地域一番レベルのクリニックも経験する停滞という悩み
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いつもめでぃまが!をお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所の先森仁です。
2022年度が始まり、はや一ヶ月が経とうとしております。
診療報酬改定によるドタバタは、整形外科業界ではそこまでなかったかもしれませんが、2024年の改定は2025年問題前かつ介護報酬とのダブル改定で大きな転換点を迎えることが予想されます。
整形外科業界は、先生方もご存じかと思いますが、この10年は運動器リハビリの普及と共に成長をしていきました。業績的に地域一番レベルのクリニックさんにおいては、運動器リハビリはほぼ当たり前(人数が多ければ良いわけではないですが)で、それに伴い患者さんやスタッフさんの数が増えていき、発展を遂げられています。
ただし、そこまで至る道のりが必ずスムースであったわけではなく、いろんな側面で苦労もしてきております。
そこで、今回は「地域一番レベルのクリニックも経験する停滞という悩み」についてをお伝えしたいと思います。
停滞する要因は「変化がない」こと
どんなクリニックさんでも、「変わらない」と停滞もしくは緩やかに下降していきます。地域一番レベルのクリニックにおいても、「変化しない」・「変化を拒む(まれる)」時期はなんらかの側面で経験されていると思います。
直近のセミナーでご登壇される長谷川先生の場合、開院をされて10年ほど経ったころ、治療手段の拡張のため様々な事業プランを提案されたのですが、多くの反対を受けてしまい停滞した時期があったというお話でした。その後、運動器リハビリの開始(時流適応)・自賠責治療の強化(強みを伸ばす施策)を展開していくことによって、圧倒的地域一番クリニックに成長していきますが、どこかで「変わらない」時期を経験されています。
事業展開・集患・業務効率化など変化のテーマはクリニックごとで様々だと思いますが、持続的な成長には変化に適応していくことは避けられません。
どのようにクリニックを変えていくか?
一言でクリニックを「変える」としても、やり方だけをダイレクトに取り入れるだけでは成功しないケースは今までよく見られます。なぜ、成功したやり方なのに、自院では上手くいかないのでしょうか?
まず、一番分かりやすい要因は、そもそも“できる”やり方ではなかったということです。分かりやすく言えば、パソコンのスキルがない方々に、良いからといって電子カルテを導入しても使いこなせない状況が分かりやすいかと思います。能力的にどうしても”できない”ことに関しては、力不相応となってしまいますので、力相応にできることから進めていくことが重要です。
それでは、能力的には可能であるのに、変わらない場合についてです。先述の長谷川先生の場合、端的に申し上げますと、理念共有やスタッフ教育により、院長とスタッフが同じベクトルで進むことができ、医院が成長していきました。理念共有やスタッフ教育も一概には説明できない話となりますが、小手先のノウハウや個々の頑張りに依存することは難しくなり、スタッフとの関わりが必要となります。大きな組織となれば、院長がスタッフさん全員に関わることも難しくなるため、右腕やリーダー育成も必要となってきます。ミーティングや目標設定につきましては、ここでは割愛いたします。
こうした課題の克服によって、医院に変化が生まれ、成長していきます。単に運動器リハビリ導入をすれば良い状況は終わりを迎え、収益のみならず、働きやすさ・人材育成・社会貢献など中長期的なゴールも多様化し、小手先の変化では停滞してしまうのが、直近の整形外科クリニック業界だと思われます。
今回は、「地域一番レベルのクリニックも経験する停滞という悩み」についてお伝えしました。
今後、ますます競争が激しくなる整形外科業界において、より良い診療・治療を患者さんに提供でき、地域に頼られるクリニックづくりの一助となれば幸甚でございます。
次回のメールマガジンもお楽しみに!
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~地域一番整形外科クリニックづくりの決定版~
整形外科クリニック業界では、運動器リハビリの立ち上げがこの10年間は主流でしたが、診療報酬や人の課題などで安泰となくなりつつあります。また。クリニックの成長ステージによって、課題となる要因は様々ですので、各ステージ毎の課題と対策について解説し、今後の医院経営の一助となりましたら幸甚でございます。
この記事を書いたコンサルタント
先森 仁
前職では、理学療法士として疾患・医療介護問わず幅広い臨床経験、修士課程でのフィールドワーク・研究活動経験を活かし、“現場の課題をしっかり把握・分析し、早期に業績・利用者満足度の向上をします。
特に、整形外科クリニックを中心に、リハビリテーション科の稼働率アップ、教育体制の構築、運動療法の充実および通所リハビリの立ち上げ→稼働率アップを行ってまいります。