2024年診療報酬改定は耳鼻科にとって…?【11月速報】

2023年11月07日 (火)

科目:
耳鼻咽喉科
コラムテーマ:
業界動向 診療報酬改定

いつも「めでぃまが!」をお読みいただきありがとうございます
船井総合研究所の名雪でございます。

診療報酬改定のシーズンが迫ってきました。
具体的な改定内容はまだ公開されていませんが、国より指針が続々と発表されてきております。

今回メルマガでは、診療所・特に耳鼻科における診療報酬改定の大まかな方向性を、
速報としてお伝えできればと思います。

※本メルマガ・コラムでは2023年11月6日時点の情報を元に作成しております。

2024年の診療報酬改定のスケジュールについて簡単に

2024年の診療報酬改定の施行は「2024年6月1日から」となります。
例年は4月1月から施行ですが、そこが後ろ倒しとなります。

これは医療DX推進の一環として、医療機関とベンダーへの業務負担を軽減するために行われるもので、1クリニックとしての耳鼻科としての問題ではございませんが、
発表や答申が出てからの余裕が生まれるのは確かです。

ただし、診療報酬改定の結果を受けて、それに伴うマーケティングの対応も十分準備が行えるかと存じますので、情報をキャッチアップし、クリニックの戦略に取り入れていくことができるかどうかで、結果が明確に分かれると言えるかもしれません。

それでは、今回の診療報酬改定は耳鼻科に追い風か?向かい風か?

2022年の診療報酬改定では、感染症関連の加算や、耳鼻咽喉科乳幼児処置加算、小児抗菌薬適正使用支援加算など、耳鼻科にとって”追い風”の診療報酬改定でしたが…

今回の2024年診療報酬改定では”向かい風”であることは間違いないかと考えます。

詳細をお伝えすると…

まず、厚生労働省「第169回社保障審議会医療保険部会(ペーパーレス) 資料」によると、
改定の基本認識として、

「無駄の排除、医療資源の効率的・重点的な配分、医療分野におけるイノベーションの評価等を通じた経済成長への貢献」が必要と述べています。

このことから、医療DX・デジタル化に対する取り組みが加算として評価されていくことが予想できます。

例えばマイナンバー認証に加算が付くように、今後の医療DXへの取り組みに積極的であることは、算定上でも、医院の経営の効率化と言う意味でも、重要な取り組みになることは間違いないでしょう。

しかし、忘れてはいけないのは…

「無駄の排除、医療資源の効率的・重点的な配分」という文脈でもある通り、
大前提としては、国の社会保障費は逼迫しているということです。

厚生労働省の資料では「医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組」についても重要課題として上げられている一方、
財務省資料(財政制度分科会(令和5年11月1日開催))では、
「2024年度改定においては、診療所の極めて良好な経営状況等を踏まえ、診療所の報酬単価を引き下げること等により、現場従事者の処遇改善等の課題に対応しつつ診療報酬本体をマイナス改定とすることが適当」とあります。

この話題はニュースにも大きく取り上げられ、議論があるところです。

もちろん「強化される賃上げ税制を含む処遇改善の実績に応じた配分や経営情報の見える化」という言及があることから、
・賃上げ努力・働き方改革に対する取組みを加算として評価する
・もしくは、補助金のように保険制度に限らない形で、賃上げに対する特別な補助がなされる
可能性も十分にあり、ただ診療所のみがひたすら負担を強いられることはないかと考えられますが、

”診療報酬・単価は下げるが、賃上げをする(ように対応しなければならない)”
ということを、(予算を決める権限のある)財務省は求めてるという解釈は間違いありません。

いずれにせよ、医科診療所に関しては厳しい診療報酬改定になることが容易に予測されます。

さらに、耳鼻科は先述のようにコロナ禍に際し、ある意味優遇された診療報酬改定がなされました。一方、社会保険支払基金のデータによりますと、耳鼻科1診療所あたりの請求”額”は既にコロナ前(2019年)以上の水準になっています。

患者数は今年の春にようやくコロナ前同等かそれ以上に戻ってきた段階ですが、財務省の資料にあるようにポイントは患者数ではなく保険料の”額”です。
診療報酬減による「現役世代の保険料負担等の軽減による手取り所得を確保」が目的である以上、「診療所・病院・調剤の区分毎に経営状況や課題等が異なることを踏まえたメリハリをつけた改定とする」のであれば、耳鼻科にとってはかなり向かい風な改定になると予測されます。

現時点(2023年11月6日)で判明している情報の限りでは、具体的な改定項目に言及はされていませんので、あくまで方針から考えられることについてお伝えしております。

ただ、現実として、
・患者さんは増えている(暫くは多くのエリアでこの傾向は間違いない)
・一方で、これから単価は減っていく
のであれば、今までと同じくらい忙しいにもかかわらず、診療所に残る収益は少なくなっていた…という未来が待ち受けています。ますます診療の効率化は求められ、多くの患者さんを集める意義は重要となるでしょう。

・今回の診療報酬改定で今後の耳鼻科経営に不安を覚えた先生
・先んじて対策を打っておきたい先生
は、ぜひ、弊社セミナーでの情報収集をいただき、明日からの経営に活かしていただけますと幸いです。

本メルマガ・コラムが経営の一助となれば幸いです。
次回の「めでぃまが!」もお楽しみに!

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2024年の診療報酬改定は、耳鼻科にとては厳しい改定となることが予測されます。だからこそ、これからの耳鼻科経営の時流をつかみ、経営戦略を建てていくことが、今後のクリニック経営において極めて重要です。
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この記事を書いたコンサルタント

名雪希望

プロフィール詳細

東京大学を卒業後、船井総合研究所に新卒入社。現場に徹底的に入り込みながらも、医院経営数値をしっかり把握・分析し、現場の抱える悩みを一つ一つ解消していく。社会保障制度に精通し、時流を読んだ提案を行う中で、特に医院で推進が難しいデジタル化支援に強みを持つ。

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