【2020年改定解説】生活習慣病重症化予防の促進:糖尿病患者の眼科受診勧奨 2020年診療報酬改定情報

2020年03月15日 (日)

科目:
内科
コラムテーマ:
経営管理 業界動向 診療報酬改定

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2020年の診療報酬改定情報をお伝えいたします。

今回のテーマは『生活習慣病重症化予防の促進』についてです。

平成28年度の国民健康・栄養調査(厚生労働省)では、高血圧・脂質異常症・糖尿病といった生活習慣病の有病者・指摘を受けた者の割合、またその内、治療・服薬に至っている割合とも、年齢に応じて増加していることが示されています。問題となるのは40歳代~50歳代の治療・服薬率の低さです。

生活習慣病の有病者と受療者の年齢別割合

出典:平成28年度 国民健康・栄養調査(厚生労働省)より

中医協総会においても、生活習慣病は「要介護の原因の6割を占める」「死因別死亡割合の6割を占める」「一般診療医療費の3割を占める」に至っていることから、発症予防・重症化予防が極めて重要であるとの議論がなされており、「生活習慣病の重症化予防の取り組み」は昨今の診療報酬改定の際にも毎回、議題として取り上げられています。

 

これらのことから2020年の診療報酬改定にあたっては、大きく

・「就労・現役世代の受診率向上」のためにオンライン(遠隔)診療を拡大して利便性を向上させること

・総合的な指導管理を行うことを評価する『生活習慣病管理料』の算定推進のための要件緩和

について議論がなされましたが、結果としてどちらも大きな進展はありませんでした。

 

なお「生活習慣病管理料」については、以下2つの算定要件の新設がありました。

①糖尿病患者に対して眼科受診勧奨に関する要件を追加する。

②生活習慣病管理料の療養計画書の記載項目に歯科受診の状況に関する記載欄を追加する。

 

しかし生活習慣病管理料は算定できる点数は高い一方で、検査(院内処方の場合は投薬)等も含めた包括算定であること、月に1度しか算定できない(かつ、患者負担が大きい)こと、最低4ヶ月に1度は「療養計画書」を作成し患者の同意を得ることが必要であり手間を要することなどから、実際には生活習慣病の診療においては、特定疾患療養管理料で算定を行っているクリニックが多い印象を受けます。このため、多くの内科クリニックにおいては影響の少ない改定となったのではないでしょうか。

 

しかし今回の改定においては、新しく「診療情報提供料(Ⅲ)」が新設されます。

<2020年診療報酬改定案より引用>

[診療情報提供料(Ⅲ):算定要件]

(1) 他の保険医療機関から紹介された患者について、他の保険医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、診療状況を示す文書を提供した場合に、提供する保険医療機関ごとに患者1人につき3月に1回に限り算定する。

(2) 妊娠している患者について、診療に基づき、頻回の情報提供の必要性を認め、患者の同意を得て、当該患者を紹介した他の保険医療機関に情報提供を行った場合は、月1回に限り算定する。

関連記事:新設項目 診療情報提供料(Ⅲ)について解説!

 

これは特に、上記の「①糖尿病患者に対して眼科受診勧奨に関する要件を追加する」を意識した改定であることが想定されます。今後、国としては生活習慣病の管理は「生活習慣病管理料」を主とし、更なる地域連携、病診・診診連携を進めていくことを考えているのではないでしょうか。

また特に今回リハビリテーション領域で大きな改定のあった「アウトカムに着目した評価」については、いずれ生活習慣病領域にも同じ考え方が導入されることが想定されます。遠隔(オンライン)診療についても、現時点では点数が低く積極的に行う医療機関は少ないですが、中長期的にはますます拡大していくことは間違いないでしょう。

関連記事:遠隔(オンライン)診療の要件が一部緩和!

 

今後の診療報酬改定の動向には引き続き注意が必要ですが、「本質的に患者さんのためになる診療は何か」を考え、先を見据えた対策を先んじて打っておくことが、今後長くクリニックを経営していくうえで重要になってくると思われます。

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この記事を書いたコンサルタント

川本 浩史

プロフィール詳細

大手製薬・医療機器メーカーのMRを経て船井総合研究所に入社。
船井総合研究所に入社後は心療内科・内科診療所を中心にコンサルティング業務にあたっている。
前職では大学病院での消化器手術から療養病棟の輸液・栄養管理に至るまでそれぞれの臨床現場に入り込み、医療従事者と共に『より良い医療の提供』を実現するために邁進してきた。
臨床に近い現場で医師と対話を重ねてきた前職の経験を活かし、机上の空論とならず臨床現場に即したエビデンスのある実行策を提案している。

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