泌尿器科の待ち時間を短縮させる、診療効率化を実現するDX戦略

2026年02月12日 (木)

科目:
泌尿器科

「いつ来ても混んでいる」「待ち時間の割に診察が短い」……どのクリニックにおいても、患者満足度を阻害する最大の要因は「待ち時間」です。しかし、尿検査や残尿エコー、腹部エコーなど診察前の検査が必要となる泌尿器科では、単純な予約システムの導入だけでは解決しません。 

本記事では、泌尿器科特有の動線を踏まえた診療効率化の具体的なステップを解説します。デジタルツールの活用から、スタッフの役割分担、検査フローの再設計まで、明日から取り組める実践的なノウハウを網羅しました。この記事を読めば、スタッフの疲弊を防ぎながら、より多くの患者様に質の高い医療を提供できる体制が整うはずです。 

診療効率化を実現するための3つの柱

効率化を成功させるには、「ハード」「ソフト」「フロー」の3つの側面からアプローチする必要があります。 

【ハード】デジタルツール・ITシステムの最適化 

まずは土台となるIT環境の整備です。電子カルテを中心に、Web問診や予約システムを連携させることが基本となります。手書きの問診票をスタッフがカルテに打ち直す手間や、予約の電話対応にかかる時間を物理的に削減します。 

【ソフト】スタッフのタスクシフトと教育 

医師しかできないこと、スタッフでもできることを明確に分離(タスクシフト)します。例えば、検査の事前説明や生活指導を看護師が担う、あるいはクラークを導入して医師のカルテ入力を代行するなどの対策が挙げられます。各スタッフが自分の役割に集中できる環境を整えます。 

【フロー】泌尿器科特有の動線設計の見直し 

受付から採尿、検査、診察、会計までの流れを視覚化し、停滞ポイント(ボトルネック)を特定します。特に尿検査の結果待ち時間を、いかに「有効な事前情報収集の時間」に変えられるかが、全体の回転数を左右します。 

導入すべきITツールと活用法

泌尿器科の診療スタイルにマッチするITツールを具体的に見ていきましょう。 

Web問診:診察前の「絞り込み」で問診時間を短縮 

従来の紙の問診票ではなく、来院前にスマホ等で回答してもらうWeb問診を導入します。泌尿器科では「尿の勢い」や「頻尿の回数」など、定型的な質問が多い傾向にあります。これらを事前にデータ化しておくことで、医師は診察室に入ってきた瞬間に核心を突いた質問ができ、診察時間を大幅に短縮できます。 

予約・順番待ちシステム:中待ち合いの混雑を解消 

予約制の導入は、患者の集中を分散させるために必須です。また、リアルタイムの順番待ち状況を可視化することで、「あとどれくらいで呼ばれるか」という患者の不安を解消し、受付への問い合わせを減らすことができます。 

自動精算機・キャッシュレス決済:会計時の滞留をゼロに 

診察が終わった後の「会計待ち」は、患者にとって最もストレスが溜まる時間です。自動精算機を導入すれば、事務スタッフが算定作業に集中できるだけでなく、金銭授受のミスも防げます。 

劇的に変わる!検査フローの改善ポイント

泌尿器科の診療を真に効率化するには、検査とシステムの密接な連携が欠かせません。 

1,エコー・膀胱鏡・尿流測定のタイミングをシステムで管理  

エコーや膀胱鏡、尿流測定などの検査タイミングを、予約システムや診察進捗管理と連動させます 。 

  • 検査スケジュールの固定化と共有: 「〇ヶ月に1回」といった定期的な検査タイミングをシステム上の患者メモなどで管理し、全スタッフで共有します。次に必要な検査が事前に可視化されるため、準備に余裕が生まれます。 
  • 事前案内による業務の平準化: 検査のタイミングを事前に把握することで、待ち時間の間に検査説明資料(リーフレット等)を事前にお渡しすることが可能になります。これにより、診察直前の慌ただしい説明を減らし、スタッフの負担軽減と患者様の理解度向上を両立できます。 

 2,高齢者に優しい「デジタル問診」のサポート体制 

「デジタル化は高齢者に優しくない」と考えられがちですが、実際は逆です 。例えば、院内にタブレットを用意し、大きな文字で直感的に操作できるようにしたり、必要に応じてスタッフが聞き取り入力を補助したりすることで、むしろスムーズな運用が可能になります。 

効率化を進める際の注意点と失敗しないコツ 

高齢患者を置き去りにしない「デジタル・デバイド」対策 

すべての患者にデジタルを強要するのは得策ではありません。「スマホを持っていない方には従来通りの紙で対応する」あるいは「スタッフが院内タブレットで代筆する」といった、アナログの良さを残したハイブリッドな運用が、患者満足度を維持する秘訣です。 

ツール導入が目的化していないか?定期的なKPI確認 

ツールを入れただけで満足してはいけません。「平均待ち時間が何分減ったか」「1日の診察数が何人増えたか」といったKPI(重要業績評価指標)を定期的に確認し、現場のオペレーションに無理がないか、常に改善し続ける姿勢が重要です。 

 

まとめ:効率化は「患者と向き合う時間」を作るためにある 

診療効率化は単なる「手抜き」や「コストカット」ではありません。雑務や無駄な待ち時間を削ることで、医師が本来の役割である「プロフェッショナルな診断と治療」に集中し、患者と真摯に向き合う時間を作るための環境づくりです。 

Web問診や予約システムの導入、そしてスタッフへの適切なタスクシフトを組み合わせることで、クリニックの経営と医療の質は劇的に改善します。 

「自院に最適なシステムがわからない」「導入後の運用が不安」という先生方は、まずは現在の患者動線のどこにボトルネックがあるかを可視化することから始めませんか? 

私たちは、数多くのクリニック運営をサポートしてきた知見を活かし、各院の状況に合わせた最適な「効率化のカタチ」をご提案しています。現在、無料経営相談を実施しておりますので、システム選びの基準から運用定着のコツまで、どうぞお気軽にご相談ください。先生が理想とする「患者様と向き合える診療環境」を、共に実現していきましょう。 

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この記事を書いたコンサルタント

曳沼 岳斗

プロフィール詳細

大学を卒業後、新卒で製薬会社のMR職として入社し、大学病院や基幹病院の整形外科、泌尿器領域を長く担当。MRとして診療報酬改定や病診連携の支援をする中で、先生方とエリアや施設のありたい姿実現に向けて伴走することの面白さを感じ、より幅広く、質の高い提案をしたいと考え船井総研に中途で入社した。

先生やスタッフの皆さんと寄り添い、ありたい姿実現のために一緒に伴走するコンサルタントであることをモットーとしている。

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