【接遇強化施策5選】「接遇レベルのバラつき」が起こる本当の理由と組織としての対策」
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- 開業 皮膚科・美容皮膚科・美容外科
- コラムテーマ:
- クリニック・医院開業 美容医療 自由診療 シュライバー/クラーク スタッフマネジメント スタッフ自律型組織 教育 接遇
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皆さまは、スタッフの「接遇力」について考えたことはありますか?
美容医療を扱う現場では、「スタッフによって接遇レベルが違う」という課題が必ず生じます。
ただし、このバラつきは個人の性格や経験だけが原因ではありません。
多くの場合、院として接遇を仕組み化できているかどうか によって左右されます。
今回は、「接遇スキル向上」をテーマにお送りさせていただきます。
なぜ接遇レベルは揃わないのか?
① 接遇が“属人的”なまま運用されている
「感じよく接してください」「丁寧に説明してね」という抽象的な指示では、 スタッフごとに解釈が異なります。
結果、受付対応・カウンセリング・会計説明など、重要場面で温度差が出ます。
② “言い回し・説明の仕方”が統一されていない
特に美容医療では、
・料金
・効果
・ダウンタイム
・リスク
といった説明に言い方のブレが生じます。
同じ施術でも、スタッフによって印象や効果の伝え方が変わるため、患者様は「どれが正しいの?」と不安を抱え、離脱につながることも。
③ 新人育成が「先輩のやり方を真似する」だけになっている
新人は、先輩スタッフの対応をそのまま模倣します。
先輩同士で言葉遣いや対応が揃っていない場合、バラつきは時間とともに拡大し、収拾がつかなくなります。
④ 振り返りの機会が少なく、改善が積み上がらない
忙しい現場では、接遇面の反省やレビューが後回しになりがちです。
これでは院としての接遇レベルは安定しません。
経営者ができる「接遇の仕組み化」5つの方法
① カウンセリングの“言い回しテンプレ”を作る
例:
・禁句:「安いですよ」「たぶん大丈夫です」
・推奨:「効果の感じ方には個人差がありますが、我慢できる程度のお痛みというお声がほとんどですよ」
テンプレは、「怖がらせず、売り込まず、透明性を保つ」
という美容医療に合った方針で作るのがポイントです。
▶院長や主任・リーダークラスのスタッフで案を出し合ってみましょう。
「痛み」「効果」「DT」「リスク」「料金」などの説明項目をまずは10個テンプレ化してください。テンプレはミーティング時間に補足説明を入れながら共有するのがベストですが、空き時間がなければまずは共有するのみでもかまいません。
② 禁句・推奨ワードリストで言葉の質を揃える
言葉ひとつで患者様の印象は大きく変わります。
全スタッフが同じ基準で話せるよう、 「NGワード」と「推奨ワード」を10〜20個にまとめて共有します。
これだけでも接遇のバラつきは大幅に減少します。
▶各スタッフに「NGワード」「推奨ワード」を3つ書き出すように伝えてください。
回収して一つにまとめるだけで最低限のリストが完成します。
③ 「ロープレ文化」を院内に定着させる
接遇は知識ではなく動作のため、実際に声に出して繰り返すことが重要です。
ロープレは長時間不要で、1日3分でも十分です。
▶週に2~3回程度、朝礼で3分だけ「〇〇ロープレ」を1回行います。
まず”やる文化”を作ることが大事です。
④ 新人はまず「診察室に入る前」を完璧にする
美容医療では、診察以前の体験が満足度を左右します。
新人が最初に身につけるべきは、
・受付対応
・洗顔導線の案内
・待ち時間の説明
など、診察室に入る前の接遇クオリティです。
ここを統一すると「院の接遇レベル」が一気に整います。
▶院の主任に「新人が最初に覚える項目」をまとめてもらいます。
受付での声掛け/待ち時間説明/会計対応など、シンプルなフェーズで項目は10個程度にとどめることがおすすめです。まとめた内容をもとに新人教育を進めましょう。
⑤接遇チェックシートで「見える化」し、毎月の成長を管理する
接遇は見えないスキルのため、「できている/できていない」が曖昧になりがちです。
その結果、改善のサイクルが回らず、バラつきも放置されてしまいます。
そこで、チェックシートによる「見える化」が効果的です。
例:
・受付の第一声(明るさ・視線・姿勢)
・待ち時間の説明
・カウンセリングへの入り方
・表情や声のトーン
・クロージング
・帰り際の挨拶
▶院長もしくは主任が「来院受付/診察室ご案内/カウンセリング/施術後説明/会計」など、フェーズ別にまとめ、定期的なミーティングで各スタッフの進捗をチェックします。
チェックが埋まっていない項目は業務の空き時間等にブラッシュアップする形でもかまいません。
バラつきを減らすことは、“院としてのブランドづくり”
美容皮膚科だけでなくすべてのクリニックにおいて、接遇は単なる接客ではありません。
「このクリニックに任せたい」と思っていただくための体験価値そのものです。
スタッフ全員が同じ基準で患者様に向き合えるようになると、
・契約率
・再診率
・紹介率
が安定し、広告費に頼らない強い経営が実現します。
接遇は「院としての文化」と捉え、スタッフ全員で同じ方向を見ることが非常に大事です。
接遇研修や、その他クリニックの具体的な経営改善策にご関心がある方は、無料経営相談を実施しております。
ぜひこの機会をご活用ください。
お読みいただきまして、誠にありがとうございました。


