際にはその考え方は非常にシンプルです。すなわち、

①ホームページの閲覧数・アクセス数を増やすための対策

②閲覧した人に来てもらう(来院率を高める)ための対策

この2つをしっかり意識することがポイントです。

①では「来て欲しい患者さんはどんなキーワードで検索するのだろう?」ということをまず考えます。

そしてその次診療圏内においてそのキーワードが検索された際、自院のホームページが検索結果の上位に

表示されるよう、SEO対策や検索キーワード連動型広告などを活用し、アクセス数を増やします。

②では、「ホームページを閲覧している患者さんが求めている情報は何か?」を考えます。

つまり、先生が発信したい情報ではなく、患者さんが求めている情報を掲載することが重要です。

少なくとも自診療圏内で最も詳しい情報が発信できていれば、”専門性”を求めている患者さんにとって

自院を選んでいただきやすくなり、来院率が高まります。

この業界ではこうしたマーケティング的思考に基づいてホームページを構成されているクリニックが

非常に少ないため、競合他院に先んじて取り組むことで非常に高い効果が期待できます。

 

以上、“内科クリニックが集客・集患を成功させる方法”について、

他院との差別化こそが集患の最重要ポイントであること、

また、その差別化要素を発信するための手法について、

ホームページの重要性と作成のポイントをお伝えさせていただきました。

先生のクリニックが競合他院と比べて“差別化”できているか、選ばれるクリニックとなっているか、

改めて検討する機会としていただければ幸いです。

 

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この記事を書いたコンサルタント

川本 浩史

プロフィール詳細

大手製薬・医療機器メーカーのMRを経て船井総合研究所に入社。
船井総合研究所に入社後は心療内科・内科診療所を中心にコンサルティング業務にあたっている。
前職では大学病院での消化器手術から療養病棟の輸液・栄養管理に至るまでそれぞれの臨床現場に入り込み、医療従事者と共に『より良い医療の提供』を実現するために邁進してきた。
臨床に近い現場で医師と対話を重ねてきた前職の経験を活かし、机上の空論とならず臨床現場に即したエビデンスのある実行策を提案している。

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