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いつもめでぃまがをお読みいただきましてありがとうございます。
また新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さま、および関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
2020年の振り返り
2020年は新型コロナウイルス感染症に非常に大きな影響を受けた1年でした。
直接的に医業収入に多大な影響を受けた先生も多くいらっしゃったかと思いますし、直接的な影響は少なかったにせよ、“新しい生活様式”への行動変容により、じわじわと変化を感じ取られている先生もいらっしゃるのではないかと思います。
今冬、コロナ第3波として感染者数は増加の一途をたどっていますが、やはり最も影響が大きかった第1波の時とは様相が大きく異なっていることが見受けられます。
今、浮き彫りになっているのは、季節性インフルエンザなど従来であれば冬に多くなる患者さんが極端に減っているということです。
インフルエンザの患者数減少には諸説あるものの、感染症全般が大きく減っているのは、やはり個人個人の感染防止対策(マスク、手洗い、手指消毒)が例年と比べても飛躍的に徹底されている影響でしょう。そしてこの傾向は、少なくとも数年単位で続くことが想定されます。
誤解を恐れず乱暴な言い方をすると、「マスクをすることで防げる病気は、今後内科クリニックの対象患者とならない」と考えていただくべきです。
内科クリニックにおける“冬の繁忙期”という概念が薄まっていくでしょう。
これからは、今までもお伝えしてきた“生活習慣病などの定期的に通院する慢性疾患のレセプトをどれだけ積み上げられるか”が、医院経営においてますます重要になってきます。
2021年に取り組んでいただきたいこと
①地域におけるクリニックの立ち位置・役割の定義見直し
先生のクリニックは、何を得意としているクリニックですか?近くのクリニックとの違いは何ですか?その違いを、スタッフさん、患者さんは正確に認識していますか?
まずは、地域にとって先生のクリニックが果たしている、または果たすべき役割を再認識し、立ち位置を明確にしましょう。
この役割こそが、最大の差別化要素(選択してもらえるポイント)になります。
②情報発信力の強化
慢性疾患は風邪などと違い、比較的患者さんの悩みが深い疾患です。
どのクリニックにかかるべきか?は、より慎重に判断・選択されます。悩んでいる患者さんに対し、先生のクリニックが何を得意としているのか、という情報を届けられるよう、情報発信の重要性が更に増していきます。
ホームページは大前提ですが、グーグルマップ、ポータルサイト、FacebookやLINEなどのSNSを活用するケースも増えて来ています。
ぜひ色々な媒体を試し、自院に合った情報発信媒体を探してみましょう。
③診療の効率化
効率化を進める理由は2つあります。
ひとつは、内科クリニックは病気を治す場所である一方、“感染リスクが高い場所”という認識をされてしまっていることです。
患者さんにとって安心できる場所であるために感染防止対策を行っていただくのは大前提ですが、患者さんの院内滞在時間をいかに減らせるか、ということが大きなポイントになります。
もうひとつは、人材の確保です。
今後、大局的に見て人材不足はますます進んでいきます。すると、人の価値はますます上がっていきます。
早い段階で、人でなければできない仕事、人でなくでもできる仕事を切り分けていくことが大切です。
コロナ禍の功罪のひとつに、急速なデジタル化の進展があります。
医療業界でも様々な分野でデジタル化の波が押し寄せています。
こうした波を適切に判断し、デジタルを用いた効率的な診療体制構築に対応していけるかが、今後の人材不足時代への生き残りを大きく左右します。
最後に
2020年は社会情勢の大きな変化により、内科クリニックも様々な面で多大な影響を受けた1年でした。
しかし大切なのは、この変化は不可逆的だということです。多少の揺り戻しはあっても、コロナ前の常識に戻ることはないと考えていただいて良いでしょう。“新しい生活様式”の中では、内科クリニックも“新しい経営戦略”を求められます。
2021年、またこれからも持続的に発展し続け、地域にとって、社会にとって求められるクリニックであり続けるために、今までの常識に捉われないチャレンジをしていただければと思います。
今後のクリニックの方向性について迷われた時は、お気軽にお声かけください。初回無料で、内科専門のコンサルタントが相談に乗らせていただきます。
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この記事を書いたコンサルタント
川本 浩史
大手製薬・医療機器メーカーのMRを経て船井総合研究所に入社。
船井総合研究所に入社後は心療内科・内科診療所を中心にコンサルティング業務にあたっている。
前職では大学病院での消化器手術から療養病棟の輸液・栄養管理に至るまでそれぞれの臨床現場に入り込み、医療従事者と共に『より良い医療の提供』を実現するために邁進してきた。
臨床に近い現場で医師と対話を重ねてきた前職の経験を活かし、机上の空論とならず臨床現場に即したエビデンスのある実行策を提案している。