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皆様、こんにちは。船井総合研究所の石川です。
「最近、Web広告の反応が悪くなった気がする」 「新患を一人獲得するためのコスト(CPA)が高騰している」 このような悩みを抱える院長先生が増えています。
これは当然の現象です。内視鏡クリニックの開業が増え、競合が激化したことで、リスティング広告の入札単価は上がり続けています。一方で、2026年の診療報酬改定ではポリープ切除時に算定できる短期滞在手術等基本料1が680点に減算されていました。
つまり、「集患コストは上がるのに、患者一人当たりの売上は下がる」という、経営にとって最悪のパラドックスが発生しているのです。
この状況下で、これまで通り「HPを作って広告を出して新患を集める」という「狩猟型」の経営を続けていては、いずれ資金が尽きてしまいます。
1. 「狩猟型」から「農耕型」への転換
今、内視鏡クリニックに必要なのは、新規集患への依存を減らし、既存患者様の再受診(リピート)で経営を安定させる「農耕型」へのシフトです。 成功しているクリニックの共通点は、定期受診率(リピート率)が80%以上であることです。
リピート患者様は、広告費がかかりません。さらに、一度検査を受けて信頼関係ができているため、診療もスムーズで、キャンセル率も低いというメリットがあります。 リピート率を高めることで、月額広告費を220万円から5万円に削減しつつ、月間検査数1,000件を維持している事例もあります。
2. リピート率80%を実現する具体的な手法
では、どうすれば患者様に戻ってきてもらえるのでしょうか。 「また来てくださいね」と声をかけるだけでは不十分です。仕組みが必要です。
- ・検査結果説明の工夫(ポジティブな体験) 検査を「辛かった体験」で終わらせず、「安心できた体験」に変えることが重要です。鎮静剤の使用や丁寧な説明はもちろん、リカバリー室での快適さなど、患者体験(PX)を高めます。
- ・「伝播」の仕掛け(家族へのアプローチ) 検査結果を患者様本人だけでなく、「ご家族用のレポート」として渡します。「ポリープがありました。遺伝性もあるので、ご家族も検査を受けましょう」というメッセージを添えることで、患者様が広告塔となり、家族ぐるみの受診(リピートと新規のハイブリッド)につながります。
- ・アナログなフォローアップ(手書きハガキ) デジタル全盛の今だからこそ、手書きのハガキが効果を発揮します。 検査から1年後など、適切なタイミングで「お変わりありませんか?そろそろ検査の時期です」という案内を送る。 この一手間が、患者様の「忘れ」を防ぎ、クリニックへの愛着(エンゲージメント)を深めます。
3. ストックビジネス化で経営を盤石に
リピート中心の経営は、クリニックを「フロービジネス(売り切り型)」から「ストックビジネス(積み上げ型)」へと変えます。 毎年必ず検査に来てくれる患者様が数千人いれば、どんなに競合が増えても、どんなに診療報酬が改定されても、経営は揺らぎません。
2026年改定という荒波を乗り越えるために、今こそ「広告費」を「患者様へのサービス」に投資し、強固なリピート基盤を築いてください。
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この記事を書いたコンサルタント

石川 聖
大学卒業後、製薬企業で18年間勤務し、MRとして幅広い診療科を担当。その後は一般用薬品のマーケティングや社会貢献プロジェクトを通じ、組織マネジメント力を磨いた。
勤務中にMBA(経営学修士)を修了し、経営戦略や財務、組織マネジメントを体系的に習得。現在は内視鏡領域に従事し、各医院の状況に合わせたマーケティング戦略の立案、診療フローの効率化、採用・定着支援など幅広く経営をサポート。
過去の事例をそのまま当てはめるのではなく、課題を丁寧に見極め、施策内容や順序まで精緻に設計し、確実に成果に結びつけることを重視している。


