緊急事態宣言解除後の状況はどのようになるのか?~1度目の振り返りを踏まえて~

2021年09月28日 (火)

科目:
整形外科
コラムテーマ:
経営計画/経営管理

いつもめでぃまが!をお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所の先森仁です。

現在、19の都道府県に出されている緊急事態宣言について、いずれの地域でも、新規感染者数が減少し、医療への負荷も軽減されているとして、9月30日の期限をもって解除する方向で検討が進んでおります。まん延防止等重点措置の適応については、各都道府県ごとに調整ということです。

緊急事態宣言は今までも発令と解除を繰り返し、人の流れなどの増減についても感覚がずれつつありますが、この度の緊急事態宣言解除は、1回目(2020年5月)の緊急事態宣言解除の状況と類似する点が多くございます。行動制限の緩和や整形外科の1年における月間売上が多い月という意味において、

この度は、緊急事態宣言解除後の状況がどのようになるのか?という点を、2020年5月の解除時の状況を踏まえ、お伝えしてまいります。

初回(2020年5月)の緊急事態宣言解除時との類似点

初めに、初回(2020年5月)の緊急事態宣言解除時との類似点についてお伝えいたします。
1点目として、整形外科の診療所の月間売上は年間通じて、6月と10月にそれぞれピークを迎えるということです。

6月・10月は稼働日数が多く、昨年からは10月は体育の日が7月へ移っております。2点目として、「行動制限の緩和」について言及が比較的明確であるという点です。初回の緊急事態宣言解除後は解除に対する安堵感も大きく、Go Toキャンペーンといった移動を活性化させる施策もとられました。この点については、今回は「第6波」がちらついてくるため、初回ほどのインパクトは少ないかもしれません。

しかし、特に都市部は長期に渡った緊急事態宣言が「やっと解除」されるという気持ちも大きいのではないかと考えられます。

初回の緊急事態宣言後はどのような状況だったか?

医業収入の面においては、2020年6月は昨対比(2019年6月)と比較して100%とはいかないまでも、微減に留まる回復は見せていました。・・・

目立ったのは、再初診(久しぶりに来院された初診)の増加であり、これは宣言解除に伴い外出を再開した方が増えたことに起因し、弊社のお付き合い先に関わらず、全国的に当てはまったことではないかと考える。回復が早い、または昨対比より売上を伸ばした医院の特徴としては、

①コロナ対策を“見える化”できている
  →患者さんが安全に通院できる
②WEBマーケティングによる集患対策ができている
  →新規の患者さんが獲得できる
③運動器リハビリが充実し、稼働できている
  →患者さんが定期的に受けられる治療手段がある

が挙げられました。
①につきましては、もはや大前提となっていることだと思われますので、②③のように、新しい患者さんの来院と定着に対する対策は必須です。また、定着の要因は運動器リハビリの提供のみならず、患者満足度アップのために、接遇の見直し・診療の待ち時間対策にも着手が必要となります。

10月以降に取り組むできことは?

先述した対策以外にも、取り組むべき施策はいくつか考えられます。
まず取り組んで欲しいことは、自粛もしくは離脱された患者さんに対して、再度来院を促すことです。分かりやすい例でいけば、しばらく来院がない方に向けたお手紙が一般的でございます。自粛中に調子を崩されている方もいらっしゃると思いますので、状態確認の意味を込めて、一度お手紙を送ることは有効です。

また、一般的な消費行動の観点を踏まえると、よく聞かれるのが「リベンジ消費」と呼ばれるものです。つまり、自粛期間中に我慢していたことや生じた問題に対する消費を行うということです。昨年の場合ですと、皮膚科では自費での美容コンテンツの売上が伸びるといったケースがございます。整形外科において、自費メニューはなかなか多くはないですが、最近増えつつある再生医療をはじめとした処置タイプのコンテンツは売上を伸ばすチャンスかもしれません。また、緊急性の兼ね合いもございますが、手術件数が減少したケースもあると思います。そのため、不要な処置ではない自費の診療・治療につきましては、院内掲示や積極的なお声がけにて促しても良いと考えます。

少しニッチなお話でいくと、今年の夏休みは国体の中止の影響なのか、部活も中止となりスポーツの怪我が少なかったという話がいくつか聞かれております。9月以降、学校も再開しており部活も再開されることになりますので、学生の怪我が増える可能性がございます。

緊急事態宣言が明けて、消費行動が活発化すると「いいクリニック」に患者さんは増えていきます。コロナを契機に今後格差は広がっていくことが予想されるため、できる対策をすぐにでも取り組んでいってみてください。

今回は、「緊急事態宣言解除後の状況はどのようになるのか?~1度目の振り返りを踏まえて~」についてお伝えしました。
今後、ますます競争が激しくなる整形外科業界において、より良い診療・治療を患者さんに提供でき、地域に頼られるクリニックづくりの一助となれば幸甚でございます。

次回のメールマガジンもお楽しみに!

 

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この記事を書いたコンサルタント

先森 仁

プロフィール詳細

前職では、理学療法士として疾患・医療介護問わず幅広い臨床経験、修士課程でのフィールドワーク・研究活動経験を活かし、“現場の課題をしっかり把握・分析し、早期に業績・利用者満足度の向上をします。
特に、整形外科クリニックを中心に、リハビリテーション科の稼働率アップ、教育体制の構築、運動療法の充実および通所リハビリの立ち上げ→稼働率アップを行ってまいります。

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