期待せずに応援する、というスタンス

2015年08月23日 (日)

科目:
整形外科
コラムテーマ:
スタッフマネジメント
■「期待はしてないけど、応援はしてるよ」
 
この言葉は、私がまだ入社する前、大学4年のとき、
船井総研の年始社員総会の懇親会で役職者に掛けられた言葉。
 
その時は「なんて冷たいんだろうか」なんて思いましたが、
今は、この言葉は深いな、と実感することが多くあります。
 
 
■世の中で
「期待したのに裏切られた」
「思っていた人と違った」
といった類の話しはごまんとあります。
 
一見、「まぁ、しょうがないよね」なんて同情しそうですが、
こういった言葉を口にする人は全員「他責」と考えたほうが良い。
 
そして、自分が「他責思考」であることに気付いていないことも多い。
 
 
■「思考は実現化する」なんて言葉はありますが、
「自分がどう在り続けたいか」は叶う。
自分の選択次第でその生き方は可能だから。
 
でも、
「誰かにこうなってほしい」
とか、
「誰かと一緒に○○したい」
は叶わない。
他の人はコントロールできないから。
 
人は、
自分が“どんな選択をしてもいい自由”を持つと同様に、
他人も“どんな選択をしてもいい自由”を持っている。
 
 
■経営者が「○○に裏切られた」と言葉を出すとき、
「ああ、この人は他責だなぁ」
と思ってしまいます。
 
 
■「期待するから裏切られた」と感じる。
 
だから、
「期待せず、応援する」
 
期待なんて必要ない。
本気でそう思います。
 
 
■「期待する」というのは、一見良いことのように見えますが、
実のところ、「自分が勝手に思い描いた理想像を他人に押し付けているだけ」。
 
そして、その自分の理想と違うことを相手がすると、
「勝手に裏切られた気分になる」。
 
これが失望の正体。
 
特に、自分に近しい人に対して、人は「期待しがち」。
親とか子供とか配偶者とか従業員とか後輩とか部下とか。
 
「期待される側」は堪ったもんじゃない。
勝手に「期待され」て、勝手に「裏切られた」と言われる。
 
「初めからそんなこと目指してませんけど。。。」
というのがオチ。
 
世の中の大半のいさかいは、この思考の上で成り立ってるんじゃないか、と思います。
 
 
■「期待する」人は、「ありのままの相手」を冷静に見れていないことがほとんど。
自分が勝手に作り上げた「イメージ」を相手に重ね合わせているだけのことがほとんど。
 
「いつも自分の意図を汲んでくれて、自分から動いてくれる人」
とか。
 
だから、どんな人にも「失望し続ける」。
相手は誰でも関係ない。
誰に対しても「理想」を描き続けるから。
 
そういう人は、「自分に対しても」そういう思考のことが多い。
常に「理想の自分」と「今の自分」を比べて落ち込む。
 
だから
「自信がない」人が多い。
「自分が嫌い」な人が多い。
 
 
■言葉に出さないと、伝わらない。
 
「言わなくても伝わる」
「以心伝心」
なんて真っ赤な嘘。
 
人生で長く関わる親とか子供とも以心伝心なんて程遠いのだから、いわんや他人をや。
 
親も結局、一番近しい「他人」。
 
冷たいようで、真実です。
 
 
■人は真実を突きつけられると怒る。嫌がる。
 
「そんなことまで言わなくても」
 
とか。よく言われます。
 
でも、と思います。
そういった真実から目を背けて、
 
「言わなくてもわかってほしい」
とか、
「なんで自分の望むようにやってくれないの」
と嘆く時間とエネルギーがもったいない。
 
そのエネルギーは「自分がやりたいことをやる」という前向きな方向に使いたい。
 
 
■他人への不満を言う前に、まず自分がやるべきことをしてない。
伝えるべきことを伝えてない。
 
「こういうスタッフになって欲しい」
とか
「こういう医院にしていきたい」
とか。
 
言葉に出すべきことを出してない。
言葉にしないと伝わらない。
 
言葉に出してもいないのに、
伝えてもいないのに、
 
「自分の考えに共感してくれるスタッフがいない」
とか
「うちのスタッフはなにも分かってない」?
 
とか言うのは間違っている。
そういう経営者が多いですが。?
 
 
■マネジメントのキモは、
「イメージ」ではなく「在りのままのスタッフ」を見つめること。受け入れること。認めること。
 
そして、
「伝えなきゃ分からない」から、
「ちゃんと、『どんな医院にしたいか』『どんなスタッフになって欲しい』『患者さんにこんな対応をしてほしい』」
という経営者の願いを、思いを、理念を従業員に表現し続けること。
 
経営者の想いや判断軸を共有する場はいくらでもある。
全体ミーティングや主任クラスとのミーティング、個別面談で直接言葉で伝える。
 
「企業理念」や「クレド」、「評価制度」の中で、「こんなスタッフを私は評価しますよ」「こんな姿を目指してね」と伝える。
 
そして、だれが成長の兆しを見せるか「期待せずに、応援する」。
 
経営者が想いを伝えだすと、思いがけない人が成長の兆しを見せるものです。
逆もまた然り。
「この人は成長するかな?」と思っていた人が、思いのほか成長しないこともある。
 
それもまた、そのスタッフの選択次第。その人の自由。
「成長しない」という選択をした結果でしかありません。
そこに「失望する」必要もない。
ただ、そのスタッフが「現状維持」を望んだだけ。
「ああ、成長したくないのね」という感想を持つだけでいい。

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■経営者の「時間」と「エネルギー」は有限だから、誰にでも優しくなんてできない。
言葉にしないと願いは叶わない。
 
叶う、という漢字に現れている。
 
「願いを十回口にする」で、「叶う」。
 
 
■成長するかしないかは、他人次第。
他人の自由。
干渉すべきでないし、できない。
 
成長したいと望む人には、そして、その気持ちを行動に現してくれる人には直接手を貸すことは出来る。
 
だけれども、自分からその気持ちを行動に現してくれない人には手を貸せない。
 
経営者の「時間」と「エネルギー」は有限だから、誰にでも優しくなんてできない。
だから、限られた「時間」と「エネルギー」を「成長したい」と望む人に注ぐ。
 
組織の「長所伸展」。
 
 
■よくご支援先で
「これをやれっていう指示はもらってますけど、なんでやらなきゃいけないんですか?」
とスタッフから言われることがあります。
 
「やること」だけ伝えてもうまくいきません。人は育たない。
 
「なぜ“これをやる”」と「判断したのか」
 
その「価値判断軸」をスタッフと共有することがマネジメントの“本質”。人を育てる“本質”。
 
経営者の「価値判断軸」を伝え続け、スタッフと共有しつづけることで、
結果として、
その「価値判断」に共感するスタッフが増え、
結果として、
経営者の「意図を汲んで」動けるスタッフが増える。
 
「やり方」だけ指示するのは楽だけれど、その組織の行く末は「崩壊」しかない。
 
 
■どんなに「やり方」に再現性があろうと、
その「やり方」を形にするのは現場で動くスタッフです。
 
そのスタッフが経営者の「意図を汲んで」動けない限り、
その「やり方」は長続きしない。
 
「どんなに形が決まったやり方を当てはめたとしても、
結果が出る会社と出ない会社が明確に出てくるのは「人財力」の“差”。
一時的にうまくいっても、長続きしない、のも「人財力」の“差”。
 
逆に言うと、
「人財」を育てることができる組織は、どんな「やり方」であってもうまく回る。
 
 
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