【2024年改定解説】新設項目 医療DX推進体制整備加算について解説!2024年診療報酬改定情報
目次
※令和 6 年 1 月 29 日更新
2024年診療報酬改定情報をお伝えいたします。
今回のテーマは、新設された『医療DX推進体制整備加算』です。
《新設》医療DX推進体制整備加算とは?
以前より、オンライン資格確認を中心とした医療DXの「体制整備」に対して診療報酬が設定されていましたが、2024年の改定により「体制整備」だけでなく「利用実績」、またオンライン資格確認を軸とした「次のシステム」の体制整備に対し、新たな評価項目として設けられました。
■(新設)医療DX推進体制整備加算
[算定要件](一部抜粋)
医療DX推進に係る体制として別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関を受診した患者に対して初診を行った場合は、 医療DX推進体制整備加算として、月●回に限り●●点を所定点数に加算する。
なお施設基準として、以下の8つが挙げられています。
※簡易化して表記しています
(1)レセプトのオンライン請求を行っていること
(2)オンライン資格確認を行う体制を有していること
(3)オンライン資格確認を利用して取得した診療情報を、閲覧又は活用できる体制を有していること
(4)電子処方箋を発行する体制を有していること
(5)電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制を有していること
(6)マイナンバーカードの健康保険証利用について、実績を一定程度有していること
(7)本項目について医療機関の見やすい場所に掲示していること
(8)(7)についてウェブサイトに掲載していること
医療DX推進体制整備加算のポイント
この中でポイントとなるのは、(3)(4)(5)(6)でしょう。
(3)では、従来まではオンライン資格確認の“導入”が義務付けられ、それに診療報酬が加算される形であったのが、本改定において“活用”までが求められることとなります。
さらに受付時には、(6)保険証ではなくマイナンバーカードを用いた(実質的にはカードリーダーを用いた)オンライン資格確認の利用状況についても、評価の対象になることが盛り込まれました。
(4)(5)では、オンライン資格確認の次の段階として「オンライン処方箋」、そして「電子カルテ情報共有サービス」の導入が求められることとなりました。
ただし(5)の電子カルテ情報共有サービスについては令和7年以降に開始される予定のため、現時点では対応不要です。
なお(4)(5)(8)については一定期間の経過措置が、また(6)については適用時期が少し先になることが現時点で明文化されていますが、いずれにせよ早いうちから準備を進めておいた方がよいでしょう。
今から取り組むべきことは?
具体的には、
・オンライン資格確認によって得た診療情報を、電子カルテまたは診察室内のパソコンから閲覧ができる体制にしておく
・電子処方箋の導入(※1)
・マイナンバーカードの保険証利用促進(※2)
が、今からでも進められることかと思います。
なお電子処方箋の導入(※1)については、2024年3月31日までの導入については費用の1/2の補助金が、4月1日以降の導入については費用の1/3の補助金が交付されることが発表されています。
またマイナンバーカードの保険証利用促進(※2)については、別途で【2023年10月の利用率】から【2024年1月~5月における利用率の“増加量”】、【2024年6月~11月における利用率の“増加量”】に対し、支援金が交付されることも発表されています。
これらの補助、支援もうまく活用しながら、医療DXの推進に向けて取り組みを進められてはいかがでしょうか。
【診療報酬改定対策】内科クリニックの専門コンサルタントが語るR6年度診療報酬改定対策セミナーのご案内
睡眠時無呼吸症候群診療強化セミナーのご案内
同じテーマで記事を探す
この記事を書いたコンサルタント
川本 浩史
大手製薬・医療機器メーカーのMRを経て船井総合研究所に入社。
船井総合研究所に入社後は心療内科・内科診療所を中心にコンサルティング業務にあたっている。
前職では大学病院での消化器手術から療養病棟の輸液・栄養管理に至るまでそれぞれの臨床現場に入り込み、医療従事者と共に『より良い医療の提供』を実現するために邁進してきた。
臨床に近い現場で医師と対話を重ねてきた前職の経験を活かし、机上の空論とならず臨床現場に即したエビデンスのある実行策を提案している。