「正しい医療情報」を届け、地域と共存する。よしむら脳神経・脊椎外科クリニックが描くこれからの専門医療

  • 脳神経外科・脳神経内科
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更新日
執筆者今 勝彦
コラムテーマ取材レポート
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よしむら脳神経・脊椎外科クリニック
院長 芳村 憲泰 様

今回は、大阪府大阪市東淀川区にある「よしむら脳神経・脊椎外科クリニック」の院長 芳村 憲泰 様にインタビューをさせていただきました。

本インタビューでは「よしむら脳神経・脊椎外科クリニック」が実践する、独自の集患戦略と専門性を活かした地域連携の工夫や、YouTubeなどを活用した「正しい医療情報の発信」を通じた「患者様との向き合い方」についてお話を伺いました。

Q1. 近年、脳神経クリニックの開業が増加していますが、芳村先生が開業された経緯や、集患に対するお考えをお聞かせください。

私が開業した3年前頃から比べると、クリニックの開業は確かに急増していると感じます。東京や大阪などの都市部では、1つの駅に1つはMRIを備えたクリニックがあるような状況です。

こうした背景には、開業を支援するコンサルタント会社や不動産会社からのご提案が増えていることもあると思います。ただ、立地が良く設備が整っていれば自動的に患者様がいらっしゃるわけではありません。私は勤務医時代から「ただ待っているだけでは患者様には来ていただけない」と考えていました。特に私の専門である脊椎の症状は、一般的には整形外科を受診される方が多いため、脳神経外科・脊椎外科を掲げる上では工夫が必要でした。

そこで、前の病院で脊椎外科の立ち上げに関わった時から広報担当のような役を自ら務め、ホームページの作成や、近隣の開業医の先生方へのご挨拶回りなどを積極的に行ってきました。また、地域の皆様に向けた市民講座も開催し、私自身の人となりや診療への思いを直接お伝えする機会を作りました。「この先生なら信頼できそうだ」と感じていただくための地道な活動を開業前から続けてきたおかげか、ありがたいことに開業後から多くの方にご来院いただき、現在も順調に推移しています。

Q2. 芳村先生はYouTube等での情報発信に力を入れられていますが、そこにはどのような思いがあるのでしょうか。

情報発信を始めたのは、3〜4年前、これからはYouTubeで情報収集する時代が来ると感じたことです。「正しい医療情報を患者様にしっかり届けなければならない」という、格好をつけた言い方をすれば一種の使命感もあります。他科の先生が解説されている動画などを参考にしながら準備を進めました。

現在、ネット上にはさまざまな情報があふれていますが、再生回数が多い動画であっても、そのお悩みがある患者様にとって本当に有益な情報とは限らないと感じることもあります。患者様と我々医療従事者の間には、どうしても専門知識の差(情報の非対称性)があります。だからこそ、専門医として誤解を招かない正しい情報を発信し、患者様ご自身が納得して受診できる環境を作りたいと考えています。

発信する内容はネット上に残り続けるため、一言一句に気を配り、できる範囲で準備をしています。学会発表とは異なり、一般の患者様が知りたいことにフォーカスし、私の経験則も交えながら、分かりやすく、そしてある程度端的に言い切ることを意識しています。動画の撮影は自分で行いますが、見やすさを重視して編集やテロップ作成は専門の業者にお願いしています。

こうした動画を見て、私の診療方針に共感し、遠方から足を運んでくださる患者様も少しずつですが増えています。事前に病気についての知識を持った上でご来院いただけるので、診察時のお話もスムーズに進みますし、規模の大きな病院でなくても安心して治療を任せていただけるという印象があります。

Q3. 「脳神経外科×脊椎外科」の両方を診られる強みと、地域医療における連携の方針について教えてください。

脳梗塞や脳出血といった脳神経領域の疾患から、腰や首などの脊椎疾患まで幅広く対応できることは、当院の大きな強みだと考えています。実際に患者様からのニーズも高く、受診頂いた当日にMRI検査をしっかりと実施できる体制を整えております。また、効率化を進めて多くの方に検査を届けることができる体制も大切だと思いますが、当院では患者様お一人お一人に、しっかりと時間をかけて丁寧に撮影・診断を行う方針をとっています。

一方で、何でも当院で抱え込むのではなく、地域との連携を非常に大切にしています。例えば、糖尿病などの生活習慣病の患者様がいらっしゃった場合は、近くで長く開業されている信頼できる内科の先生をご紹介していますし、骨粗鬆症の検査についても、物理的なスペースの問題もあるため近隣の施設にお願いしています。現在は私自身の専門分野を深めることに注力し、その他の領域については地域の先生方とそれぞれの得意分野を活かしながら連携していくことで、結果的に患者様にとって一番良い医療の形を提供できると考えているからです。

Q4. 先生が特に情熱を注がれている治療分野についてお聞かせください。

私のライフワークとも言えるのがUBEという、脊椎内視鏡手術の一つです。これは2箇所に小さな穴を開けて行う身体への負担が少ない手術なのですが、令和に入った頃、当時日本ではまだ普及していなかったこの技術を学ぶために韓国へ渡り、習得してきました。その後、熟練した脊椎外科医との情報交換や、学会発表等を通して一層の研鑽を積み、現在に至ります。

当院は検査を中心とした体制をとっており、大掛かりな手術設備はありません。そのため、この手術が必要な患者様には設備の整った提携先の病院をご紹介し、私自身が出向いて執刀を行っています。そして、術後のフォローアップは再び慣れ親しんだ当院で行うという独自のスタイルを確立しました。限定された範囲であっても、自分が培ってきた専門性を最大限に活かし、多くの患者様を救いたいという思いがあります。

また、日々の診療では頭痛や痛みに悩む患者様への治療にも力を入れています。ただ鎮痛薬を処方するだけでなく、適切な診断とブロック注射などを組み合わせることで症状が劇的に改善し、「こんなに良くなるなんて」と驚き、喜んでくださる方が多いのです。こうした地域に密着した細やかな診療も、私たちの重要な役割だと感じています。

Q5. 最後に、脳神経外科業界の未来と、クリニックの今後の展望をお聞かせください。

これからの時代は各クリニックが「自院の専門性は何か」をより明確にしていく必要があると考えています。患者様がご自身の症状に合わせて迷わず受診先を選べるよう、私自身もYouTube等を通じた正しい情報発信をこれからも続けていくつもりです。

当院としても、今後より一層独自の専門性を深めることで、患者様が『この症状なら、よしむら脳神経・脊椎外科クリニックへ頼ろう』と真っ先に思い浮かべていただけるような、地域に必要とされる専門医療を真摯に提供し続けていきたいと考えています。

執筆者 : 今 勝彦

札幌医科大学を卒業後、作業療法士として、医療機関に勤務し、主にリハビリ業務に従事しながら、スタッフ育成、院内運営業務、大学院での研究活動も経験。 船井総合研究所入社後は、現場の経験を活かして、それぞれの現場に入り込みながら、先生の想いや理想とするクリニックの実現に向けて、集患対策、マネジメント、診療効率化、運動器・脳血管リハビリ強化、など、様々なテーマのコンサルティングを展開している。