整形外科クリニックにおけるスタッフ離職の最新事情

いつもめでぃまが!をお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所の先森仁です。

「令和2年 雇用動向調査結果の概要(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/21-2/dl/kekka_gaiyo-02.pdf)」によりますと、コロナ禍において、医療・福祉業界は離職者が昨年度よりも増加した数少ない業界でございました。

専門職であるため、どこでも働くことができることも理由として挙げられると思いますが、長期の定着が稀な業界ではあるかもしれません。 また、10月1日に最低賃金が変更となり(https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-09.htm)、 採用条件などを検討される場合に、給与設定は重要となってまいりますが、コロナ禍の業績により固定費のアップは頭の痛い課題となります。

給与アップで万事解決するかどうかというと、必ずしもそうとは限りません。
入職に有利になるかもしれませんが、退職に有利になるとも限りません。 この度は、スタッフの離職理由について考えてみたいと思います。

統計で見る離職理由

内閣府の「令和元年度 国民生活に関する世論調査(https://survey.gov-online.go.jp/r01/r01-life/index.html)」の結果では、働く目的について、「お金を得るために働く」と答えた者の割合が56.4%とダントツのトップに上がっています。
では、離職理由も金銭的な理由が一番であるのかどうか?

厚生労働省の「令和2年 雇用動向調査結果の概要(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/21-2/dl/kekka_gaiyo-04.pdf)」における離職理由としては、
・整形外科のクリニックに多い、25~34歳男性については、「職場の人間関係が好ましくなかった」、「給料など収入が少なかった」、「労働時間、休日などの労働条件が悪かった」の順に離職理由が多いものが挙げられました。
・女性については年齢層の幅が広くなりますが、「職場の人間関係が好ましくなかった」、「労働時間、休日などの労働条件が悪かった」、「給料など収入が少なかった」の順に離職理由が多いものが挙げられました。

全業界の統計とはなりますが、金銭的な理由が離職理由のもっとも大きな理由というわけではなく、人間関係や労働条件もケアしていく必要がございます。

医療業界における離職理由と対策

①金銭面については、「なかなか給与が上がらない」、「これだけ働いているけど評価はされない」ということで、他の職場や医療機関への転職を検討されます・・・

他業界への転職場合は、転職によって収入が上がる可能性はあるかもしれません。しかし、医療機関での転職となると、医療事務・看護師・理学療法士などどの職種においても、転職で給与アップを図ることは非常に難しい状況です。

むしろ、転職することによって、今までの役職・地位がリセットされ、収入が下がる可能性さえあります。

②人間関係については、コロナ禍もありますが、なかなか労働時間外でのコミュニケーションを取る機会が少なくなっております。職員教育についても、就業時間内でのOJT(現場の中でスタッフを育てていく)がスタッフに喜ばれる傾向になります。しかし、理学療法士の新卒においては、コロナ禍で勉強会やセミナーにいけないため、昼休みの実技指導や院内勉強会があることを入職理由に挙げられることが見られます。

就業時間内でのコミュニケーションをすべて完結させることは難しい点もございますので、チャットワークやLINEなどのコミュニケーションツールの整備なども必要になると思われますが、ルールを決めて運用していかないとトラブルのもとになりますので、注意が必要です。

③労働条件については、リモートワークの難しい医療業界では、30歳前後でライフステージが変わっていく職員で、就業時間や休日が重要となってくるケースが増えております。①や前回のメルマガでも申し上げましたように、特に家庭を持つ療法士の場合は、単独の収入ではなかなか厳しい台所事情もあり、共働きのケースが今後多くなります。そうなると、業務終了時間や休みの取りやすさが給与より重視されてきます。

簡単に診療時間や診療日を変えるわけにはいきませんので、職員をやや多めに採用し、働く時間のパターンを増やせるようにしたり、時短勤務などといった環境整備も必要になってきます。

今回は、「整形外科クリニックにおけるスタッフ離職の最新事情」についてお伝えしました。
今後、ますます競争が激しくなる整形外科業界において、より良い診療・治療を患者さんに提供でき、地域に頼られるクリニックづくりの一助となれば幸甚でございます。

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この記事を書いたコンサルタント

先森 仁

プロフィール詳細

前職では、理学療法士として疾患・医療介護問わず幅広い臨床経験、修士課程でのフィールドワーク・研究活動経験を活かし、“現場の課題をしっかり把握・分析し、早期に業績・利用者満足度の向上をします。
特に、整形外科クリニックを中心に、リハビリテーション科の稼働率アップ、教育体制の構築、運動療法の充実および通所リハビリの立ち上げ→稼働率アップを行ってまいります。

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