「 2021年度介護報酬改定で、通所リハビリはどう変わるか?① 」

2021年02月15日 (月)

科目:
整形外科
コラムテーマ:
経営計画/経営管理

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こんにちは。
船井総合研究所の先森仁です。

本年、2021年は3年に1度の介護報酬改定が施行される年です。
介護保険が関する大きな変化は、2019年4月の要介護高齢者への疾患別リハビリに対する「算定日数超え対応」以来です。
この度は主に、整形外科クリニックが参入していることが多い「通所リハビリ」に関しまして、2021年4月の介護報酬改定後にどう変わるかをお伝えしようと思います。

まずは、介護保険サービス全体の方針として、通所リハビリに関係する主な改定事項と致しましては、

 

①感染症対策の強化
介護サービス事業者に、感染症の発生及びまん延等に関する取組の徹底を求める観点から、委員会の開催、指針の整備、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施等が義務付けられる。
(※3年の経過措置期間を設ける)

②業務継続に向けた取組の強化
感染症や災害が発生した場合であっても、必要な介護サービスが継続的に提供できる体制を構築する観点から、全ての介護サービス事業者を対象に、業務継続に向けた計画等の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施等を義務づける。
(※3年の経過措置期間を設ける)
【①、②に関しては、こちら(https://bit.ly/2MOBVil)を参照】

③無資格者への認知症介護基礎研修受講義務づけ
介護サービス事業者に、介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を有さない者について、認知症介護基礎研修を受講させるために必要な措置を講じることを義務づける。
(※3年の経過措置期間を設ける。新入職員の受講について1年の猶予期間を設ける)

④人員配置基準における両立支援への配慮
仕事と育児や介護との両立が可能となる環境整備を進め、職員の離職防止・定着促進を図る観点から、各サービスの人員配置基準や報酬算定において、育児・介護休業取得の際の非常勤職員による代替職員の確保や、短時間勤務等を行う場合にも週30時間以上の勤務で「常勤」として取扱うことを可能とする。

⑤会議や他職種連携におけるICTの活用
運営基準や加算の要件等における各種会議等の実施について、感染防止や多職種連携促進の観点から、テレビ電話等を活用しての実施を認める。

⑥署名・押印の見直し、電磁的記録による保存等
利用者等への説明・同意について、電磁的な対応を原則認め、署名・押印を求めないことが可能であることや代替手段を明示する。また、諸記録の保存・交付等についても、電磁的な対応を原則認める。

 

以上の6点となります。①~③に関しては義務化された事項となりますので、3年の経過措置期間中の対応が必要となります。

 

次に、通所リハビリが関係する主な改定事項と致しましては、

①通所介護等の事業所規模別の報酬等に関する対応
延べ利用者数の減少が生じた月の実績が前年度の平均延べ利用者数から5%以上減少している場合、3か月間は基本報酬(※加算は含まない)の3%の加算を行う。

②LIFE(※2021年4月より。旧CHASE・VISITの統合版?)による情報の収集・活用とPDCAサイクルの推進
事業所の全ての利用者に係るデータ(ADL、栄養、口腔・嚥下、認知症等)を厚生労働省のデータベースに提出してフィードバックを受けると、
科学的介護推進体制加算として、40単位/月を加算される。

③リハビリテーションマネジメントの強化(に伴う基本報酬の変化)
算定率の高いリハビリテーションマネジメント加算(I)及び介護予防通所リハビリテーションのリハビリテーションマネジメント加算は廃止し、同加算の算定要件は基本報酬の算定要件(リハビリテーション計画書の作成、家屋評価など)とし、基本報酬で評価を行う。

【基本報酬について】
※通常規模型、所要時間1時間以上2時間未満の場合
・要支援1:1,721→2,053単位/月
・要支援2:3,634→3,999単位/月
・要介護1:331→366単位/回
・要介護2:360→395単位/回
・要介護3:390→426単位/回
・要介護4:419→455単位/回
・要介護5:450→487単位/回

【リハビリテーションマネジメント加算】
・リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ) および介護予防のリハビリテーションマネジメント加算→ (廃止)

以下は要介護の利用者さん対象となります。
・リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ) → リハビリテーションマネジメント加算(A)イ・ロ
 リハビリテーションマネジメント加算(A)イ
  同意日の属する月から6月以内:560単位/月
  同意日の属する月から6月超:240単位/月
  リハビリテーションマネジメント加算(A)ロ
  同意日の属する月から6月以内:593単位/月
  同意日の属する月から6月超:273単位/月
・リハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ) → リハビリテーションマネジメント加算(B)イ・ロ
 リハビリテーションマネジメント加算(B)イ
  同意日の属する月から6月以内:830単位/月
  同意日の属する月から6月超:510単位/月
 リハビリテーションマネジメント加算(B)ロ
  同意日の属する月から6月以内:863単位/月
  同意日の属する月から6月超:543単位/月
・リハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ) → (廃止)

リハビリテーションマネジメント加算のイ・ロ区分につきましては、②のように利用者のリハビリテーション計画書等の内容等の情報を厚生労働省に提出しているかによって分かれます。

④長期間利用の介護予防リハの評価の見直し
介護予防通所リハビリテーションの場合、利用開始日の属する月から12ヶ月を超えると、
要支援1の場合20単位/月
要支援2の場合40単位/月
の減算となる。

以上の点が、2021年の介護報酬改定で、通所リハビリを運営されるクリニックさんが関連する主な項目となります。

 

簡潔にまとめますと、

  • 基本報酬はアップしたものの、現行のリハビリテーションマネジメント加算の要件が必須となり、しっかりとしたリハビリ計画を立ててサービス提供できる体制が必要である。
  • 2024年の介護報酬改定(その先には2025年問題…)に向けて、介護サービスの効果検証をするために、情報収集に力を入れる。
  • ICT活用を積極的に進めていく。

といった、メッセージが感じられます。
今回は、ボリュームも多いため、具体的にどのような運営が今後求められるかにつきましては、次回のメルマガにてお伝えいたします。
今回は、「2021年度介護報酬改定で、通所リハビリはどう変わるか?①」についてお伝えしました。
ご不明な点がありましたら、お気軽に弊社までご相談くださいませ。

※2021年4月1日から施行される介護報酬改定情報について述べており、正しい情報をお伝えするために細心の注意を払っておりますが、情報取り扱いについては自己責任にてお願い致します。情報の誤り等のお気づきの点が御座いましたら、お手数ですがご連絡をお願い致します。

次回のメールマガジンもお楽しみに!

 

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船井総合研究所
先森仁

 

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先森 仁

プロフィール詳細

前職では、理学療法士として疾患・医療介護問わず幅広い臨床経験、修士課程でのフィールドワーク・研究活動経験を活かし、“現場の課題をしっかり把握・分析し、早期に業績・利用者満足度の向上をします。
特に、整形外科クリニックを中心に、リハビリテーション科の稼働率アップ、教育体制の構築、運動療法の充実および通所リハビリの立ち上げ→稼働率アップを行ってまいります。

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