地域医療の「オールラウンダー」を目指して患者に寄り添うさいたま泌尿器科クリニックの挑戦

さいたま市に根ざし、地域住民の健康を支える「さいたま泌尿器科クリニック」。院長の林達郎先生は、大学病院での豊富な経験を活かしつつ、開業医としての新たな道を切り拓いています。多岐にわたる泌尿器科疾患に対応し、患者さん一人ひとりに寄り添う診療を実践する同クリニックの取り組みと、林先生の医療への情熱に迫ります。

開業の原点：地域医療への強い使命感と患者中心の働き方

林先生が開業を決意したのは、泌尿器科医療における「オールラウンダー」の不在という課題意識がきっかけでした。大学病院での研究生活を送る中で、特定の専門分野に特化した医師は多いものの、患者さんの多様な症状に対応できる総合的な視点を持つ医師が少ないと感じていたといいます。そこで、高度医療施設への適切な橋渡し役となり、幅広い泌尿器科疾患に対応できるクリニックを目指すことを決意しました。

さらに、コロナ禍が林先生の決断を後押ししました。大学病院での手術件数が減少したことで、家族と過ごす時間が増え、自身の働き方を見つめ直す機会を得たといいます。この経験が、医師としての理想と、充実した私生活の両立を追求するきっかけとなり、地域医療への貢献を最優先に考えた開業へと進みました。

地域に深く根差した診療：患者さんからの信頼が支える日々

さいたま泌尿器科クリニックは、地域の方々の多様な泌尿器科の悩みに応える存在として、日々多くの患者さんを迎え入れています。現在、クリニックには多くの患者さんが来院されており、診療枠は常に高い需要がある状況です。これは、地域住民の皆さんがクリニックを信頼し、必要としていることの証です。

クリニックの大きな特徴は、保険診療を主体とした医療提供にあります。自費診療も一部行っていますが、これは様々な泌尿器科の悩みに対応し、より受診しやすいよう、多様な選択肢を提供するという林先生の患者さんへの思いからくるものです。林先生は、今後も地域に根差した保険診療を通じて、患者さんの健康に貢献していく姿勢を強く持っています。

大学病院時代はがんなどの重篤な疾患を中心に診療していましたが、開業医としては良性疾患の患者さんと向き合うことに大きなやりがいを感じているといいます。大学病院では使用しなかった漢方薬や昔からある薬など、時には最新医療だけでは改善が難しい患者さんに対し、これらの薬剤が有効であるケースも多く、その効果を日々実感しているとのことです。開業医として、より幅広い知識が求められていると感じ、日々学びを深めています。もちろん、がんの患者さんも地域連携を通じて紹介・逆紹介という形で対応しており、前立腺がんの診断で前立腺生検を行い、またホルモン療法や放射線治療、前立腺全摘後のフォロー、膀胱がんに対するBCG治療やテラルビシン治療なども実施しています。

日帰り手術への揺るぎない信念と「やりたい医療」の追求

林先生は開業当初から「日帰り手術」の実施を強く希望していました。現在、クリニックではパイプカットと包茎手術を日帰りで行っており、患者さんの負担を軽減しつつ、問題解決に直接貢献できることに、医師としての深い喜びを感じているといいます。これは、医師としての情熱と患者さんへの貢献を第一に考える林先生の強い信念が反映されています。クリニックの院内は、日帰り手術を安全かつ快適に行えるよう、機能的な設計が施されています。

これから開業を志す医師に対して、林先生は「開業の段階で自身の可能性を閉ざさないこと」を最も伝えたいメッセージとしています。クリニックを立ち上げる際に、限られたイメージで設計してしまうと、後からの医療の幅の拡大や、提供したいサービスの追加が難しいケースが多いからです。そのため、開業前に「自分が本当にやりたい医療とは何か」を徹底的に深く考えることが、長期的なクリニック運営において非常に重要であると強調します。

患者さんの「ありがとう」が原動力：地域医療の未来を担う

さいたま泌尿器科クリニックの大きな強みは、その「オールラウンダー性」にあります。小児泌尿器科にも対応し、さらに皮膚疾患も診察できるため、老若男女問わず、どのような患者さんが来院しても、その悩みに寄り添い、適切な医療を提供できる体制を整えています。林先生は、これからも保険診療を主軸に据え、地域に根差した医療を提供していくという強い信念を持っています。

開業医としての最も大きなやりがいは、患者さんから「症状が良くなった」「改善した」という言葉を聞くことだといいます。その感謝の言葉が、日々の診療の大きなモチベーションとなり、林先生の医療への情熱を一層燃え上がらせています。

また開業後、林先生は家族と過ごす時間が大幅に増え、家族もその変化を喜んでいるそうです。また、ご自身も体を動かす余裕ができ、「若返った」と言われるほど充実した日々を送っています。

さいたま泌尿器科クリニックは、地域医療のニーズに応えるべく、常に進化を続けています。林先生の患者さんへの深い思いと、医療に対する真摯な姿勢が、地域住民の健康を力強く支え続けています。