生活習慣病管理料(I)(II)はどう変わる?2026年改定の内科経営への影響と算定のポイント

  • 内科(生活習慣病)
公開日
更新日
執筆者朝倉 匡基
コラムテーマ診療報酬改定
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2026年診療報酬改定の解説情報をお送りさせていただきます。
※本記事は2026年1月23日に交付された短冊情報までを基に作成しています。

生活習慣病管理(Ⅰ)(Ⅱ)は何が変わる?

診療報酬改定 個別の項目によると基本的な考え方は「生活習慣病に対する質の高い疾病管理を推進する観点から、生活習慣病管理料(Ⅰ)及び(Ⅱ)を見直す。」とありました。大きな変更点は下記4点です。

  • 生活習慣病管理料(Ⅰ)算定要件の変更
  • 生活習慣病管理(Ⅱ)における算定可能な管理料の変更
  • 眼科・歯科と連携した場合の評価料の新設
  • 療養計画書の変更

詳細は下記に記載しておりますが、今のうちから生活習慣病管理料と併算定可能な項目の確認、検査セットの見直し、他院との連携フローなどをご確認いただければと思います。

「具体的な運用フローの事例を知りたい」など、ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

生活習慣病管理料(Ⅰ)算定要件の変更

糖尿病を主病とする患者における、他疾患の在宅自己注射指導管理料の併算定可能になりました。

これまで、同管理料を算定している場合、原則として注射に係る費用は「包括(まるめ)」と解釈され、併存疾患に対する自己注射指導を行っても、別途指導料を請求することが難しい状況にありました。

今回の改定案では、厚生労働大臣が定める糖尿病に対する適応薬「以外」の薬剤を用いる場合については、在宅自己注射指導管理料の別途算定が認められることになります。

  • ※厚生労働大臣が定める薬剤
    • インスリン製剤
    • グルカゴン様ペプチド―1受容体アゴニスト
    • インスリン・グルカゴン様ペプチド―1受容体アゴニスト配合剤
  • ※糖尿病患者への算定要件の変更については(Ⅱ)も同様である。

また、原則として、必要な血液検査等を少なくとも6月に1回以上は行うことを要件とする。と明記されました。

生活習慣病管理(Ⅱ)における算定可能な管理料の変更

従来生活習慣病管理料(Ⅱ)と併算定できる項目については下記5項目でしたが、必要な患者に別途行われるべき医学管理や、生活習慣病とは直接的な関係の乏しい疾患に関する医学管理等が適切に推進される観点から、当該管理料の包括範囲から除かれることになりました。

  • 2024年時に併算定可能であった管理料等
    • 糖尿病合併症管理料
    • がん性疼痛緩和指導管理料
    • 外来緩和ケア管理料
    • 糖尿病透析予防指導管理料
    • 慢性腎臓病透析予防指導管理料
  • 2026年に併算定可能になった管理料等
    • 特定薬剤治療管理料
    • 悪性腫瘍特異物質治療管理料
    • 外来栄養食事指導料
    • 集団栄養食事指導料
    • 高度難聴指導管理料
    • 喘息治療管理料
    • 糖尿病合併症管理料(24年時と継続)
    • がん性疼痛緩和指導管理料(24年時と継続)
    • がん患者指導管理料
    • 外来緩和ケア管理料(24年時と継続)
    • 植込型輸液ポンプ持続注入療法指導管理料
    • 糖尿病透析予防指導管理料(24年時と継続)
    • 乳腺炎重症化予防ケア・指導料
    • 二次性骨折予防継続管理料
    • 肢創傷処置管理料
    • 慢性腎臓病透析予防指導管理料(24年時と継続)
    • 地域連携夜間・休日診療料
    • 救急外来医学管理料
    • 外来放射線照射診療料
    • 外来腫瘍化学療法診療料
    • ニコチン依存症管理料
    • 療養・就労両立支援指導料
    • がん治療連携計画策定料
    • がん治療連携指導料
    • 認知症専門診断管理料
    • 認知症サポート指導料
    • 肝炎インターフェロン治療計画料
    • プログラム医療機器等指導管理料
    • 救急救命管理料
    • 診療情報提供料(Ⅰ)
    • 電子的診療情報評価料
    • 診療情報連携共有料
    • 連携強化診療情報提供料
    • 薬剤情報提供料
    • 傷病手当金意見書交付料
    • 療養費同意書交付料

眼科・歯科と連携した場合の評価料の新設

糖尿病患者様の合併症予防(網膜症や歯周病など)を推進するため、他院への受診連携を行った場合に算定できる「連携強化加算」が新設されました。

糖尿病を主病とする患者様に対し、必要性を認めて以下の連携を行った場合、それぞれ年1回に限り算定可能です。

  • 眼科医療機関連携強化加算
    • 眼科への受診が必要と判断し、必要な連携を行った場合
  • 歯科医療機関連携強化加算
  • 歯周病の予防・治療等のため、歯科への受診が必要と判断し、必要な連携を行った場合

いずれも算定には「患者様の同意」が必要です。

日頃から糖尿病手帳や連携パスを活用されているクリニック様にとっては、既存の連携業務がそのまま収益につながる重要な評価となります。

療養計画書の変更

現場にとって最大の朗報は、「患者様の署名が不要になる」ことです。これまで生活習慣病管理料(Ⅰ)・(Ⅱ)の算定に必須だった「療養計画書への署名」が、負担軽減の観点から廃止されます。診察時の署名依頼や回収の手間がなくなるため、オペレーションの大幅な効率化が期待できます。

施行に向けて、今すぐ確認すべきこと

今回の改定情報は、長らく現場の負担となっていた「計画書の署名」が廃止されるなど、実務面での改善が目立つ内容となりました。

一方で、「糖尿病患者様への薬剤要件」や「6ヶ月に1回の検査義務化」など、カルテ記載や検査オーダーのルーチンを見直さなければならない項目も含まれています。6月の施行直前に慌てないために、ぜひ今のうちから以下の3点をご確認ください。

  • レセコン・電子カルテの改修予定の確認(新併算定項目への対応)
  • 検査セットの見直し(6ヶ月に1回の採血漏れを防ぐ仕組み)
  • 眼科・歯科連携フローの再確認(連携加算の算定漏れ防止)

「具体的な運用フローの事例を知りたい」など、ご不明な点がございましたら、お気軽に担当コンサルタントまでお声がけください。引き続き、最新情報が入り次第、メルマガにて速報をお届けいたします。

執筆者 : 朝倉 匡基

船井総合研究所に入社以来、医療業界のコンサルティングに従事してきた。 主に内科クリニックのコンサルティングを実施し、全国で20件の内科クリニックの即時業績アップ、スタッフマネジメントなどの経営課題解決に貢献してきた。 生活習慣病クリニックのコンサルティングを通じて、国民の健康に貢献することに情熱を捧げており、生活習慣病を患う方を少しでも減らすことに使命感を持っている。