vol.42 「女性スタッフの戦力化において重要なこと。」

2015年5月7日配信

こんにちは。船井総合研究所の北里です。
私は入社以来、医療機関のコンサルティングに従事している。医療機関のビジネスモデルは売上のほとんどを医師に依存しており、医師の生産性を高める試みが医療経営における重要なポイントになっている。
具体的には、医師にしかできない業務に医師に集中してもらい、それ以外の業務をスタッフに分業をしていく。この分業、権限移譲の際に女性スタッフを教育し、戦力化していくのだ。
医療機関に限らず、世の中の潮流として、女性の戦力化があるが何十年も前から医療機関はこの女性スタッフの戦力化に取り組んでいる。
長くこの医療業界に携わる中で、女性の戦力化において重要なポイントは、
1、個人が存在意義を感じる環境づくり
2、競争ではなく共生によるモチベーション管理
3、キャリアプランの明確化
だと考えている。
1、個人の長所を見極め、長所の活きる明確な役割を与えると、存在意義を感じ始める。
2、そして、売上目標などは個人ではなくチームやユニット単位で設定する。
3、目標達成がどう評価に反映され、今後のキャリアにはどのような道があるのかを明確にする。
一見すると、ビジネスの世界では当たり前のように感じるこの考え方も、実際は男性のビジネスマンの育成をベースに作られていることが多く、特に中小企業規模の組織の場合は、女性の特性に合わせた仕組みに変換できていないことが多い。
今後、労働力人口が減少していく日本経済において、大企業よりもむしろ中小企業こそが積極的に女性戦力化に取り組むべきだろう。労働力人口の減少でダイレクトに打撃を受けるのは大企業よりむしろ中小企業だ。
また、女性マネジメントにおいて欠かしてはならないのがコミュニケーションだ。女性は男性よりもコミュニティへの帰属意識が高いため、連帯を求める。
私もコンサルティング現場で男性院長と上手くいっていない女性スタッフをたくさん見てきたが、散々文句を言っていても、『上司に認めてもらいたい。自分をもっと見て欲しい』と思っている。
育てることと評価することは一対であることを忘れず、コミュニケーション頻度を維持しながら評価を実感してもらえることが女性の戦力化につながると言える。
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