皮膚科医院への影響は?2024年診療報酬改定
目次
徐々に診療報酬改定の時期が迫ってきました。
具体的な発表内容は、まだ公開されていませんが、国より指針が続々と発表されてきております。
本コラムでは、診療所における診療報酬改定の大まかな方向性を速報として、お伝えいたします。
※2023年11月6日時点の情報を元に作成しております。
はじめに
2024年の診療報酬改定の施行は、「2024年6月1日から」となります。
例年は4月1月から施行ですが、後ろ倒しとなります。
背景といたしましては、医療DX推進の一環として、医療機関とベンダーへの業務負担を軽減するために行われるものですが、背景が何にせよ、診療報酬改定発表後、時間的余裕が生まれるため、改定に備えた事前準備が出来るかどうかが、改定後の業績UPにつながってくるでしょう。
2024年診療報酬改定は、皮膚科医院にとってプラスか?マイナスか?
結論、マイナスの可能性が高いと言えます。
財務省資料(財政制度分科会(令和5年11月1日開催))によりますと、
「近年の物価上昇率を大きく上回る単価増・収益増や、極めて良好な経営状況等を踏まえ、初診料・再診料を中心に報酬単価を引下げ」とあります。
一方、厚生労働省の「第169回社保障審議会医療保険部会(ペーパーレス) 資料」では、「医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組」についても重要課題として上げられているため、結局のところ、
「診療報酬・単価は下げるが、賃上げをする(ように対応しなければならない)」
ということになります。
皮膚科医院にとっては、マイナスな診療報酬改定になることが容易に想像されます。
診療所の地域別単価の導入について
上記に加えて、「診療所の偏在是正のための地域別単価の導入について」も財務省の資料に記載がございました。
これは、「診療所不足地域と診療所過剰地域で異なる1点当たり単価を設定し、報酬面からも診療所過剰地域から診療所不足地域への医療資源のシフトを促すことを検討する」ものです。
導入されるかどうかは、まだわかりませんが、こちらも注目するべき事項かと存じます。
前提として、国の社会保障費はひっ迫しているため、診療報酬に関しては、厳しい状況が続くかと存じます。そんな時流も踏まえ、皮膚科診療のあり方を変えていくのか、美容診療の幅を増やしていくのか、是非とも来年に向けて考えていただければと存じます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回の「めでぃまが!」もお楽しみに!
同じテーマで記事を探す
この記事を書いたコンサルタント
朝日伶
慶應義塾大学理工学部 卒業。
新卒で船井総合研究所に入社。皮膚科・美容皮膚科専門コンサルタント。集患対策を軸にコンサルティングを展開。集患に留まらず、業務効率化やスタッフマネジメントにも定評がある。短期的な売上UPだけに焦点を当てるのではなく、長期的に価値あるクリニック形成や院長・スタッフ・患者様を幸せに導く事に重きを置いている。