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近年、高齢化やコロナ禍の影響により「在宅医療」への注目が高まっています。
この現状を踏まえ、自院のビジネスモデルにお悩みの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、在宅医療業界における現状と今後の対応、在宅医療の経営を行う上で持つべき視点について詳しく解説いたします。
在宅医療業界の現状 -需要が高まる背景-
業界全体として厚生労働省が発表している医療費の動向からみても、在宅医療全体では前年対比で増加をしております。
特に、このニーズが上昇している要因として考えられる背景は以下の3つになります。
・高齢者人口の増加
・コロナウイルスによる人々の意識の変化
・人々の最期の迎え方に対する考え方
この3つの背景と影響について詳しく解説します。
高齢者人口の増加
内閣府の令和4年版高齢社会白書によると、日本の総人口における65歳以上の人口の割合は約3割となっており、その割合は毎年増加傾向にあります。
この増加する高齢者の方に多く見られる病気に、老年症候群や寝たきり関連の症候群が挙げられます。これらの疾患は、医師だけではなく家族や他業種などの協力が必要になると言われています。
このことからも、高齢化が進行したことで、在宅医療における需要の高まりに影響していると言えるでしょう。
コロナウイルスによる人々の意識の変化
新型コロナウイルスの感染拡大は、医療業界への影響が大きいと言われています。その影響の一つに在宅医療の需要増加が挙げられます。
新型コロナの蔓延により、病院に通院することで感染症へ罹患するリスクが高まることから、在宅医療を選択する人が多くなってきております。
また医院によっては、面会禁止など厳しい規制があったことから、入院治療から在宅治療へ切り替えるきっかけになったと考えられます。
人々の最期の迎え方に対する考え方
日本財団が67歳〜 81歳の方に行った「人生の最期の迎え方に関する全国意識調査」では、人生の最期を迎えたい場所として、58.8%が「自宅」と回答しました。その理由としては「自分らしくいられる」「住み慣れているから」といったことが挙げられました。
このように、人々の意識調査からも在宅医療の必要性が高まっていると言えます。
在宅医療で求められていること
在宅医療の需要が高まり、推進される中で “ 必要とされていること ” は何なのか、知ることが大切になってくると思われます。
在宅医療を行う上で必要になることを、以下の2つの観点からご紹介いたします。
・利用者とその家族に寄り添うこと
・医師や看護師などスタッフの意識改革
利用者とその家族に寄り添うこと
在宅医療を利用するうえで、ご家族の不安は大きいものになると言えるでしょう。
例えば、
“自宅で患者さんの容態が急変したらどうすればいいの?”
“災害などの緊急事態が発生したときはどう対応したらいいの?”
というような不安が利用者のご家族には残ります。
そのため、患者さんやご家族のケアに関する悩みなどを把握し、いつでも相談ができる環境を整えるなど、患者さんとその家族に寄り添った対応が必要とされていると考えられます。
医師や看護師などスタッフの意識改革
在宅医療を行う上で、医師や働くスタッフの意識改革を行うことが大切になってくると考えられます。
ここでは、どんな考え方やスキルを持った人材が必要になるのか3つご紹介します。
・「患者さんの限られた時間を共有している」と自覚したうえでの行動ができる人材
在宅医療を利用する方の中には、残りの時間が長くない患者さんもおられます。
そのような患者さんと接する中で、その時の患者さんの状態にふさわしい接し方が必要になります。
・在宅治療でも、できる限りの治療・ケアができるよう努力する人材
在宅での治療は、病院での治療とは違い、機械などの設備がいつでも整っているわけではありません。そのため、患者さんの現在の状態の把握だけでなく、今後の見通しまで考える力が必要となります。
・コミュニケーションを積極的に図ることのできる人材
在宅医療では、医師だけでなく看護師やケアマネジャー、ヘルパーなど沢山のスタッフがケアを行います。そのため、互いの役割を尊重して、ほかのスタッフと積極的にコミュニケーションを図る必要があります。また、患者さんやその家族とコミュニケーションを取ることで、満足度の高い治療・ケアを行うことができます。
在宅医療業界の時流変化と今後の課題
全国各地の在宅医療を行っている先生方とお話させていただいております、我々コンサルタントの現場からの視点をみても、コロナ禍の影響の中でもどんどんニーズが高まってきております。
そのような中でより厳しくなっているのは “採用” についてです。
在宅医療業界では、需要を受けきるための供給量が圧倒的に不足しておりますので、採用を制する者が在宅診療を制すると言っても過言ではございません。
現在は、医師だけでなく、コメディカルの採用も難しくなってきております。
そのため、
“ いかにして自院を選んでもらうのか ”
“ 継続的に勤務を続けてもらえるか ”
がカギになります。
最近では、外来診療のみを行っているクリニックが在宅医療へ新規参入するだけでなく、中小病院による在宅医療への参入も加速しております。今は一部地域を除いてはブルーオーシャンと言われている在宅医療ですが、少しずつではありますが充足している地域も出てまいりました。
高齢者が増えていく背景の中で、新規参入してくる医療機関が増えて来ています。
そのため、いかに周囲のクリニックと差別化をし、各事業所や中核病院から選ばれるクリニックになるのかが重要になります。
また、「まだ在宅医療はやっていないがゆくゆくは始めたい」とお考えの方は、いち早く参入へ取り組まれるべきです。
2023年以降、在宅医療の経営において持つべき視点
業界全体が少しずつ成長し競争が激化していく中では、従来までの外来の延長線上での在宅医療でも患者が増えていく、と言った時代は終わり、より経営面においても「いかに自院を選んでもらえるか」が問われるようになります。
まずは、「○○(エリア名)で在宅医療を依頼するなら●●クリニックだよね」と自院の診療圏内の各事業所や中核病院の方々に自然と考えていただけるような、いわゆる“地域で一番”に到達することが一番の理想の形になります。
しかし、まだそのフェーズではない医療機関様も多くあるかと思います。
このことを踏まえて、どのフェーズの医療機関様にも共通して必要な3つの柱がございます。
その3つの柱はこちらです。
・採用
・教育
・集患
この3つの柱についての詳しい内容は、下記の時流予測レポートからご覧ください。
在宅医療を成功させるうえでこの3つの柱を常に意識しながら、
「その中で2023年は何に取り組むべきか?」を明確にしていただければと思います。
2023年の在宅医療業界の時流予測をまとめた無料ダウンロードレポート(ご希望の方への経営相談特典付)を公開させていただいております。
こちらからダウンロードが可能ですので、是非ご活用ください。
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この記事を書いたコンサルタント
齋藤 倫啓
医療機関の収益アップに貢献するだけでなく、最期は在宅でと望むすべての人の想いを叶えるために、現場で培ってきた経験を含めながら、現実的なアプローチ方法を提案し医療機関の発展に尽力します。
そしてきたる2025年問題に向けて、切れ目のない医療の提供体制を構築し、一人一人の自立と尊厳を支えるケアを将来にわたって持続的に実現していけるような仕組み作りに携わり、日本の医療に貢献をしていきたいと考えております。