求人に困る前に。今考え直すべき、「無資格者」の仕事

2020年2月13日配信

こんにちは。

今回は
「求人に困る前に。今考え直すべき、「無資格者」の仕事」
と題してお送りさせていただきます。

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■今回の内容
1.無資格者の求人数が減ってきているワケ
2.「医療事務」の仕事の「中身そのもの」を考え直すことが求められている
3.人でなくてもいいものは機械へ。人は人でなければならない仕事へ。
4.代表例として、自動精算機の導入
5.「仕事」の再構築は、経営課題として最優先しなければならない時期
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1. 無資格者の求人数が減ってきているワケ

近年、全国的に、医療事務やリハ助手といった「無資格者」の求人が減ってきています。
弊社でお手伝いする医療機関でも、そういった傾向は顕著です。

3年前、5年前に比べて、ハローワークからの求人が減った、求人広告の反響が減った、今流行りのIndeedを使ってみたけど効果がない、などを経験されている医院が多いのではないでしょうか。

求人が減っている理由として、一連の働き方改革の影響により、
①他業種の受付・事務職の給与相場が全国どこでも軒並み上昇傾向にあること
②残業や夕方以降の労働を伴う職に対して、労働者側が避ける傾向が顕著になってきている
などが挙げられます。

医療事務の経験者を採用しようとしても、経験者の求人がなかなか来ないのは、そもそも「医療事務から離職した人は、他職種・他業種に転職している」という現象が起きているから、というのが大きな要因と考えられます。

2.「医療事務」の仕事の「中身そのもの」を考え直すことが求められている

これまで医療機関において医療事務は「ある程度採用しやすい職種」としての位置づけでした。

そのため、給与も低く設定されており、昇給も少な目、受付・会計だけでなく、レセプトチェックや患者対応などの業務全般を引き受ける仕事、として「医療機関の中の何でも屋さん」という捉え方をされていました。

昨今の時代の変化によって、そういった「なんでも屋さん的な医療事務」という仕事に、人が集まらなくなってきた、と言えます。

ですから、給与を含めた雇用条件の見直し、も含めた「医療事務」という仕事そのものの、業務範囲・内容の見直し、がこれから医療機関の取り組むべきことです。

3.人でなくてもいいものは機械へ。人は人でなければならない仕事へ。

昨今、「ICT」なる言葉が流行っています。いかに医療機関もITを経営に生かしていくか、というのが非常に重要です。一般の企業もこういった既存の業務をいかにITに置き換えていくか、ということが経営の重要課題になってきています。

その中で、いろいろなITサービス(AI問診や、電子カルテなど)が世に出てきていますが、医療機関で活用する際の基本的なコンセプトは、「人でなくてもいいものは機械へ。人は、人でなければならない仕事へ」という導入の仕方が正解のようです。

【人でなくてもいいもの】=お会計などのお金のやり取り、カルテ入力などのデジタルへの入力業務、電子カルテのチェックイン業務 などの「バックヤード作業・手続き・入力作業」

【人でなければならないもの】=問診の聞き取りや患者様誘導などの接客業務、診察時の説明業務などの、「ヒューマンコミュニケーション」

上記のようなイメージです。
そして、この2年くらいの間で【人でなくてもいいもの】を代替できるサービスを導入すること、そこに投資することが大切になってきます。

4.代表例として、自動精算機の導入

今、少しずつ導入先が増えてきているのが、自動精算機です。
これは「人でなくてもいいものは機械へ」の典型例です。人がお釣りを渡そうが、機械からお釣りが出てこようが、患者様にとって、価値は変わりません。

お金のやり取りを無くすことで、受付の仕事は随分と効率的になり、また、従業員のストレスも減ります。
お金を渡す際に発生する、患者様とスタッフとのコミュニケーション、は否定するものではありません。むしろ、お金のやり取りをしなくて済む分、患者様とのコミュニケーションを取るようにスタッフにしてもらうことです。

様々な企業が、自動精算機に代表されるような「医療機関のIT化」を進めるようなサービスを開発しています。(AI問診や、電子カルテなどは、これから実用レベルが上がっていき、導入している医院とそうでない医院での診療効率は雲泥の差に開いていくきっかけになると確信しています)
そういった新しいサービスの導入への投資を、惜しまないでいただきたいです。

5.「仕事」の再構築は、経営課題として最優先しなければならない時期

これまでは、「人ががんばれば現場が回る」という職場環境でも、求人は集まりましたし、職員は辞めませんでした。

ですが、そういった時代は終わり、医療機関側が「働きやすい仕事内容・職場」を準備しなければ、求人そのものが来なくなる・雇用が続かない時代、に入りました。

あと1,2年は、求人が来ない、という場合の一時しのぎで「求人の給与条件を上げる」だけで、採用はできるかもしれません。
ただ、それでは、従業員が勤め続けてくれる、ということにはならず、結局人が入れ替わり続けることに繋がります。

今、本当に取り組むべきは、「仕事」の再構築です。
すぐには変えられないこと、でもあり、変えるためには労力・エネルギー、もしかしたらお金もかかること、かもしれません。
ただ、今このタイミングで取り組むことで、これからの5年の経営の見通し(特に、人に関して、です)を立てることが楽になるはずです。

ぜひ、この機会に、一度見直されてみてはいかがでしょうか。

今回は「求人に困る前に。今考え直すべき、「無資格者」の仕事」と題してお伝えいたしました。

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