理学療法の採用が進まない時の処方箋

2024年11月06日 (水)

科目:
整形外科
コラムテーマ:
業界動向 採用

いつもめでぃまがをお読みいただきありがとうございます。
株式会社船井総合研究所の野中です。

理学療法士の採用を強化していきたいけれどもなかなか応募が来ないという相談をよくいただきます。
そのため、今回は採用が上手く進んでいるクリニックと全く採用が出来ていないクリニックとの比較から見えてくる「採用が進まない時の処方箋」を詳しくお伝えができればと思います。

そもそも市場に理学療法士は余ってるのか?足りていないのか?

厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会理学療法士・作業療法士分科会」のデータによると、2040年には理学療法士・作業療法士の人数は需要の1.5倍に上ると書かれております。また、転換点を迎えるのは2026年ごろとされており、需要と共有のバランスが拮抗するのがここ数年であると言えます。

では、2026年を境に採用が簡単になるのかと言いますと、そうではないと考えられます。

どう変わるのかと言いますと、このままでは需給バランスが変わるということを理解している理学療法士・作業療法士は医療機関だけではなく一般の企業に就職したり、IT系のスタートアップに就職したりなどが進んでいくことが想定されます。
事実、船井総研にも理学療法士・作業療法士の資格を持った方がコンサルタントとして働いております。

そのため、理学療法士・作業療法士の就職先が開けてきている状況の中で、より良い人材を採用しようと思うと、競合が一般企業になることもあり、より優秀層の採用の難易度が上がることも考えられます。

理学療法士の採用が出来ているところの特徴は?

理学療法士の採用が出来ているクリニックでよく行われていることは、既存の理学療法士のスタッフの働く待遇を良くしております。

そのため、いわゆるリファラル採用と呼ばれるスタッフからの紹介による応募の数が多いことが特徴です。

具体的な待遇としては下記のようなことが挙げられます。

・月給の増額
・有給消化100%
・産休・育休の取得
・連休が取れる
・学会の補助が出る
・勉強会/セミナー等の補助が出る 等

上記で、報酬を良くすることの中に月給を上げることを書きましたが、年収を上げることが大事なわけではなく「月給」を上げることがポイントです。
つまり、年収を変えることなく賞与の額を減らして月給に振り分けるという給与設定をしていくことで、月収を上げることが可能になります。

そもそも相場よりも年収が低すぎる場合には選ばれることなどはございませんが、相場程度の年収をお支払いしている場合には月収の部分の調整ができればある程度の応募の見込みは立つかと思います。

一度、年収ベースではなく、月収ベースでの見せ方を含めて既存の理学療法士の報酬を見直していただければ、結果として応募が増えてくるかと思います。

ご参考になれば幸いです。

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この記事を書いたコンサルタント

野中 達裕

プロフィール詳細

早稲田大学を卒業。船井総合研究所に入社。看護師、理学療法士、放射線技師、医療事務などの専門職採用に注力し、小規模から大規模の法人の採用まで規模に合わせた幅広く実績を持つ。また、現場での勤務経験を活かし、医療現場の生産性向上のための診療効率化に対する提案に定評がある。

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