【かかりつけ医機能報告制度解説】 1号機能についての詳細
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かかりつけ医機能報告制度の解説情報をお送りさせていただきます。
※本記事は令和7年8月末までに交付された情報を基に作成しています。
▼かかりつけ医機能報告制度とは?
かかりつけ医機能報告制度とは、地域の各医療機関が「かかりつけ医機能報告」を行うことで、その地域に過不足ないかかりつけ医機能があるかを知ることができ、地域の患者がそれらの情報にアクセスできることで、自身の症状に適切な医療機関を選択できるようになる制度のことです。
これらを通じて、地域の医療体制や、患者において過不足ない医療サービスの提供・向上に繋げることを目的としています。
本制度の目的・報告事項・スケジュール等の概要を知りたい方は【かかりつけ医機能報告制度解説】目的・報告事項・スケジュールについての記事をご参照下さい。
かかりつけ医機能報告制度における1号機能とは?
かかりつけ医機能報告制度における1号機能とは、「継続的な医療を要する者に対する発生頻度が高い疾患に係る診療その他の日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能」と定義されています。
これは複数の慢性疾患をもつ高齢者をはじめとした「継続的な医療を必要とする人」を地域で支えるための機能です。
1号機能を有する医療機関と認めらえるためには、下記の報告事項について「実施している」もしくは「実施できる」ことが要件です。
かかりつけ医機能報告制度1号機能の具体的な機能と報告事項
【1号機能の具体的な機能】
◆継続的な医療を要する者に対する発生頻度が高い疾患に係る診療を行うこと。
◆日常的な診療において、患者の生活背景を把握し、適切な診療及び保健指導を行うこと。
◆自身の専門性を超えて診療や指導を行えない場合、地域の医師、医療機関等と協力して解決策を提供すること。
【1号機能の報告事項】
以下の項目全てについて「実施している」または「実施できる」と報告する必要があります。
▼1号機能を有する医療機関であるかの判断要件となる報告事項
◆「具体的な機能」を有すること及び「報告事項(※後述の「その他の報告事項」は除く)」について院内掲示による公表をしていること
※院内掲示の様式例は医療機関等情報支援システム(G-MIS)からも出力できるようにシステム開発が行われる予定とのこと
◆かかりつけ医機能に関する研修の修了者の有無、総合診療専門医の有無
※研修の要件は今後設定され、該当する研修が示される予定です。改正医療法施行後5年を目途に、研修充実の状況等を踏まえ、研修修了者または総合診療専門医がいることの報告について改めて検討されます。
◆17の診療領域ごとの一次診療の対応可能の有無、いずれかの診療領域について一次診療を行うことができること。
※「17の診療領域」とは、皮膚・形成外科、神経・脳血管、精神科・神経科、眼、耳鼻咽喉、呼吸器、消化器系、肝・胆道・膵臓、循環器系、腎・泌尿器系、産科、婦人科、乳腺、内分泌・代謝・栄養、血液・免疫系、筋・骨格系及び外傷、小児の各領域を指します。
◆一次診療を行うことができる疾患の掲示
※報告できる疾患は、患者調査による推計外来患者数が多い傷病を基に検討・設定されます。
※改正医療法施行後5年を目途に、制度の施行状況等を踏まえ、一次診療・患者相談対応に関する報告事項について改めて検討されます
◆医療に関する患者からの相談に応じることができること
上記の項目の全てを「可」と報告する医療機関は、「1号機能を有する医療機関」として、通常の診療時間外の診療、入退院時の支援、在宅医療の提供、介護サービス等と連携した医療提供といった「2号機能」の報告も行うことになります。
▼その他の報告事項
◆医師数、外来の看護師数、専門看護師・認定看護師・特定行為研修修了看護師数
◆かかりつけ医機能に関する研修の修了者数、総合診療専門医数
◆全国医療情報プラットフォームに参加・活用する体制の有無
※具体的には、オンライン資格確認を行う体制、オンライン資格確認等システムの活用により診療情報等を診察室等で閲覧・活用できる体制、電子処方箋により処方箋を発行できる体制、電子カルテ情報共有サービスにより取得される診療情報等を活用する体制が含まれます
◆全国医療情報プラットフォームの参加・活用状況、服薬の一元管理の実施状況
◆健診、予防接種、地域活動(学校医、産業医、警察業務等)、学生・研修医・リカレント教育等の教育活動 など
◆1号機能および2号機能の報告で「当該機能有り」と現時点でならない場合、今後担う意向の有無
報告の時期と詳細マニュアル
原則として、毎年1月1日時点の体制や状況について報告が行われますが、実績に関する報告事項(直近1年分)や診療報酬に関する報告事項(前年度4月から3月までの1年度分)は異なる基準日となる場合があります。
かかりつけ医機能報告の具体的な運用や各報告事項の詳細については、令和7年度中に厚生労働省から発出される予定の「かかりつけ医機能報告マニュアル(仮称)」を参照することとされています。
本制度の報告は特定機能病院および歯科医療機関を除く、全ての病院・診療所が対象ですので、ご不明点やご懸念点等があれば無料の経営相談でご相談ください。