問診を見直すことで医院全体の効率を改善する方法

2021年09月28日 (火)

科目:
整形外科
コラムテーマ:
経営計画/経営管理 診療効率化

問診を見直すことで医院を即時改善するポイント3選

先生方は自院の「問診」について、見直したことはございますでしょうか。
どのクリニックも必ず行なっている問診ですが、開院してから特に手を加えていない先生も多いのではないでしょうか。古い問診票には先生が聞きたい内容が反映されておらず、スタッフが改めて聞き直しているというクリニックもあるかと存じます。
医院の経営といった視点で問診を考え直すことは重要で、医院全体の効率を高めるだけではなく、先生の診療の質も高めることも可能です。

最近ではWeb問診を導入している医院も増えてきておりますが、
今回は「紙の問診」に焦点を当てて、見直すべきポイントを3点、お届けできればと存じます。

問診を見直すポイント①:問診は実はムダだらけ?

まず第一に、問診の目的はハッキリとしておりますでしょうか。

弊社のアンケート調査で判明したことでは、問診票の確認作業・カルテへの転記作業など、問診票関連のスタッフの作業は5分以上かかっていることが多いです。
一方、医師が問診票を見る時間については、半分以上の先生が30秒もかからない、9割以上の先生が1分未満であることが判明しました。(特に看護師さんが前問診を担当する場合、時間が長い傾向にあります。)

すなわち、初診患者さまの問診を行うことはスタッフに相当の負荷がかかっているという一方、医師の確認時間は短いということです。

もちろん問診で患者さまの容態をお聞きすることには変わりませんが、目的が曖昧な問診であったり、統一されていないと、医師・スタッフ双方に負担が生じてしまいます。

問診の目的としては大きく
・診察がスムーズに進むように情報を集める
・検査がスムーズに進むように情報を集める
の2つに大別されます。

整形外科クリニックは「診療がスムーズに進む」ための情報収集が目的となる場合が多いかと存じます。(一方、例えば内視鏡検査をするクリニックの場合は後者の目的が大きいでしょう)
スタッフ・医師が時間を割く分、目的を明確にし、問診の効果を最大限活かせるようにする必要がございます。

問診を見直すポイント②:医院全体としてモレなく、ダブりなく

問診の目的を明確化したら、目的に合わせて問診が作られているか?という観点で見直しを行ないましょう。例えば・・・

「診療効率化」が目的であるならば、極論ではありますが、問診票を細かく作りこみ、問診だけで診察の大部分が済んでしまうような体制づくりをすることも目的達成の手段です。

問診の構成をする際に気を付けたいポイントとしては、「医院全体で」重複なく問診ができているかです。
スタッフさんによる問診票の記入内容確認の場面・診療の場面を視察していると、問診で記入しスタッフさんが確認した内容を、診察室内で先生に再び話すというケースがよくあります。患者さまの心情を考えれば、医師に自分の状況を話したいということも頷けます。

このような状況を解決するためには、
①先述のように問診票を細かく作りこみ、スタッフが詳細に確認し、診察室での二度聞きをなくす
もしくは
②問診票はあくまで最小限のものと割り切り、詳しい内容は医師が診察室で直接聞く
という方向性を明確にして問診票を作りこむ必要があります。
この方向性があいまいだと重複が生じ、医院全体としての効率性が低下してしまします。

もちろん必要な事項は「モレなく」お聞きするべきですが、全体最適の視点を持って医院全体の中で「ダブりなく」お聞きできるかが、問診・それに関連するオペレーションの改善で重要となります。

問診を見直すポイント③:記述式と選択式

細かなことですが、問診票を見直す際に着目していただきたい点として
「自由記述の質問を最小限に抑えているか」
が挙げられます。

先述のように問診票の確認にはスタッフのリソースが多く消費されます。その中で問診票の自由記述欄を多くとってしまうと、「欲しい回答を得られない」「字が汚くてよく読めない」というような回答をいただいてしまい、ただでさえ忙しいスタッフが再度確認するという手間が生じてしまいます。
具体的には、「Q.本日はどのような症状ですか?⇒A.何か肘が変な感じがする」というような問診票を再度スタッフが聞き直すと、腕の痺れという症状が適切だった、というようなことでございます。

このような事態は、予め症状を選択してもらうような形(痛い・痺れる・腫れている…等)で問診票を構成することで未然に防げます。

また、このような施策はスタッフの負担軽減だけではなく、患者さまの助けにもなります。
医療専門職ではない患者さまにとって、自身の症状を正しくお伝えすることは難しいことです。そこで、予め選択肢としてよくある症状を提示しておき言語化の補助をしてあげることで、患者さまは自分の状況を心地よく伝えることができると同時に、医院も患者様をより深く理解することが可能です。

今回は、「問診を見直してみること」についてお伝えしました。
紙問診中心のお話となりましたが、Web問診を利用することで今まで以上に効果があり、かつ、システム連携でスムーズな問診を行うことが可能です。
今後、ますます競争が激しくなる整形外科業界において、より良い診療を患者さんに提供できるだけでなく、スタッフにとっても働きやすいクリニック作りの一助となれば幸甚でございます。

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この記事を書いたコンサルタント

名雪希望

プロフィール詳細

東京大学を卒業後、船井総合研究所に新卒入社。現場に徹底的に入り込みながらも、医院経営数値をしっかり把握・分析し、現場の抱える悩みを一つ一つ解消していく。社会保障制度に精通し、時流を読んだ提案を行う中で、特に医院で推進が難しいデジタル化支援に強みを持つ。

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