明るく楽しく健康で長生きできる社会へ~泌尿器科クリニックから始まる新たな挑戦~

  • 泌尿器科
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執筆者荻野 万葉
コラムテーマ取材レポート
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【取材協力】医療法人社団思いやり 理事長 窪田 徹矢 氏

「くぼたクリニック」は2017年に千葉県松戸市に誕生。先進的な治療と圧倒的な発信力で注目を集める窪田先生は、勤務医時代の豊富な手術経験を活かし、開業以来、着実な成長を遂げています。

泌尿器科を主軸に据えながら内科・皮膚科を併設する地域密着型の経営スタイル、専門領域で尖る日帰り手術(WAVE)の体制構築、そして自費診療を通じた「メンズヘルス」の挑戦まで、医療機関の新たな価値創造についてお話を伺いました。

本記事は、今後泌尿器科での開業を目指す医師や、開業後に行き詰まっている院長先生方へ、ブレイクスルーのヒントをお届けします。

1、開業の原点と拡大の歩み:「思いやり」を理念に掲げて

千葉西総合病院に約10年間勤務し、常勤医5名体制の中でダヴィンチ(ロボット支援手術)など年間約1,000件もの手術に携わってきた窪田先生。2017年11月、患者様とスタッフに対する「思いやり」を理念に掲げ、千葉県松戸市に30坪のクリニックを開業しました。

そこからの快進撃は、まさに破竹の勢いです。

圧倒的なスピード感で進む事業拡大

  • 2017年11月:30坪で「くぼたクリニック」を開業。
  • 2023年4月:1日患者数が100名を超え手狭になったため、駅前の150坪の大型物件へ移転拡大。
  • 2023年8月:旧施設をリニューアルしくぼた小児科クリニック松戸五香をオープン。
  • 2024年5月:新鎌ヶ谷に分院、新鎌ヶ谷くぼた皮膚科泌尿器科を展開。
  • 2025年3月:本院のフロアを拡張。アートメイク事業やエステ事業へも参入。
  • 2026年1月:WAVE治療開始。

この順調な事業成長の背景にあるのは、窪田先生の【マーケットインの発想】と【圧倒的な意思決定の早さ】です。

「最短で稼働率を最大化する」

窪田先生の理想とする社会づくりをより早く確実にするため、開業時は泌尿器科単科ではなく、地域ニーズの高い「皮膚科」「内科・発熱外来」を併設。現在は本院の患者比率を【泌尿器科6割:皮膚科2割:内科・発熱外来2割】という黄金比率に落とし込み、新患が絶えない仕組みを作っています。

また、男性比率が高くなりやすい泌尿器科において、他科目の併設や脱毛などの美容施術を積極的に導入。クリニック全体の敷居を下げることで、「女性も通いやすい泌尿器科」という稀有な環境を作り上げています。さらに、将来開業を目指す医師を積極的に採用し、様々な科目の専門性を取り入れた「教育の場」としても機能させています。

2、「漫然と薬を出すだけ」からの脱却、患者目線の徹底

規模が拡大するにつれ、患者数の増減は経営を直撃します。そこで窪田先生が打ち出した戦略が、【シェア率の拡大】と【独自のブランディング】です。

同院が前面に打ち出すのは、なんと「治して卒業できるクリニック」。

多くのクリニックが、経営安定(患者数維持)のために慢性疾患の定期処方を好む傾向にあります。医学的にも経営的にも間違いではありませんが、くぼたクリニックはあえて「終診(卒業)」を目標に掲げて他院との差別化を図っています。

当院が目指す医療は「患者様の症状が改善すれば通院間隔を伸ばしたり、必要に応じて治療を終了する」こと――

「患者さんは健康になりたくて病院に来ています。漫然と薬を飲み続けることは、患者さんにとってもストレスでしかありません。だからこそ、当院では安全に配慮しながら、『薬を減らしていこう、通院間隔を延ばしていこう!』と伝える姿勢を貫いています。」と窪田先生は語ります。

例えば高血圧の治療でも、一生薬を飲んでもらうのではなく、根本的な生活指導等で「薬をなくして返す」ことを強みとしています。これを実現するために不可欠なのが、次章で解説する「日帰り手術」の積極的導入です。

「通院間隔の長期化」によって新患枠が空き、そこへ新たな患者様が流入する。このサイクルがマーケットサイズを拡げ、地域シェア獲得につながるという最高の好循環(ポジティブ・ループ)を生み出しています。

3、属人化を排した日帰り手術(WAVE)で圧倒的な実績を

同院の躍進を支える大きな柱が、前立腺肥大症に対する低侵襲治療「WAVE(経尿道的水蒸気治療)」や、尿失禁へのボトックス注射といった保険適用の日帰り手術です。

ボトックスは年間約60件、そして2026年1月に開始したばかりのWAVE治療は、早くも月10件ペースで推移。年間100件という国内トップクラスの実績を目指し、ロケットスタートを切っています。

なぜ「WAVE治療」なのか?

前立腺肥大の日帰り手術には様々な選択肢もありますが、あえてWAVE治療を選択した理由としては、技術習得の難易度が高くなく、技術力に左右されにくいからです。

多数の医師で分担でき、結果としてクリニック全体でより多くの患者さんに治療を提供できるという大きな利点があります。

「現在、私以外にもWAVEの施術を担当できる医師が5名在籍しています」と窪田先生。

院長自身が手術室に縛られず、クリニック全体の外来診察を円滑に回すこのマネジメントモデルは、これから開業や拡大を目指す医師にとって、非常にリアルで参考になる戦略と言えます。

4、泌尿器科発の「メンズヘルス診療」が持つ無限の未来

窪田先生は保険診療にとどまらず、自費診療(自由診療)にも莫大なエネルギーを注いでおり、現在ではクリニック全体の売り上げの約3割を占めるまでに成長しています。

登録者7万人を超えるYouTubeチャンネルを運営し、メディア露出も豊富なため、ED治療などを求める患者様が遠方から(オンライン診療も含めて)多数押し寄せています。

マイナスをゼロに、そしてゼロを「プラス」へ

現在はED治療を入り口として、以下のような男性の活力やQOL向上をサポートする幅広いメニューを展開しています。

  • エクソソーム療法 / NMN点滴
  • ホルモン補充療法
  • 男性の介護脱毛 / アートメイク

「保険診療が『マイナスをゼロにするもの』だとすれば、自費診療は『ゼロをプラスにするための手段』です。一般的な美容皮膚科では男性一人では相談しにくいお悩みも、陰部の悩みを元々相談できる泌尿器科だからこそ、男性患者様が圧倒的に入りやすい。ここは非常に喜ばれています。」

さらに今後は、スポーツジムの併設など、筋トレや食事を含めたパーソナルなトータルサポートを提供する計画も進行中。泌尿器科が牽引するメンズヘルス市場のポテンシャルの高さを、自らのビジネスで証明し続けています。

5、未来を見据えた挑戦:医療の枠を超え、活気ある社会づくり

窪田先生が掲げる究極のミッション、それは「明るく楽しく健康で長生きできるような社会を作ること」です。

「病院は『病気になったら行くマイナスな場所』から、『より健康で若々しくいるためのメンテナンスの場所』へと概念を180度ひっくり返す必要があると考えています。70代、80代になっても活力に溢れ、社会で生き生きと働き続けられる高齢者を増やす。これこそが、労働人口減少への対策になり、日本の社会保障を支えることにもつながります」

泌尿器科は、加齢に伴う排尿障害などの「負」を解消し、再び健康と活力を取り戻す入り口として最高にハッピーな診療科になるべきと窪田先生は言います。

かつてYouTubeでバナナの被り物をして配信をしていたのも、すべては「泌尿器科受診のハードルを下げたい、ハッピーに受診してほしい」という熱い思いから。

まずは地域の患者様の活力を最大化し、やがては日本全体を明るく強い国にしたい――。
窪田先生の泌尿器科クリニックから広がる地域医療とメンズヘルスへの新たな挑戦は、これからも続いていきます。

執筆者 : 荻野 万葉

大学卒業後、新卒で船井総研に入社。大学では再生医学を専門に学び、胚培養やゲノム解析を応用した不妊治療クリニックでの職務経験から、これからの地域社会における医療の役割の重要性を知り、医療を通じた社会貢献を目指します。「地域の患者さんから選ばれるクリニックづくり」をメインテーマとして掲げ、Webマーケティング・診療効率化・スタッフ採用・マネジメントなど幅広いテーマでクライアントをサポートしています。