【診療報酬改定】リフィル処方箋の導入によるクリニック経営への影響予測

2022年01月25日 (火)

科目:
皮膚科・美容皮膚科
コラムテーマ:
経営計画/経営管理 業界動向 診療報酬改定

診療報酬改定レポート

2022年診療報酬改定で「リフィル処方箋の導入」が決定し、今年4月から運用が開始します。リフィル処方箋とはご周知の通り、「一定期間内・回数内なら医師の診察なしで薬局処方を受けられる制度」で、クリニック経営においては「薬のみ患者の減少」が見込まれます。

リフィル処方箋の具体的な内容(対象患者・対象疾患・対象薬剤・上限期間・非導入罰則規定等)に関しては行政が現在議論しており、おそらく2月上旬から3月上旬には正式に発表されると思われます。特に薬のみ患者が多い医院様では経営状況が大きく変わる可能性があり、気が気でない状況だと思いますが、皮膚科の診療現場で経営コンサルティングを行ってきた立場から、リフィル処方箋が与えるクリニック経営への影響や今後の皮膚科経営の潮流について予測したいと思います。

まず、以前からの流れではありますが、国が医療費削減に切り込んでいく流れは加速しているという認識で間違いないと思います。それに向けて、4月にリフィル処方箋導入、10月に75歳以上の医療費2割負担と、医療費減施策が予定されています。さらに、その先の診療報酬のマイナス改定をいよいよ視野に入れなければいけない状況だと思われます。

今回のメルマガではリフィル処方箋がテーマですので、短期・中期・長期に分けて予測してみます。(※リフィル処方箋の具体的内容の発表前であることをお含みおきください。)

■リフィル処方箋の短期予測
・コロナ感染に敏感な一部の年配層と、オンライン診療を希望されたような「時間がない層(ビジネスマン・ママ)」からの希望の声が出てくる。
・患者層・疾患を絞って部分的に取り入れるクリニックは増えるものの、経営に対する影響は軽微である。
・この時点では医療収入の自然減への対応策を打つクリニックは少ない。

■リフィル処方箋の中期予測
・年配層・ビジネスマン・ママ層の中から希望者が徐々に増えてくる。
・リフィル処方箋の積極提供を差別化要因としてホームページ等で訴求するクリニックが出始める。(=同一地域・同診療科内での患者様の取り合い合戦)
・保険診療の経営基盤に不安を感じた院長が、自費強化を考え出す。

■リフィル処方箋の長期予測
・リフィル処方箋の対象疾患・薬剤を増やす流れが来る。
・保険診療で収益を上げる必要があるクリニックの中から、科目を超えた診察・処方を行うクリニックが出てくる。(=同一地域・診療科を超えた患者様の取り合い合戦)
・ますます、自費強化(=第二の収益柱作り)が迫られるようになる。

予測は以上です。
非導入の罰則規定がどの程度かなど、これから発表される情報によって実際の影響の大きさは左右されますが、できるだけ先読みした対策として保険診療に依存しない収益モデル作りを進めていらっしゃる院長は全国に多数いらっしゃいます。

今のうちからできる対策を考えていかれたい先生方はぜひ気軽に弊社までご相談ください。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。

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