いつもめでぃまがをお読みいただきましてありがとうございます。船井総合研究所 内科コンサルティングの川本です。
今回のメルマガでは、内科クリニックがWEB予約システムを選定する際に気をつけたいポイントを整理してお届けします。WEB予約システムを導入すべきか否か、あるいはどのようなWEB予約システムを導入すべきか迷っておられる先生にとってご参考になれば幸いです。
■順番予約と時間帯予約
まずクリニックの予約システムを検討する際、システムとして大きく「順番予約」と「時間帯予約」に大別されます。
順番予約はその名前の通り、何番目に受診できるかを、先着順で予約するシステムです。一般的には耳鼻科や皮膚科、小児科など、一日の患者さんの数が多く診察時間のばらつきが比較的小さい診療科で使われるケースが多い形態です。
時間を定めていないので先生のペースで診察ができる、患者さんも外部から診療の進み具合が確認できるというメリットがある一方、原則として当日の予約しかできない、具体的な時間が読めない、順番を過ぎてから来られた患者さんが多くなると対応が煩雑になるなどのデメリットがあります。
時間帯予約は、一日の間にクリニック側があらかじめ設定をした時間帯(15分~30分枠)に対して、患者さんご自身が都合の良い枠を指定して予約を入れるシステムです。個々の患者さんではバラつきがあるものの、平均すると診察時間が比較的安定している内科クリニックではこちらの形態が導入されることが多いように感じます。
数日先以降のスケジュールを調整して予約ができる、時間を指定しているため待合室での待ち時間が最小となるというメリットがありますが、事前に設定した枠内で診察が長引いてしまった際には以降の診察が全て後ろにずれこんでしまい、せっかく時間を指定して予約したにも関わらず時間通りの診察とならず、かえってクレームにつながるリスクがあります。
いずれにせよ全ての患者さんがWEB予約システムを介して来院されるわけではないので、電話での予約受付をどうするか、予約せずに来院される患者さんの対応をどうするのかなど、あらかじめ院内でルールを統一しておく必要があります。
■クリニックにとっての利便性
上記の特徴を踏まえ、先生のクリニックに来院される患者さんの層が順番予約、時間帯予約のどちらのスタイルに合っているか、ということをまず考えてみましょう。これらは業者によっては組み合わせて使うことができる場合もあります。内科クリニックの場合、疾患毎に使い分けてもいいかも知れません。
そしてクリニック側の利便性として考えたいポイントは、管理画面が見やすいか、使っている電子カルテとの連動が取れるか、そして導入・運用コストの面があります。また専用の機器が必要か、初診・再診どちらも対応できるか、なども選択の際に気をつけたいポイントです。
このあたりは業者によって大きく異なってきますから、いくつか目星をつけたシステムの担当者から話をしっかりお聞きになることをお勧めします。中には一定期間無料でデモをしてくれる業者もありますので、積極的に試してみると良いでしょう。
■患者さんにとっての利便性
導入を検討する際、見逃されがちなのがこの視点です。
特に時間予約のWEB予約システムを導入した場合の患者さんのメリットは、クリニックが開いていない時間帯であっても予約を取ることができる、ということがあります。
特に生活習慣病などの患者さんは働いている世代の方が多く、医療機関を探すのは通勤時間やお昼休み、夜間など、クリニックが開いていない時間帯であることが多いです。この時、クリニックのホームページに時間帯予約のWEB予約システムが導入されていれば、患者さんはそのまま自身の都合の良い日時で受診予約をすることができます。
ただしこの予約の際に入力しなければならない項目が多いなど手続きが面倒であったり、見た目が分かりにくかったりなど利便性が低いと、煩雑さゆえに途中で予約ページから離れてしまい、予約につながらないケースがあります。
そういった視点で考えると、先生が思っている以上に「シンプルであること」「どこをクリックすれば一目で分かること」というのが非常に大切であるということがお分かりいただけるかと思います。
また中には予約日時が近づいた際にメール等で自動リマインドをしてくれるシステムもありますので、キャンセル率を下げる取り組みとしてそういった機能がついているということも、選択肢の一つとなるかと思います。
■導入のタイミング
WEB予約システムの導入は電話による問い合せを減らす、受付・予約業務を簡略化する、院内待ち時間を短縮するなどの大きなメリットがありますが、その運用体制に慣れるまで導入後しばらくは、かえって業務が煩雑になる傾向にあります。
そう考えると内科クリニックがWEB予約システムを導入したいと考えた時、まず冬場の繁忙期は避けるべきでしょう。また複数の業者を比較検討したりデモを試したり、ということを考えると、繁忙期明けの春頃から検討を始めるのが最も良いタイミングかと思います。
まさにこれからの時期が内科クリニックとしては比較的余裕ができ、新しい取り組みをするのに適した時期になるかと思いますので、迷っている先生がおられましたら一度今のタイミングでご検討されることをお勧めいたします。
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この記事を書いたコンサルタント
川本 浩史
大手製薬・医療機器メーカーのMRを経て船井総合研究所に入社。
船井総合研究所に入社後は心療内科・内科診療所を中心にコンサルティング業務にあたっている。
前職では大学病院での消化器手術から療養病棟の輸液・栄養管理に至るまでそれぞれの臨床現場に入り込み、医療従事者と共に『より良い医療の提供』を実現するために邁進してきた。
臨床に近い現場で医師と対話を重ねてきた前職の経験を活かし、机上の空論とならず臨床現場に即したエビデンスのある実行策を提案している。