スタッフさんの事務作業を見直すための2つのポイント

2021年08月30日 (月)

科目:
整形外科

いつもめでぃまが!をお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所の名雪希望(なゆき のぞみ)です。

先生方は受付や理学療法士などのスタッフの事務作業について、先生は全体像を把握していらっしゃいますでしょうか。
開院したてのころは比較的見ていたものの、医院が成長し組織が大きくなっていくにつれて、先生の手を離れて把握しきれていないケースが多いかと思います。もちろん、先生は先生のやるべきことに集中するという組織のあるべき姿になるのですが、定期的に医院全体を振り返ることも重要なのではないでしょうか。

そこで、今回はスタッフの事務的な作業にスポットを当てて、「小さな所から始めるデジタル化」・「属人化からの脱却」について、お伝えして参ります。

事務作業を見直すメリット ー 効率性の視点

スタッフさんが事務作業に追われているという医院は数多いかと思います。時には残業をしてくださり、書類を作成している方もいらっしゃると思います。
そこで問いかけたいこととしては、「果たして効率的な方法で作業を進めているか?」という問いです。

例えば、紙で患者さまのリストを作り、自賠責保険などの請求業務をしていることはないでしょうか?このケースは、傍から見ても明らかに「非効率だなあ」と気づけるかと思います。このような場合は、Excel(スプレッドシート)やWord(ドキュメント)を導入するだけでも、目に見えて成果が出るかと存じます。

では次の例として、スタッフがExcelでリハビリの管理をしている場合はいかがでしょうか?傍から見れば、「デジタルツールを活用している」ように見えてしまうかと思います。
そこで更に問いかけたいこととしては、「デジタルツールを最大限活かしているか?」という問いです。

一応パソコンを使っていても、作業内容がほとんど紙と場合と同じであればもったいないことです。
例えばExcelであれば、
・ボタン一つでリストにある情報から請求書や宛名を一括印刷する
⇒今までいちいち「入力→印刷」していた作業が、数秒で終わってしまいます!

・指定した期間に、再来院誘導のためのご挨拶のメールをお送りする
⇒半年後にやるべき作業など、やっておいた方がいいけど「つい忘れてしまう」ことを
 労力をかけずに自動で行えます!

・データをもとに患者さんの予約状況を計算し視覚化、予測を立てる
⇒業務の繁閑差を減らしたり、予約空き枠を埋めるような、
 医院全体の効率化に向けた戦略を経てることができます!

といったようなことが可能です。

今このメールマガジンをお読みになっているパソコンやスマートフォンを考えてみても、メールの振り分け機能、カレンダーアプリと連携する機能など、知らないとできないような機能は多くあります。

パソコンやGoogleの機能に備わっているもの身近なもので、簡単に効率化にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

事務作業を見直すメリット ー 脱属人化の視点

医院の運営にて、事務作業についてはスタッフ中心に進めることが多いですが、その中でも「作業を仕組み化する」ことが大切です。

事務作業があまりにもスタッフの能力に依存してきてしまうと、そのスタッフが休んだり退職したりしてしまった場合に、医院運営が回らないという事態に陥ってしまいます。

そこで、デジタルツールを導入・マニュアルを整備することで事務作業を「多くの人が、効率的に」行えるようにし、属人化から脱却することができます。
できるだけ個人に業務が集中してしまわないために、デジタルツールの導入をし進めることが有効化と存じます。

更に、属人化が更に進んでしまった状態、
つまり「特定の業務をスタッフが独占し、やり方がブラックボックス化しまった状態」からの脱却にも有効です。旧態依然とした方法からなかなか新しいやり方へと移ってくれないスタッフも、自動化によるスピード・その先にあるメリット(例えば、残業が減り早く帰れる等)を提示することで、心が動いていただけるかもしれません。
もしくは、多少強引にツールを導入することも一つの手です。

経営学の組織論に「有能さのワナ(competency trap)」という用語があります。
端的に説明しますと、「優秀であるがゆえに現在に満足してしまうと、わざわざ現在よりも優れた戦略や方法取ろうとしなくなること」を言います。
革新的な手法と従来の手法を比較すると、新しいことを覚えるコストの存在から、短期的には従来の手法のまま続けることが有効かのように思えてしまいます。
もちろん医院経営的には長期的に考えて有効な手法を考えることが大切です。しかし、スタッフさんの視点になると、短期的なものに陥りがちなことも事実です。

院長先生や事務長、コンサルタントなどの視点から、改めて医院の事務作業を見直して見ることも重要ではないのでしょうか。

今回は、「スタッフの事務作業を見直してみること」についてお伝えしました。
今後、ますます競争が激しくなる整形外科業界において、より良い診療・治療を患者さんに提供できるだけでなく、スタッフにとっても働きやすいクリニック作りの一助となれば幸甚でございます。

次回のメールマガジンもお楽しみに!

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この記事を書いたコンサルタント

名雪希望

プロフィール詳細

東京大学を卒業後、船井総合研究所に新卒入社。現場に徹底的に入り込みながらも、医院経営数値をしっかり把握・分析し、現場の抱える悩みを一つ一つ解消していく。社会保障制度に精通し、時流を読んだ提案を行う中で、特に医院で推進が難しいデジタル化支援に強みを持つ。

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