こんにちは。
船井総合研究所 医療支援部 野中です。
今回のメルマガでは、
「介護報酬改定」
と題してお送りさせていただきます。
クリニックの経営者の皆様は、「診療報酬改定」には敏感なアンテナを張っていらっしゃると思いますが、
「介護報酬改定」についてはあまり情報収集されていない先生が多いのではないでしょうか?
しかし、整形外科の場合は、高齢者が多い科目であり、大いに関係してきます。
ぜひ、今回のメルマガを参考にしていただければと思います。
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■今回の内容
1.今回の介護報酬改定の概要とは
2.リハビリに対しての国からのメッセージ
3.整形外科医院が、明日から行うべきこと
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1.今回の介護報酬改定の概要とは
2018年の報酬改定全体を踏まえれば、若干のプラス改定。
単位の増減はあるものの、通所系サービス以外は、大きく変更になったものは少ないと言えます。
新たな加算が発表になったり、やり方の見直しが必要だったり様々ですが、前回の報酬改定ほど介護業界に与える影響は少ないのでないかと考えています。
その中で今回は、
整形外科経営のなかでおさえておくべき事業である、「通所リハビリ」と「訪問リハビリ」について、主な改定内容を下記に記載します。
【通所リハビリ】
・短時間通所リハの基本報酬は維持
・4時間以上のサービスは、提供時間の区分が1時間ごとになった(※実質、長時間サービスの減算)
・3~4時間通所リハビリの基本報酬増
・リハビリマネジメント加算の細分化と要支援での新設
【訪問リハビリ】
・訪問リハビリでの指示医の関与がないと減算
・リハビリマネジメント加算の細分化と要支援での新設
・事業所評価加算の新設
通所リハビリは、短時間サービスへの評価、
訪問リハビリは、医師の関与があることを評価するということが大きな内容となりました。
2.リハビリに対しての国からのメッセージ
今回の改定では、リハビリに対して、大きく下記2つのメッセージがあります。
一つ目が、
「要介護被保険者等のリハビリは介護で対応しなさい」というもの。
今回の診療報酬改定で、
要介護被保険者の算定日数上限超えの疾患別リハビリが、2019年の4月より算定できなくなることが決定しました。
つまり、整形外科で疾患別リハビリテーションを提供しているクリニックは、介護保険で対応しないとリハビリが提供できなくなります。
二つ目が、
「介護でも効果のあるリハビリをしなさい」というもの。
今回も、リハビリマネジメント加算に対して非常に手厚い加算がつきました。
つまり、良いこと(利用者、国、地域から求められていること)をしていれば点数が上がります。
しかし、介護保険においては、デイサービスなど質の高いリハビリを提供できている事業所が少ないのが現状です。
そのため、
理学療法士などが多く在籍する整形外科クリニックこそが、地域のなかで質の高いリハビリを担うことができると考えています。
(※実際、私のご支援先でPTを講師にケアマネ向けに勉強会をすると、その専門性の高さに好評いただくことがほとんどです。)
3.整形外科が、明日から行うべきこと
医療と介護の連携の流れは今後もますます加速していきます。
最後に、明日から医院の中でおこおこなうべきことを、2点ご説明させていただきます。
①スタッフ全員に医療介護保険制度の動向とこれからについて説明する
医療スタッフは、あまり制度について学ぶ機会がありません。
そのため、院内勉強会のような形で、今後の医療介護の方向性を大枠のみでよいので、スタッフに共有しておくといいでしょう。
医療と介護業界が大きく変わる中で、スタッフ一人一人に医療人としての役割を考えてもらうことはこれから非常に大切になってきます。
②要介護被保険者の患者リストを作成する
そのうえで、現在医院に来ている患者さんの何割程度が要介護被保険者なのかを把握することが大切です。
そのうえで多くいるようであれば、通所リハビリや訪問リハビリを検討する必要があるでしょうし、逆にほとんどいなければまだ検討しなくてもよいかもしれません。
(※目安ですが、多くの整形外科が1割り程度が要介護被保険者になります。その場合は、通所リハビリを前向きに検討しましょう。)
ただし、まずは院長ご自身が、医療・介護制度の全体像を抑えることが大切です。
介護保険事業について、知りたいことや、ご不明点等がありましたら、お気軽に個別の経営相談にお申し込みください。
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最後までお読みいただきありがとうございます。
今回は「介護報酬改定」について、お送りさせていただきました。
次回のメールマガジンもお楽しみに!
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この記事を書いたコンサルタント
野中 達裕
早稲田大学を卒業。船井総合研究所に入社。看護師、理学療法士、放射線技師、医療事務などの専門職採用に注力し、小規模から大規模の法人の採用まで規模に合わせた幅広く実績を持つ。また、現場での勤務経験を活かし、医療現場の生産性向上のための診療効率化に対する提案に定評がある。