心療内科・精神科クリニック向け 令和4年診療報酬改定解説
- 科目:
- 心療内科
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先日、令和4年度診療報酬改定の内容が明らかになりました。
今回のコラムでは心療内科・精神科クリニックに関わる改定のうち、特に一番関わる箇所である「通院
在宅精神療法」に特化してお伝えさせていただきます。
その他の診療報酬改定の特記事項は、また次回以降のメルマガをご参考にしてください。
当社主催の経営勉強会、「内科経営研究会 心療内科分科会」の情報交換会でも話題になり、既にご
把握の先生方も多いことかと存じますが、
精神科クリニックの大きな加算源となる「通院在宅精神療法」について改定がありました。
下記改定内容でございます。
1. 通院精神療法
イ.精神保健福祉法第29条又は第29条の2の規定による入院措置を経て退院した患 者であって、都道
府県等が作成する退院後に必要な支援内容等を記載した計画に 基づく支援期間にあるものに対して、
当該計画において療養を担当することとさ れている保険医療機関の精神科の医師が行った場合
ロ .区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日において、60分以上行った場合
(1) 精神保健指定医による場合 560点
(2) (1)以外の場合 540点
ハ イ及びロ以外の場合
(1) 30分以上の場合
① 精神保健指定医による場合 410点
② ①以外の場合 390点
(2) 30分未満の場合
① 精神保健指定医による場合 330点
② ①以外の場合 315点
2 在宅精神療法
イ.精神保健福祉法第29条又は第29条の2の規定による入院措置を経て退院した患者であって、都道
府県等が作成する退院後に必要な支援内容等を記載した計画に 基づく支援期間にあるものに対して、
当該計画において療養を担当することとさ れている保険医療機関の精神科の医師が行った場合
ロ.区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日において、60分以上行った場合
(1) 精神保健指定医による場合 620点
(2) (1)以外の場合 600点
ハ イ及びロ以外の場合
(1) 60分以上の場合
① 精神保健指定医による場合 550点
② ①以外の場合 530点
(2) 30分以上60分未満の場合
① 精神保健指定医による場合 410点
② ①以外の場合 390点
(3) 30分未満の場合
① 精神保健指定医による場合 330点
② ①以外の場合 315点
従来の加算条件に加えて、新たに「精神保健指定医による診療の場合」という条件が付加され、精神保
健指定医を取得していない医師による診療の場合には全体的に従来よりも点数が下げられる改正結果
となりました。
これは精神保健指定医制度の見直しにより、資格要件が厳格化されたことに起因します。
精神保健指定医を取得している先生方にとっては現状よりも加算点数が大きくなるため、プラス改定と
なりますが、
取得していない先生方にとっては現状よりも10~15点程度マイナスの改定となります。
通院在宅精神療法についてはその評価のあり方について論点にあがっており、今後も改定される可能
性が高いです。
現状は経営上そこまで大きな変更ではないかもしれないですが、4年後8年後の診療報酬改定や人口
推移を見据えて、保険診療の主軸を持ちながらも、第二第三の軸作りに向けて取り組まれることが大事
です。
外来診療を厚くしつつ、リワークの付加や、カウンセリングの強化など、他の診療の柱に関しても早期に
準備を始めておくことをおすすめします。
以上、令和4年の通院在宅精神療法改定についてでした。
明日からの医院経営の一助となりましたら幸いでございます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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