みなさま、こんにちは。
眼科クリニックの経営コンサルティングをしている㈱船井総合研究所の野田です。
最近、予約制を検討する眼科クリニックが増えてきています。
ひとくちに予約制といっても、大きく「順番予約」「時間帯予約」があり、どちらを採用するにしても、全く異なる院内オペレーションになります。今回はそんな予約制について考えるべきポイントをお伝えします。
特に眼科の場合は、患者さんが受付してから検査まで外待合で待ち、検査をしてから診察まで外待合、中待合で待つことが多いですから、他の科目と異なり、予約制を導入する場合は慎重に検討する必要があります。
そして、予約をとっているといってもハンフリーやGPなどの検査予約だけをとっているクリニックもありますし、一般外来の予約までとっているところもあります。最近予約制を検討されているクリニックは、検査予約まではやっているけれど、一般外来予約はやっていないという傾向が多いです。
予約制をとるメリットはいくつかありますが、主な点は下記になります。
1. 時間帯ごとの患者数の波を平準化しやすい
2. 患者さんの待ち時間を減らし、院内滞在時間を減らすことができる
3. クリニック側で患者数の読み込みがしやすい(キャンセルは少ない)
もちろん、デメリットもあり、後述しますが、予約変更の電話対応などが増えることがあります。
検査予約をとっているクリニックからすると、一般的には「時間帯予約」が導入しやすいかと思います。
時間帯予約の場合は、クリニック側で人数設定をすれば予約数をコントロールすることができますので、人数の読み込みがしやすく、受付をしてから長時間待った、というクレームを減らすこともできます。
注意点があるとすると、あまり多くの枠を設定してしまうと予定通りの人数が診察できずに、あとの予約の方をお待たせすることになり、クレームに繋がります。反対に枠の設定が少なすぎると予約制のメリットを享受しづらくなります。完全予約制でなくても良いと思いますが、予約なしの方をどこに入れるかはしっかり決めておく必要があります。
テーマが異なるので別の機会にご説明しますが、予約枠数の設定は、先生の診察が患者さん1名あたりどのくらいの時間かかっているかにもよってきますので、最適な枠数はクリニックごとに異なります。
また、予約をいつどこで取るのかも重要になります。オンライン化していれば24時間いつでもどこでも予約はできます。しかし、現実的には再診患者さんは診療後に会計で次回来院日時を決めているクリニックが多いのではないでしょうか?
会計と併せて次回予約を取ると1人あたり2分~3分近い時間がかかるものです。今まで予約制をとっていなかったクリニックが予約制をはじめると、このあたりの会計時・予約時の時間増はやってみて気づくことも多いのです。
そうするとその時間を受付・会計スタッフで捻出する必要がでてきます。さらに、眼科の場合は、予約ができたとしても後日変更のために電話をかけてくる患者さんも意外に多く、ここでも受付・会計スタッフの時間を使うことになります。
予約システムを導入するだけでは、すぐにはうまくいかない理由がこういった当初見えにくい点にもあります。そういった場合は、院内オペレーションも変えていく必要がありますし、予約システムだけに留まらずに改革していく必要があります。
予約制を検討する際、予約システムを検討される際は是非そのあたりも想定してみてください。
■無料経営相談
予約システムの導入を検討されている先生、導入したけれどうまく活用できていない先生、予約枠を含め、最適な院内オペレーションを考えたい先生は無料経営相談をご活用ください。貴院の状況をお聞きした上で、ご提案させていただきます。また弊社は特定の予約システム会社とお取引はございませんので、クリニックの現状をお聞きし、客観的にアドバイスをさせていただきます。
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この記事を書いたコンサルタント
野田 陽一郎
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