診療をスムースに進めるための問診票のポイント
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いつもめでぃまが!をお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所の先森仁です。
3/22にまん延防止措置が解除となり、また暖かくなってきたことも相まって、来院される患者さんの人数が多くなることが見込まれます。
そういった中で、業務の円滑さを止めてしまう要因のひとつが、「問診」です。
・問診票で未回答の部分が多い
・結局、受付または診察で聞き直すため時間がかかる
・診察前の情報が不十分
・入力内容が無駄に多く、入力に時間がかかる
など、受付・診察周りの渋滞を引き起こす事態をご経験された方も多いかと思います。
そこで、今回は「診療をスムースに進めるための問診票のポイント」についてをお伝えしたいと思います。
なぜ、問診票で得たい情報が得られないのか?
問診票に関して、現場で上手くいかない事例として、
①問診票の回答が空白である
②書いてある文字が読めない、または内容の確認をしないと分からない
という事例が多いと思われます。
それでは、なぜ上記のようなことが生じてしまうのか?
①問診票の回答が空白である
例としてよくあるのが、「症状が起きた原因を詳しくご記入ください」という質問の下にご自由に記載して頂く欄を設けているが、真っ白であるケース。
では、なぜ空欄になるのか?
まず、「どこまで書けば良いのか?」と思った時点で、書くのを辞めてしまう方が多くいらっしゃいます。要は、回答のしづらさのため、未回答が増えてしまいます。
②書いてある文字が読めない、または内容の確認をしないと分からない
せっかく回答頂いたのに文字が読めない、または記載内容が質問の意図に合っていなかったり、意味が分からなかったりするため、スタッフさんが確認をしなければいけないケース。
では、なぜ確認が必要になってしまったか?
これは、患者さんに回答を“自由に書かせてしまった”ためです。要は、患者さんに“自由に書かせなければ”、そもそも生じなかったケースです。
問診票を設計する上で必要な考え方
こういったケースを減らすために、どういう問診票にすれば良いのか?
ここで、問診票を設計する上で必要な考え方をお伝えいたします。
ポイントは3点で、
①自由に記載できる質問は極力少なく、選択式で答えやすい質問にする
②詳細な回答を求めない
③結局診察室で確認する内容は、問診票に載せない
ということです。
①自由に記載できる質問は極力少なく、選択式で答えやすい質問にする
先程例に挙げた、「症状が起きた原因を詳しくご記入ください」という質問に対して未回答になるケースで考えてみます。
原因について、文章で書かせてしまうと未回答や内容確認が生じるのであれば、
例としては、仕事・スポーツ・交通事故など選択肢を設ければ、回答はしやすくなります。
②詳細な回答を求めない
上記の例で、仮にスポーツだとします。問診票で深堀しようと思ったら、「競技は何か?」・「どんな状況だったか?」・「接触なのか?」など聞き始めたらキリがありません。先生によって、そこまで確認したいかによりますが、A4で1枚程度に収まる分量で深堀する質問は選択していきましょう。
③結局診察室で確認する内容は、問診票に載せない
弊社のアンケートで分かったことですが、問診票の内容記載を、先生が確認していない、または再度確認するということが意外と多いことが分かっています。もしそうであるならば、そもそも問診票に載せず、診察室で問診すると割り切ることも必要だと考えます。
これらに関しては、WEB問診でも応用可能です。
今回も、「診療をスムースに進めるための問診票のポイント」についてお伝えしました。
今後、ますます競争が激しくなる整形外科業界において、より良い診療・治療を患者さんに提供でき、地域に頼られるクリニックづくりの一助となれば幸甚でございます。
次回のメールマガジンもお楽しみに!
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この記事を書いたコンサルタント
先森 仁
前職では、理学療法士として疾患・医療介護問わず幅広い臨床経験、修士課程でのフィールドワーク・研究活動経験を活かし、“現場の課題をしっかり把握・分析し、早期に業績・利用者満足度の向上をします。
特に、整形外科クリニックを中心に、リハビリテーション科の稼働率アップ、教育体制の構築、運動療法の充実および通所リハビリの立ち上げ→稼働率アップを行ってまいります。