【2026最新】泌尿器科の診療報酬改定まとめ|増点・新設項目と経営対策を徹底解説

2026年03月11日 (水)

コラムテーマ:
診療報酬改定

診療報酬改定の時期がやってきました。2026年度(令和8年度)の改定は、過去に例を見ないほど「医療従事者の賃上げ」と「急激な物価高騰への対応」に重点を置いた内容となっています。 

泌尿器科を標榜するクリニックや病院経営においても、これらの改定項目を正確に把握し、適切に算定できるかどうかが、今後の経営基盤を左右すると言っても過言ではありません。 

本記事では、泌尿器科の現場で特に関連の深い「ベースアップ評価料」や「外来管理加算」、そして「泌尿器科特有の処置・手術」の変更点に絞り、経営への影響と具体的な対策をシミュレーションします。最新の厚生労働省答申および学会発表資料に基づき、専門的な視点から要点を整理しました。 

2026年度(令和8年度)診療報酬改定の全体像と泌尿器科への影響 

今回の改定は、医療従事者の処遇改善と、持続可能な医療提供体制の構築が大きな柱となっています。 

改定の柱:医療従事者の賃上げ(ベースアップ)と物価高騰対策 

2026年度改定の最優先事項は、看護師や医療技術職、事務職員などの賃上げ原資を確保することです。これに伴い、「外来・在宅ベースアップ評価料」がさらに拡充・整理されました。また、光熱費や医療資材の価格高騰を補填するための「物価高騰対応分」が基本診療料(初診料・再診料等)に上乗せされる形で調整されています。 

泌尿器科経営におけるプラス要因とマイナス要因の整理 

泌尿器科においては、高齢化に伴う排尿管理の需要増や、ロボット支援下手術の適応拡大がプラスに働きます。一方で、在宅時医学総合管理料や短期滞在手術等基本料などの要件厳格化は、効率的な診療を行っているクリニックに影響を受けやすいマイナス要因となり得ます。増点された項目を確実に拾い上げ、要件を満たせない項目をどうカバーするかの戦略が求められます。 

泌尿器科で注視すべき主要変更点 

クリニックや外来診療において、収益に直結する主要な変更点を確認しておきましょう。 

ベースアップ評価料・物価対応料の「段階的引き上げ」と算定の勘所 

今回の目玉である「外来・在宅ベースアップ評価料(I)」は、初診時・再診時ともに点数が引き上げられています。 

項目  旧点数(例)  2026年度改定後 
外来・在宅ベースアップ評価料(I)初診時  6  17 
外来・在宅ベースアップ評価料(I)再診時  2 

4 

上記は一般的な診療所モデルの例です。施設基準の届出により、勤務する職員の給与改善に充てることが義務付けられています。「ベースアップ評価料 泌尿器科」としての算定を検討する際は、対象職員の給与設計と連動させる必要があります。 

機能強化加算の要件厳格化への対応 

地域のかかりつけ医機能を評価する「機能強化加算」については、適切な情報提供や多職種連携の実施がより厳格に求められるようになりました。特に、単なる処方だけでなく、生活指導の内容を診療録に詳細に記載することが、査定を防ぐ重要なポイントとなります。機能強化加算を算定するために、「時間外対応加算」「地域包括診療加算」の算定実績が必要になりますが、それらを算定し、機能強化加算で初診料に80点、上乗せすることで経営的には大きく貢献します。 

泌尿器科特有の算定ポイント 

専門性の高い処置や検査において、算定漏れや査定(減額)を防ぐためのチェックポイントを解説します。 

在宅自己導尿・カテーテル管理料の評価:在宅医療連携の重要性 

在宅での尿管理は、泌尿器科が最も貢献できる分野の一つです。「在宅自己導尿指導管理料」に加え、訪問看護ステーションとの連携を評価する加算が強化されました。地域包括ケアシステムの中で、泌尿器科専門医がいかにリーダーシップを発揮するかが評価の分かれ目となります。 

経尿道的尿管ステント留置術・前立腺針生検法の点数推移 

泌尿器科における基本手技である「経尿道的尿管ステント留置術」や「前立腺針生検法」の診療報酬点数は、近年の医療技術の進歩や、がん検診の普及に伴い、その評価の適正化が進んでいます。一方で、画像強調内視鏡を用いた精密な生検や、合併症リスクの高い症例に対するステント留置など、手技の難易度や症例の「質」に応じた加算評価が新設・拡充されており、より高度な専門性に基づいた算定が可能な構造へと変化しています。

【注意:査定対策】尿検査・超音波検査の併算定ルール 

泌尿器科で頻用される「残尿測定器(ブラダースキャン)」を用いた測定と、一般的な「超音波検査(断層撮影法)」は、同一日に併算定できないルールが継続されています。超音波検査を行う場合は、前立腺や腎臓の状態を確認する正当な理由をレセプトの摘要欄に明記する必要があります。 

泌尿器科経営を安定させるための「3つの具体策」 

改定による減収を補い、持続可能な経営を実現するための具体策を提案します。 

 

1.賃上げ加算を確実に取得するための「給与設計」見直し

ベースアップ評価料を取得するためには、実際にスタッフの給与を引き上げ、その実績を報告する必要があります。経営者としては、加算による増収分をどのようにスタッフへ還元し、同時に求人競争力を高めるかという「攻めの給与設計」が求められます。 

 

2.算定漏れを防ぐ!適切な検査の併算定と摘要欄記載

泌尿器科は検査が多い診療科です。以下の項目は、記載漏れやルール誤認による査定が多いポイントです。 

  • 細菌感受性検査: 感染症診断において、なぜその菌種を特定する必要があったかの病名整合性。 
  • 尿沈渣: 尿一般検査とのセット算定時の要件確認。 
  • 膀胱鏡検査: 処置と同時に行った場合の主従関係の整理。

3.自費診療(EDAGA・性病検査)とのハイブリッド経営の検討

保険診療の点数だけに頼るのではなく、自費診療を組み合わせることで収益の柱を分散させることが有効です。特にプライバシーに配慮した「性病検査」や、QOL向上のための「ED外来」などは、泌尿器科専門医としての信頼性(E-E-A-T)を活かしやすい分野です。 

まとめ:2026年改定を乗り越える泌尿器科のロードマップ 

2026年度の診療報酬改定は、物価高騰や人件費上昇という「外部コストの増大」を、いかに診療報酬という「適正価格」に転嫁できるかが試される内容となりました。 

単なる点数の増減に一喜一憂するのではなく、**「人件費への還元を前提とした加算取得」「専門性の高い検査・処置の適正算定」**を両立させることが、今後の勝ち筋となります。 

改定までのスケジュールと準備リスト 

  • ・3:告示・通知の詳細確認(施設基準のチェック) 
  • ・4∼5月:施設基準の届出、電子カルテ・レセコンのマスター更新と 
    シミュレーション 
  • ・61:新点数での算定開始と、スタッフへの賃上げ実施 

以上、令和8年度診療報酬改定の概要になります。本コラムをお読みいただき、不明な点や個別のご相談、施設基準の届出に関するサポートが必要な場合は、下記のお問い合わせフォームよりご連絡ください。 

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この記事を書いたコンサルタント

平山 侑之介

プロフィール詳細

船井総研に新卒で入社後、内科・内視鏡クリニックの専門コンサルタントとして従事してきた。開業半年で800件、開業3年で月間1500件の内視鏡クリニックのお手伝いを始め、人口3万人満たないエリアの内視鏡クリニックで月間内視鏡300件以上を達成させるなど、エリアや開業年数に問わず業績アップ支援を行ってきた。社内では入社後最速でマネジメント職に上申するなどの功績を残しており、社内外で活躍の幅を広げている。
コンサルタントとしての強みは、幅の広さである。内視鏡クリニックだけでなく糖尿病内科・循環器内科などの医院様もコンサルティングしているため、内科領域で幅広い提案が可能。さらに、マネジメント職の経験を活かしたマネジメント支援(採用や育成)でも実績を残している。

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