2024年診療報酬改定からみる整形外科クリニックが取り組むべき4つのポイント
- 科目:
- 整形外科
目次
下記に当てはまる先生方はぜひ最後までお付き合いください!
☑「2024年の診療報酬改定の動向を知りたい」
☑「2024年の診療報酬改定で有利な整形外科クリニックを知りたい」
☑「2024年の診療報酬改定後に成長する整形外科クリニックの特徴を知りたい」
☑「最近の整形外科クリニックのトレンドを知りたい」
2024年の診療報酬改定の個別改定項目が中医協総会にて資料が発表・更新されております。
現時点で公表されている2024年診療報酬改定の個別改定項目を踏まえて、
整形外科クリニックやリハビリに関わるポイントについてお伝えしていきます。
そして、2024年の診療報酬改定の方向性から、
今後、整形外科クリニックが取り組むべき4つのポイントをご紹介します。
※本コラムは、2024年2月7日に開催された第583回中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)の「個別改定項目(その3)について」に関する資料をもとに執筆しております。
整形外科クリニックに関わる主な個別改定項目の一覧(一部抜粋)
▸ 賃上げに向けた評価の新設
・外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(1日につき)の新設
・外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)(1日につき)の新設
▸ 疾患別リハビリテーション料の実施者別区分の創設
・疾患別リハビリテーション料について、
リハビリテーションを実施した職種ごとの区分を新設
▸ 時間外対応加算の見直し
▸ 医療情報・システム基盤整備体制充実加算の見直し
▸ 医療 DX 推進体制整備加算の新設
▸ 書面掲示事項のウェブサイトへの掲載
▸ リハビリテーションに係る医療・介護情報連携の推進
▸ 検査、処置及び麻酔の見直し
・トリガーポイント注射の算定料見直し
特に押さえておきたい個別改定項目と取り組むべきこと
▸ 賃上げに向けた評価の新設
・外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(1日につき)の新設
・外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)(1日につき)の新設
外来・在宅ベースアップ評価料の新設について、「個別改定項目(その3)について」より一部抜粋しながら解説いたします。
物価高騰ならびに最低賃金の上昇といった社会情勢を踏まえて、医療・介護業界においても、看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種(別表1に記載)について、賃上げを実施していくために新設されました。
要約しますと、看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種の賃金の改善報告と計画書作成によって、初診時および再診時および訪問診療時に加算をとることができるようになります。
(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いですが、
(Ⅰ)は「外来医療又は在宅医療を実施している医療機関(医科)において」と記載があり、(Ⅱ)は「外来医療又は在宅医療を実施し、入院医療を実施していない診療所であって」、さらいに算定要件に「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)を算定している患者」と記載があり、一定以上の賃上げによって、大幅に加算を取ることができます。
(※ 詳細については、中央社会保険医療協議会 総会(第583回)の「個別改定項目(その3)について」の資料をご参照ください。)
以上より、2024年の診療報酬改定で有利な整形外科クリニックの1つめは、
「初診数」が多い整形外科クリニックと考えられます。
最近は積極的にWEB広告などに投資をする整形外科クリニックも増えており、
「①WEBを活用した集患力の強化」に優先的に取り組んでいただきたいと思います。
最近、弊社に対しても、
「最近、新規患者が減ってきている。」
「人気がなくなっているのかな?」
といった院長先生からのご相談がありますが、
共通した印象として、WEBを活用した集患に取り組みの余地があることが多いです。
「3年前に取り組んだが、その後は特に手を付けていません。」
と仰る先生方もいらっしゃいますが、
整形外科クリニック業界のWEBを活用した集患の時流に乗り遅れている可能性がありますので、
上記に当てはまる先生方は要チェックです。
次に、初診時の加算ほどではないですが、再診時の点数も全患者に加算されるため、
2024年の診療報酬改定が有利に働く整形外科クリニックの2つめは、
定期通院のための受け皿を最大化している下記のクリニックと考えられます。
「②多くの患者を診療するための診療効率化の実施」
目標としたい診察人数:15人~20人以上/時間
「③運動器リハビリテーションの稼働最大化と組織の拡大」
目標としたい1日当たり取得単位数:21単位以上(×4人以上の理学療法士・作業療法士)
「④骨粗鬆症の早期発見と定期治療フォローを漏れなくできる体制構築」
目標としたい骨粗鬆症患者数:1,000人以上
どれもハイレベルな目標数値ではありますが、
実際に達成されている医院があるため、実現可能な目標数値になります。
上記のハイレベルな目標数値に挑戦してみたいと思った先生方は、ぜひご相談ください!
(疾患別リハビリテーション料の実施者別区分の創設については、
次回コラムにて執筆させていただきます!)
※2024年6月1日から施行される診療報酬改定情報について述べており、正しい情報をお伝えするために細心の注意を払っておりますが、情報取り扱いについては自己責任にてお願い致します。
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この記事を書いたコンサルタント
伊佐 常紀
神戸大学大学院にて、博士号(保健学)を取得。複数の査読付き英語原著論文を執筆。理学療法士として整形外科クリニック、看多機に5年間勤務。研究活動、臨床経験と幅広い経験を活かして、地域の中で生涯を健康に過ごせる社会を実現するため、一つひとつの法人が抱える課題に寄り添い、院長やスタッフの皆様が目指す医院作りをサポートしている。