vol.189 2020年に院長の皆さまに是非取り組んでいただきたいこと
2019年12月26日配信
いつもお読み頂きありがとうございます。
船井総研の野中です。
本コラムでは、2019年の弊社の研究会の会員様の事例や直接お手伝いをさせて頂いている医院様の成功事例を踏まえた上で、
2020年に院長の皆さまに是非取り組んでいただきたいことをご紹介させていただ来ます。
もしよろしければ、今年の自院(社)の振り返りとして、このままコラムを読み進めていただければ幸いです。
特に、下記のようなことでお悩みの方は、必見の内容になるかと思います。
□ 慢性的に残業があり、スタッフが帰宅する時間が 19 時を過ぎることが当たり前
□ スタッフが帰った後も院長が一人で書類業務を行って帰宅が 21 時を超える
□ スタッフが疲弊しており、どことなく雰囲気が暗い状態が続いている
□ 新しく取り組みをしようにもスタッフが「忙しい」ということを聞かない
□ 部署ごとに固まってしまってなかなか協力関係が作れない
□ 新しくスタッフを採用しても一月もたたずに退職してしまい定着しない
いかがでしょうか?
実は、こちらは2019年に弊社がよくご相談いただく内容であり、
全国の整形外科の経営者の皆様が直面しているであろう課題でもあるかと思います。
そんな中、
・2019年昨対比110%~120%アップを実現
・残業時間が1日15分程度
・初診の患者様の集患強化
・理学療法士の積極採用
・スタッフ主導の医院経営
・チーム医療の実現
など、2019年も安定的に成長し続けるだけではなく、積極的に時代の流れに適合されている会社が弊社の会員様には日々、増えてきているように感じております。
勿論、成功している要因は様々ではありますが、ここで皆様に改めて目を向けていただきたいのは、「CS(顧客満足)だけではなく、ES(従業員満足)に注力を注いでいる」ということです。
では、なぜ今、ES(従業員満足)なのでしょうか?
理由は以下の3点です。
1.働き方の多様化により、採用時の競合が医療機関ではなくなってきている
2.「働きがい」や「働きやすさ」よりも、自身のライフワーク重視のため残業なしは必須
3.整形外科の開業が増えてきている中、人口減少しており生産性向上が必須
まず、「1.働き方の多様化により、採用時の競合が医療機関ではなくなってきている」
ですが、これを更に詳しく説明させていただきます。
数年前までは、有資格者の方の採用の方が難しいイメージがありましたが近年では無資格者(医療事務・リハビリ助手)の採用が難しいケースが増えてきました。
例えば、「ある時期から全く医療事務の応募がぱたりとやんだ」ということでご相談を受けた際に、何か変わったことがあったかと尋ねると大型スーパーが近くに出来たという返答を頂いたことがあります。
つまり、医療事務スタッフとして働くより、大型スーパーで働く方が条件が良かったという事でそちらに応募が流れていたという事です。
以前までは、医療機関は安泰だというイメージのためか、安定しているから医療機関という事で選ぶ層も一定数おりましたが、現在は数ある職種のうちの一つとしかとらえられてないようです。
※出展:東京商工リサーチ(https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20180116_09.html)
また、有資格者であるセラピストも一般企業で働くなどの、働き口を変えてきている傾向にあります。
そのため、無資格者、有資格者問わず、医療機関だけではなく一般企業も選択肢に入ってきている時代だからこそ、一般企業と同じだけのES(従業員満足)への努力が必要になってきております。
次に、「2、「働きがい」や「働きやすさ」よりも、自身のライフワーク重視のため残業なしは必須」のご説明をさせて頂きます。
最近の採用のお手伝いをさせて頂く中で、特に反響率に大きく差がつく文言の一つに「残業なし」という言葉があります。
実際に「残業なし」という文言の修正を加えた求人にて応募してくださった方(実際に採用出来た方)にご質問させて頂くと
「残業がないというのが決め手だった」という話をよく聞きます。
どういった理由から残業無しが喜ばれるのかと言いますと
最近の20代、30代の傾向として
・給与を多くもらうために残業も厭わない
というスタンスから
・給与は低くてもいいから、自身のプライベートの時間を充実させたい
というスタンスへ変わってきているということです。
そのため、医療機関だったから応募をしてきたということではなく、給与をもらうために残業なしで働ける条件の企業を探した結果、ウチに応募をしてくるという流れに変わってきております。
そのため、残業減らしていくためには「診療の効率化」がキモとなります。
実際に診療の効率化が進んでいくほど、人の定着率も上がり雰囲気も良くなり、その結果採用で良い人が取れるという好循環が産まれております。
実際に取り組まれているクリニック様では仕事の割り振りが上手く機能し、効率化を図りつつも満足度を上げているクリニックもあります。
効率化でのキモは、「ズバリ医師以外でも出来ることをスタッフに任せて行く」ということになります。
(※2018年に行ったセミナー時のテキスト一部抜粋)
効率化を測る目安として1時間当たりにどれほどの人数を診察出来ているのかということを船井総研では図らせていただく事が多いのですが以下の3パターンに分類して考えております。
(1)~8人/時間
こちらが一般的な整形外科クリニックの診察スピードとなります。
院長がお1人で頑張って診察をされるスタイルになります。
(2)8~15人/時間
こちらまでくると、効率化の大枠が出来上がりつつあります。
スタッフを巻き込みつつ、徐々に診察の効率を上げていけております。
(3)15人~/時間
最後にこちらのケースですが、本当に早い方は30人ほど診ている方もいらっしゃいます。
ここまで来ると満足度が下がるのではないかと、よくご質問をされますが順調に患者数が増えておりますので、そういった診察スタイルが不満で来なくなるという方はいないようです。
15人以上になると、残業も少なく、スタッフ定着にも良い影響を与えております。
また、診療効率化のポイントは3つあり
(1)クラークの設置
こちらは、看護師や医療事務が診察時に医師の隣で電子カルテ入力を行い、医師のPCへの入力業務をなくすことにより、医師は患者様に向き合う時間を増やすことが出来ます。
(※一般的なクラークの配置図)
(2)問診の強化
問診専用の問診室を作り、そちらで問診を看護師や医療事務が先に行います。
ヒアリングの精度も、医師があとは診断を下すだけと出来るレベルまで行い、その上で電子カルテへ記載を済ませておきます。
(※簡易的な問診室)
また、初診のみではなく実は再診数の患者様こそ問診を行うことが重要です。
今回は前回と何も変わらないのか、別部位も痛んでいないか、薬はまだ残っているのか等を事前に聞いて置き、診察室にて新たに問診を始めずに済む体制を作っておく必要があります。
(※簡易的な再診用の問診表)
(3)説明を任せる
薬や骨粗鬆症など、医師が毎回同じことを説明する必要のあるものに関して、説明を看護師に行っていただき、医師は次の方の診察に向かうことにより診察の効率を上げていきます。
(※あるクリニックの骨粗鬆症の薬説明用資料)
最後に、「3.整形外科の開業が増えてきている中、人口減少しており生産性向上が必須」
に関して説明させて頂きます。
働き方改革がいよいよ本格的に始動をしてきている現在では、より無駄な作業を従業員が嫌う傾向にあります。
そして、新しく開業されるクリニックの場合には様々な最新のITが初めから組み込まれた形で運営されているので
そういった環境と比較すると
・まだ電子カルテを導入していない
・なんのためにやっているか分からない仕事が多い
・全てを紙媒体で行っている
という状態のクリニックはITの力で業務の効率が上がるにも関わらず行っていないということで、従業員から選ばれにくくなってきます。
逆に、電子カルテの導入はもちろんのこと、積極的に自動受付機、自動精算機やインカムの導入などIT系を入れて、生産性向上を図っているクリニックは収益を増やしつつも残業を増やさずに済んでおり、患者様からも選ばれる事はもちろんのこと従業員からも選ばれるようになります。
また、生産性向上はITに頼った部分だけではなく
船井総合研究所の創業者である舩井幸雄は
通常の仕事を1とすると、その仕事の目的を理解した上ですると効率が1.6倍上がると説いておりました。
つまり、働きたいという土壌を整えた上で
「その中で仕事の目的ややりがいを説いていくとヒトによって生産性があがる」ということです。
初めからやりがいなどだけでアピールをしても、なかなか反応されませんが体制が整っている上での目的ややりがいがあると生産性があがります。
いかがでしょうか?
是非、2020年度は、
「CS(顧客満足)だけではなく、ES(従業員満足)に注力を注ぐ」
≒
更なる効率化を図り、生産性を向上していく一年
として頂ければと思います。
最後に、ここまでコラムをお読みいただいた皆様へ
2020年度に効率化においてスタートダッシュを切るための診療効率化のセミナーをご紹介させていただきます。
詳細は下記をご確認いただければと思うのですが、
この1年で1時間当たりの診察人数が8名から15名まで増やされたクリニックの院長を講師にお迎えし、2020年度最新版の効率化のノウハウをお伝えさせていただきます。
ご興味のある方は、是非一度ご確認くださいませ。
セミナーのお申込み、詳細情報は以下のリンクをクリック!!
≪特別ゲスト≫
医療法人 福住整形外科クリニック 理事長 亀田 和利 氏
札幌医科大学卒業後、札幌南整形外科病院へ。
札幌医科大学大学院医学研究科 医学博士学位取得し、砂川市立病院・市立芦別病院・市立室蘭総合病院・広域紋別病院を経て苑田会人工関節センター病院(東京)で勤務。
五輪橋整形外科病院にて副院長を経て平成28年に福住整形外科クリニックを開業。
現在1時間当たり15人以上診察を行えるチーム医療を提供している。
公式HP :https://www.fukuzumiseikei.com/
≪このような整形外科の経営者様にオススメ致します≫
□ スタッフの残業をどうにかして減らしたい
□ 患者様の待ち時間をどうにかして減らしたい
□ ご自身の帰宅時間を早くしたい!
そのような先生はぜひご参加下さい。
診療効率が一般的であったが、一年で劇的に効率化を図ったゲスト講師と共に、 残業を減らしていき、医師の働き方改革を行う秘訣をお伝えさせていただきます。
本気で診療効率化を図り生産性を上げたい経営者様は、以下のリンクをクリックし、今すぐセミナーにお申込みください!
URL:https://www.funaisoken.co.jp/seminar/054390
お申込は各会場50名様限定となります。
≪セミナー開催概要≫
2020年度 「患者満足度を上げつつ1時間に15人を診察するチーム医療の創り方」
◆2020年2月9日(日)
@船井総研 東京本社 13:00~16:30 (受付12:30~)
◆2020年3月1日(日)
@船井総研 大阪本社 13:00~16:30 (受付12:30~)
詳細は下記よりご確認ください。
URL:https://www.funaisoken.co.jp/seminar/054390
<参加したあなたはこのようなノウハウを手に出来ます!>
1、現在の整形外科業界の動向
2、整形外科クリニックの行うべき集客の手法
3、質を担保したまま短く診察をする方法
4、チーム医療を実現するための組織体制
5、具体的なツール作成におけるポイント
【セミナーのお申込み・詳細情報はコチラ】
URL:https://www.funaisoken.co.jp/seminar/054390
発行:株式会社船井総合研究所 野中達裕
メール:t-nonaka@funaisoken.co.jp
船井総研医療ニュース無料メールマガジン「めでぃまが!」
現場で活躍するコンサルタントによる業界で成功するポイントや課題解決に向けた新たな切り口をご提供! 船井総研の医療経営コンサルタントが無料でお届けする現場の最新情報・ノウハウがギュッとつまった 船井総研医療ニュース無料メールマガジン「めでぃまが!」。
これからの時代に生き残っていくため、患者様から支持される「地域一番医院」となるためのヒントや医療経営コンサルティングチームのご支援先の成功事例レポート、勉強会やセミナーのご案内などを盛りだくさんの内容でお届けしています。ぜひご登録ください。