カウンセリングの役割が変わってきている?
- 科目:
- 皮膚科・美容皮膚科
- コラムテーマ:
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目次
いつもお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所です。
今回は、「カウンセリングの役割が変わってきている?」というテーマでお送りいたします。
おそらく、皆さまの医院でも起こっていることではないかと思いますので、最後までお付き合いをお願いします。
最近、複数の皮膚科で起こったクレーム案件
日々、全国津々浦々の皮膚科・美容皮膚科でコンサルティングをしていると、時々不思議な出来事が起こります。それは、全く地域が異なるのに、同時期に同じ問題ごとが起こるケースです。まさに、つい先日そのことが起こりました。
一体どういうことが起こったのかというと、「シミ相談で来た患者さんの熱量に押されて、悪化の可能性がある治療をやることになって、治療後にやっぱりクレームになった」という事案です。当然、医院側では「この施術は悪化のリスクが…」とか「他のこの施術が良いと思いますよ!」と丁寧に説明はしているものの、患者さん側からの強い要望で患者さんが求める施術をすることに。
院長・スタッフさん側の言い分としては、「きちんと丁寧にやらない方が良い理由を説明したけど、患者さんが納得せずにいつまでも話が平行線のままだった」ので、「患者さんが望む治療をやることで患者さん自身が納得するかと思い治療をやることになりました」ということでした。
こういう患者さんは昔から時々いらっしゃる印象はありますが、以前ならスタッフさんの言い回し・伝え方で解決していたところが、どうも最近はそうにもいかずに後からクレームに発展するケースが多発しているようです。
なぜそういったクレームが多発しているのか推測してみると
そういうクレームが全国的に多発する理由として、美容医療市場の変化が関係しているのではないかと私なりに推測しています。
コロナ渦で余暇のお金が向かう先がなくなり、それが美容医療市場に流れたことと、全国の美容皮膚科・皮膚科がSNSに力を入れておうち時間の取り合いをしたことも影響して、美容医療市場はここ数年で伸びました。
それにより、猫も杓子も美容医療に挑戦する時代に市場が変化しているのではと思います。これは広告面から考えると有難いことですが、現場ではその弊害もあって、美容医療に対する理解が乏しい患者さんも増えるし、かつ美容医療を甘噛みしたことがある患者さんも増えるし、間違った情報も拡散されやすい状態になっています。
故に、今まで通りの「治療説明やコース契約提案」が主体のカウンセリングから、これからは「まずはあなたが美容医療に向いているのかどうか、そして当院の治療方針にマッチしているのか」を見極めた上で「治療説明やコース契約提案」をするという以前までの一歩手前までカバーしなければいけないように、カウンセリングに求められる役割が変わってきているのではないかと現場で感じています。
では、自分たちはどうしていけばよいのか。
自分たちの医院でどうしていくべきか
では、自分たちはどうしていけばよいのか。私がお伝えしているのは、「カウンセリング時点で断る勇気を持つのも大事ではないか」ということです。
カウンセリング時点で、美容医療に向いていない・あるいは当院の治療方針に理解いただけない患者様に施術を受けていただいても、結局は不満足に繋がり、クレームに繋がり、場合によってはGoogle口コミに悪評を書かれたりと良くない状況の連鎖に繋がる可能性があります。そのため、この患者様は自分たちの治療内容や方針に対してご満足いただける方なのかどうかを選別して、もし難しいようなら丁寧に説明して始めの段階で断るのも大事になってきているように感じます。
当然、目先の契約を取れば収入は増えますし、せっかく相談に来てもらっている方をお断りするのは心苦しいのは重々承知ですが、それなら少なくとも自分たちの治療方針をホームページに記載するなり、事前予約を取られた際に予約確認メール内に治療方針を記載するなりして、できるだけ事前に理解していただくのが賢明かと思います。
ということで、今回は「カウンセリングの役割が変わってきている?」というテーマで書かせていただきましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。少しでも中長期の医院ブランディング強化の視点でご理解いただけると幸いです。