整形外科クリニックのリハビリで患者さんを離脱させる理学療法士の特徴について
目次
2022年後半に、改正高齢者医療確保法が成立し、後期高齢者の医療費負担割合が増加いたします。これにより予想されるのが、窓口支払い額の増加に伴う受診抑制および診療所間での格差でございます。
要するに、高い額を払うなら、良い医療を受けられる診療所を受診するという心理が働き、地域一番レベルとそうでない診療所の差が開いていきます。
運動器リハビリがあることが当たり前へ
医療機関届出情報による2020年11月1日現在の、有床・無床診療所における運動器リハビリの施設基準別による診療所数において、約半数の診療所が運動器リハビリを提供しているのが現状です。ひと世代前では、「運動器リハビリをやっていること」が差別化要素になり得ましたが、現在はリハビリの良し悪しが医院経営に影響を及ぼしかねません。
診察や処置と同じで、満足すれば通って頂けますし、満足しなければ離れていきます。
リハビリにおいて、「離れている」ことの指標はキャンセル数です。
今回は、臨床現場(実体験も含まれます…)や普段の経営サポートでよくみられる、患者さんを離脱させる療法士のタイプについてお伝えいたします。
タイプ①自論を押し付けてしまう
まずは、「自論を押し付けてしまう」タイプについて解説いたします。臨床現場での傾向・発言・対応については以下の通りです
【臨床現場での傾向】
・取得単位数自体は少なくない
・自分の治療に対する自信を持ちはじめると起きやすい(新人では起きづらい)
・臨床以外の業務でも自分の主張を推すタイプ
・患者さんの近況をあまり確認せず、自分のやりたい治療や評価だけをしてしまう
・リハビリに関係ない話は聞かない
・自分の治療方針に合わない患者さんを勝手に終了させてしまう
【よく耳にする発言例】
・リハビリ後に、「良くなったでしょ」と先に言う
・「PTはマッサージする仕事ではないので、マッサージ気分の方は対応すべきでない」
・「処方が腰なので、膝は見れません」
【対応】
・「やってあげている」という気持ちがあり、関係性として患者さんより優位に立っていることに気づかせる
・患者さんの経過・ニーズ確認を徹底する
タイプ②患者さんに主導権を与えてしまう
次に、「患者さんに主導権を与えてしまう」タイプについて解説いたします。臨床現場での傾向・発言・対応については以下の通りです
【臨床現場での傾向】
・予約の埋まり具合にムラが出ている
・取得単位が少ないケースが多い
・患者さんとのコミュニーケーション自体は取れている
・普段から自発的に発言しないタイプ
・次回予約を患者さんにゆだねてしまう
・リハビリの終了時期も患者さん判断にゆだねてしまう
・治療計画が言及できない(特に治りかけの時期)
【よく耳にする発言例】
・「いつ来てもらっても良いですよ」
・「状態よくなってたので、自然に来なくなった」
【対応】
・次回予約は、具体的な日時で提案する
・カルテ記載において、「いつまでに、何をする」を書くクセを付けてもらう
・患者さんに提案できることを増やし、患者さんを飽きさせない・リハビリの主導権を持つ
タイプ③そもそもリハビリの内容が説明できない
最後に、「そもそもリハビリの内容が説明できない」タイプについて解説いたします。臨床現場での傾向・発言・対応については以下の通りです
【臨床現場での傾向】
・知識・経験の乏しい新人~若手に多い
・中堅以上ならコミュニケーション不足
・患者さんの症状に対する対処療法しかアドバイスできない
・治療技術だけが先行していることがある
【よく耳にする発言例】
・「硬いから、とりあえずストレッチしましょう」
【対応】
・カンファレンスを行い、評価と考察をトレーニングする
・説明は口頭のみだと難しいため、動作をつけたり、模型や参考書を引っ張り出して視覚的に説明する
以上が、患者さんを離脱させる療法士の特徴でございました。
普段は、実際に療法士と面談やロールプレイングを行い、患者さんの離脱がなくなるように対応をさせて頂いております。
今後、ますます競争が激しくなる整形外科業界において、より良い診療・治療を患者さんに提供でき、地域に頼られるクリニックづくりの一助となれば幸甚でございます。
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この記事を書いたコンサルタント
先森 仁
前職では、理学療法士として疾患・医療介護問わず幅広い臨床経験、修士課程でのフィールドワーク・研究活動経験を活かし、“現場の課題をしっかり把握・分析し、早期に業績・利用者満足度の向上をします。
特に、整形外科クリニックを中心に、リハビリテーション科の稼働率アップ、教育体制の構築、運動療法の充実および通所リハビリの立ち上げ→稼働率アップを行ってまいります。