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いつもめでぃまがをお読みいただきましてありがとうございます。また新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さま、および関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
世間は東京オリンピックで賑わいを見せていますが、その背後では新型コロナウイルスの感染者数の増加はとどまらず、依然として緊迫した状況が続いています。内科クリニックにおいては、昨年に続き今年の冬も慎重な運営が求められます。
2021年の冬はどんな状況になるのか?
院長先生からご相談いただく中で、「今年の冬の感染状況等は、どうなると思いますか?」とご質問をいただくことが増えてきています。
しかしはっきり申し上げて、それは「分かりません」。
新型コロナの感染が更に拡大する可能性もありますし、ワクチンによって大きく収束する可能性もあります。インフルエンザが昨年は流行しなかった分、今年は大流行するかも知れません。こればかりは、誰にも予想できないのです。
しかし逆に考えてみましょう。予想できない=私たちにとってコントロールできることではないので、そのこと自体に頭を悩ませることは時間がもったいない、ということが言えます。私たちがコントロールできるのは、あくまでの私たち自身の行動です。頭を悩ませるべきは、「どんな時に、どんな行動を取るべきか」という今後の行動計画であると言えます。
悲観的に計画し、楽観的に実行する
京セラ創業者の稲盛和夫さんの言葉に、「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」という言葉があります。まさに今、この中の一部「悲観的に計画し、楽観的に実行する」を意識していただきたいと思います。
つまり、自身でコントロールできる「行動」に着目し、考えられる様々な悪いパターンを想定しその対応策を検討:悲観的に計画し、そして冬にはその計画した対応策を楽観的に(=愚直に)実行する、ということです。
あくまで一例ですが、
・感染の急拡大により外出自粛・受診抑制が起こるかも知れない
→オンライン診療のシステム・広報準備を進めておく
・コロナ以外の感染症が大流行し、外来が大混雑するかも知れない
→空間隔離(導線設計)、時間隔離(発熱外来専門時間)の導入検討・実際のオペレーションについてスタッフさんと今の内から相談しておく
→コロナ・インフルの検査を「受ける/受けない」をあらかじめ検討し、受ける可能性のある場合は院内検査体制の整備を進める
→患者数が増えたとしても、待ち時間が長くなり院内滞在時間が伸びないような“診療効率化”の工夫を進める
・コロナが急拡大し、スタッフさんにも感染者が出るかも知れない
→「この人しかできない」という属人的業務を洗い出しておき、他のスタッフさんでも対応できるようマニュアル化を進める
→そもそも人がいなくても回るシステム(問診、説明、会計システムなど)の導入を検討する
などが考えられるでしょう。
当然、最悪の場合には院長ご自身のコロナ感染による一時閉院なども想定されます。これは昨年同様に、一定期間営業ができなくなったとしてもクリニックが継続できるだけの、ある程度の運転資金を今の内から準備しておくことも大切です。
未知の冬に向けて、ご不安があればご相談ください
当社では、初回に限り1時間程度での無料相談を承っています。クリニックの現状をお伺いし、数多くのクライアント様をご支援させていただいている経験を持って、貴院が今、何をすべきなのか?どう進めるべきなのか?をお伝えさせていただきます。お困りの先生はどうぞお気軽にお声かけください。
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この記事を書いたコンサルタント
川本 浩史
大手製薬・医療機器メーカーのMRを経て船井総合研究所に入社。
船井総合研究所に入社後は心療内科・内科診療所を中心にコンサルティング業務にあたっている。
前職では大学病院での消化器手術から療養病棟の輸液・栄養管理に至るまでそれぞれの臨床現場に入り込み、医療従事者と共に『より良い医療の提供』を実現するために邁進してきた。
臨床に近い現場で医師と対話を重ねてきた前職の経験を活かし、机上の空論とならず臨床現場に即したエビデンスのある実行策を提案している。