やよい在宅クリニック
やよい在宅クリニック インタビュー記事
今回は文京区で訪問診療と訪問看護ステーションを展開されているやよい在宅クリニック 院長 水口 義昭 様にお話を伺ってまいりました。文京区で1番の在宅クリニックの差別化戦略・採用戦略を中心にお伺いしました。

船井総研:まずは、やよい在宅クリニックの概要について教えていただけますでしょうか?
水口院長:はい。当院は2019年に文京区で開院いたしました。おかげさまで、現在では常時700名から800名程度の患者様にご利用いただいております。
船井総研:開業からわずか数年で800名もの患者様を診ていらっしゃるのですね。それまでの道のりで、特に苦労されたことや、それを乗り越えるために行ってきたことなどございましたらお聞かせください。
水口院長:開業当初は患者様が1名からのスタートでした。その後、月に10名ほどご紹介いただくこともありましたが、お亡くなりになる方も多く、なかなか安定しませんでした。しかし、病院との連携を強化し、徐々に患者数を増やしていきました。
介護事業所との連携も強化していきながら、患者さんをご紹介いただくルートも病院だけでなく、ケアマネージャーさんからのご紹介も増えてきました。ご紹介いただいた患者様は、たとえご自宅が遠方であっても、基本的に断らない という方針を徹底してきたことも、患者数増加につながったと考えています。
さらに、他の在宅クリニックがあまり対応したがらない、輸血などの医療処置も積極的に行ってきたことも、ご紹介が増えた要因の一つかもしれません。手間はかかりますが、患者様やご紹介いただく方々からの信頼につながっていると感じています。
患者数が増えるにつれて、組織のマネジメントという新たな課題も出てきました。理念の浸透や、多様な意見を持つスタッフ間の意思疎通など、規模が大きくなるにつれて難しさを感じました。そのため、組織図を作成し、医師部門、看護部門、事務部門それぞれに責任者を配置しました。各部署の責任者とは週に一度必ずミーティングを行い、情報共有や課題解決に努めています。また、360度評価を試験的に導入し、多角的な視点からの評価を賞与に反映させる試みも行いました。
船井総研:文京区には多くの医療機関があると思いますが、その中でやよい在宅クリニックが特に患者様や連携機関から選ばれる理由、つまり差別化ポイントはどこにあるとお考えでしょうか?
水口院長:最も大きな点は、終末期の患者様を大切にしているということだと思います。私自身が消化器外科医として、癌などで苦しみながら最期を迎える患者様を多く見てきた経験から、在宅でできる限りのサポートをしたいという強い思いがあります。
そのため、胃瘻やドレーンといった複雑な管理が必要な患者様や、在宅での化学療法、輸血など、一般的に在宅クリニックが敬遠しがちな医療処置も積極的に受け入れています。
これらの処置は、経営的には導入を躊躇することが多いです。
しかし、「最期は自宅で過ごしたい」という患者様やご家族の願いを叶えることが、私たちの最も重要な役割だと考えています。
また、在宅での看取りの件数も、地域の他の医療機関と比較して非常に多いと自負しております。短期間でも自宅に帰りたいという患者様がいらっしゃれば、可能な限りサポートさせていただきます。
こうした姿勢が、病院の先生方からも信頼いただき、連携しやすいクリニックとして認識されているのではないかと感じています。

船井総研:多くの患者様を支えるためには、質の高い医療従事者の存在が不可欠だと思います。医師や看護師の採用・教育について、特に力を入れている点はございますか?
水口院長:医師の採用においては、大学病院との強固な連携が大きな基盤となっています。
非常勤の先生方には、当院の常勤看護師が必ず同行し、クリニックの診療方針やカルテの使い方などを丁寧に説明し、理解を深めてもらっています。
困ったことがあれば、すぐに常勤医師に相談できる体制も整えています。
看護師の採用においては、SNS(主にInstagram)を活用し、クリニックの雰囲気や働くスタッフの様子を積極的に発信しています。
直接的な応募はまだ少ないものの、応募を検討している方がクリニックの情報を得るための重要なツールになっていると感じています。採用担当者を配置し、魅力的な情報発信に力を入れています。
採用後も、質の高い医療を提供するために、看護師の教育にも力を入れています。特に、非常勤の先生方とスムーズに連携し、質の高い医療を提供するためには、看護師の役割が非常に重要です。看護師同士での情報共有や、定期的な面談を通じて、患者様へのケアの質向上を目指しています。看護部長をはじめ、責任者たちが中心となり、クリニックの理念や患者様への想いを共有し、チームとして成長できるような環境づくりを心がけています。

船井総研:最後に、やよい在宅クリニックの今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか?
水口院長:現在の文京区を中心とした診療圏では、患者数も増加し、限界も感じ始めています。そのため、近隣の足立区や葛飾方面などへの展開を視野に入れています。これにより、より多くの患者様に、質の高い在宅医療を提供できるようになると考えています。
また、在宅医療のあり方そのものについても、常に新しい視点を取り入れたいと考えています。例えば、自宅を病院のように捉え、より積極的な医療処置を自宅で行う「ホームホスピタル」という概念を推進していきたいと考えています。そのためには、訪問看護ステーションとの連携が不可欠であり、より一層協力体制を構築していく必要があります。
長期的な展望としては、海外、特に中国での訪問診療の展開という壮大な夢も抱いています。中国では在宅医療の概念がまだ浸透しておらず、高齢化が進む中で、日本の在宅医療のノウハウが活かせるのではないかと考えています。もちろん、実現には多くの困難が伴うと思いますが、常にチャレンジ精神を持ち続けたいと思っています。
船井総研:本日は貴重なお話、誠にありがとうございました。やよい在宅クリニック様の今後のご発展を心よりお祈り申し上げます。
水口院長:こちらこそ、ありがとうございました。
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