なぜうちのクリニックは変わらないのか？（待ち時間対策・診療効率化編）

2024年04月04日　（木）

科目：: 耳鼻科眼科内科整形外科

コラムテーマ：: 経営計画/経営管理業界動向コロナ対策クリニック・医院開業診療効率化シュライバー/クラークスタッフマネジメントリーダーミーティングスタッフ定着率スタッフ自律型組織スタッフミーティング採用教育診療見学従業員満足度調査接遇

いつもお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所・眼科コンサルティングを担当しております、久保田と申します。

一般的に眼科では、この花粉症の時期から季節柄患者数が増え始め、夏前にあたる学校検診の時期が繁忙期となります。

2024年も花粉症シーズンを迎えている中で、患者数は順調に増加している一方で、「待ち時間が長くなってしまい、患者満足度が下がっている。患者さんからクレームをいただいてしまう。」
「スタッフさんの残業時間が伸びてしまっている。」
「毎日の診療がいっぱいいっぱいで疲弊している、大変である。」
といったお悩みを抱えている先生方もいらっしゃるかと存じます。

対策ができるのであれば、当然繁忙期に向けて準備をしたいところですが、実際に患者さんの待ち時間を短くするには、”院長先生だけが頑張る”のみでは難しく”スタッフさんの協力”が必要不可欠です。

しかし一方で、
「院長はこの状況を変えたいと思っても、”何かを変える”ということになるとスタッフさんの反対に遭いそう…」
と次なるハードルに直面し、悩まれている先生方も多いと予測されます。

今回のコラムは、そのような先生に向けてお届けできればと存じます。

「患者さんの待ち時間を短くしたい！」
「残業を少なくし、早く帰りたい！」

患者さんの待ち時間が長く、それに応じて残業時間も伸びてしまっているクリニックでは、院長先生のみならず、多くのスタッフさんも上記のように考えているかと推察されます。

では、なぜうちのクリニックは変わらないのか？

院長先生から、「待ち時間を短くするためのアイデアを出そう！」と院内MTGで呼びかけ、クリニックの改善案がスタッフさんから次々に出される、
このような素晴らしいクリニックであれば問題はありませんが、
実際のところ、なかなか意見やアイデアが出ないというクリニックが大半であるかと推察されます。

これはクリニックやスタッフさんの考えによって様々であるかと考えますが、
ある一例を挙げさせていただきますと、

・他院で待ち時間を短くする工夫をどのようにしているのか知らない
・（自院の状況しか知らないため）待ち時間が長いのが当たり前であると認識している
・イメージができないため、今のやり方を変えることに抵抗がある
など
クリニックで働く多くのスタッフにとって、「他院がどのようなことを実施して待ち時間を短くしているのか」がわからないことが多いのです。

そのため、もし院長先生から提案があったとしても、その効果やメリットがわからないため、なかなか改善に進まず、時にはスタッフさんから反対されてしまう、といったケースが起こってしまいます。

これらを解決し、さらにスタッフ全体の意識を改革する効果的な方法とは・・・ 「ぜひ、他院の”見学”で実際にうまくいっているクリニックの実例を知っていただくこと」

百聞は一見に如かず。

スタッフさんと一緒に、待ち時間対策（診療効率化）がうまくいっている他院の見学をすることで、クリニックの課題解決のヒントを得ることができます。

同じ立場である他院のスタッフさんが、何をしているのかを知ることは、実は自院のスタッフさんも実際に知りたいと思っていることが多いのですし、院長先生とスタッフさんの共通言語が生まれることで、実際にクリニックに取り入れ、落とし込みがしやすくなります。

※それも、院長やリーダースタッフさんだけではなく、複数名のスタッフさんと一緒に、アクションを起こすことが重要です。

ぜひ、繁忙期を迎える前に（もちろん、その後でも構いませんが）、クリニックの成長の取り組みとして、「他院見学」は一つの選択肢として検討いただくとよいかと思います。