今回のコラムでは、2020年の診療報酬改定に伴う、外来栄養食事指導料の見直しについて解説させて頂きます。
2020年4月に施行される診療報酬改定では、「業務の効率化に資するICTの利活用の推進」を厚生労働省は打ち出しています。
その一つに、「外来栄養食事指導料の見直し」があります。
これは、「外来患者の栄養指導において、遠隔での指導を可能にする」というものです。
算定要件の推移は以下の通りです。
~現行~
【外来栄養食事指導料】
イ 初回 260点
ロ 2回目以降 200点
[算定要件]
注1)別に厚生労働大臣が定める基準を満たす保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、医師の指示に基づき管理栄養士が具体的な 献立等によって指導を行った場合に、初回の指導を行った月にあっては月2回に限り、その他の月にあっては月1回に限り算定する。
~改定後~
【外来栄養食事指導料】
イ 初回 260点
ロ 2回目以降
(1) 対面で行った場合 200点
(2) 情報通信機器を使用する場合 180点
[算定要件]
注1)別に厚生労働大臣が定める基準を満たす保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって、別に厚生労働大臣が定めるものに対して、医師の指示に基づき管理栄養士が具体的な献立等によって指導を行った場合に、初回の指導を行った月にあっては月2回に限り、その他の月にあっては月1回に限り算定する。
注2)ロの(2)については、医師の指示に基づき管理栄養士が電話等によって必要な指導を行った場合に、月1回に限り算定する。
現行の診療報酬制度の場合、点数を算定するためには栄養指導を対面で行う必要がありました。
ですが、今回の診療報酬改定により、遠隔(電話やテレビ通話)での栄養指導であっても、180点の診療報酬を算定できるようになります。
注意点は下記二点です。
(1)初診月にあっては月2回、それ以外の月は1回しか算定できない
(2)医師の指示に基づき、管理栄養士が情報通信機器を使用して指導を行う必要がある
これにより、栄養指導を受けるためだけに来院するといった患者様の負担を軽減することができ、尚且つ、先生方の診療も効率化されるでしょう。
時代の変化に伴い、こういった診療体系を推進していくことも、クリニック様の差別化に繋がっていくと思います。
今回の診療報酬改定を機会に、ICTの利活用に踏み出すことを強くお勧めさせていただきます。