日々多くの患者さまと向き合う多忙なクリニックにおける最大の死角。それは「要件を満たしているのに、届出をしていない加算」です。

複雑な「施設基準」を院長一人で常に追い続けるのは不可能です。しかし、「知っているか、知らないか」の手続きの差だけで、年間数百万円の利益ギャップが生まれます。
本記事では、呼吸器内科で「少しの体制変更でクリアできるが届出漏れが多発している10の加算」を公開します。自院の「月間患者数」と掛け算し、追加の利益をどれくらい見込めるかの一助となりますと幸いです。
届出漏れが多発する10の加算リスト
【スタッフ還元・DX】賃上げ継続の「防衛的算定」とデジタル化の要諦
令和8年度改定において最も注意すべきは、賃上げへの対応が「加算による上積み」だけでなく、「未達による大幅減算」という二段構えの構造となった点である。
① 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)
- 点数
- 初診時:17点
- 再診時等:4点
- 訪問診療時:
- イ:79点
- ロ:19点
-
(※継続して賃上げに係る取組を実施した医療機関については、それぞれ 1:23点、2:6点、3のイ:107点、3のロ:26点となる特例があります)
- 算定対象者
- 勤務職員の継続的な賃金改善を図る体制について届出を行った保険医療機関において、入院中の患者以外の患者に対して初診、再診、または訪問診療等を行った患者。
- なお、賃上げ継続の特例措置は別に定める施設基準に適合する場合に算定。
② 電子的診療情報連携体制整備加算
- 点数
- 初診時:月1回に限る
- 電子的診療情報連携体制整備加算1:15点
- 電子的診療情報連携体制整備加算2:9点
- 電子的診療情報連携体制整備加算3:4点
- 再診時:月1回に限る
- 電子的診療情報連携体制整備加算:2点
- ただし、明細書発行体制等加算を算定した場合は当該加算を算定できない。
- 初診時:月1回に限る
- 算定対象者
- 医療DX推進に係る体制の施設基準を満たして届け出た保険医療機関を受診した患者であって、マイナ保険証(電子資格確認)等により患者の診療情報を取得・活用した上で、初診または再診を行った患者。
【地域・かかりつけ】継続的診療と地域貢献の評価構造
地域包括診療加算(1・2)
- 点数
- 地域包括診療加算1
- 認知症を有する患者等の場合:38点
- その他の慢性疾患等を有する患者の場合:28点
- 地域包括診療加算2
- 認知症を有する患者等の場合:31点
- その他の慢性疾患等を有する患者の場合:21点
- 地域包括診療加算1
- 算定対象者
- 届出診療所において、脂質異常症、高血圧症、糖尿病、認知症などの指定疾患を2つ以上有する入院中以外の患者に対して、患者の同意を得て、療養上必要な指導および診療を再診時に行った場合
- 備考
- なお、地域包括診療加算の算定要件を満たし、かつ継続的なデータ提出を行っている場合、月1回に限り「外来データ提出加算」として10点を算定できます。
機能強化加算
- 点数:初診時に限る
- 80点
- 算定対象者
- かかりつけ医機能の施設基準を満たして届け出た、許可病床数が200床未満の病院または診療所において初診を行った患者
時間外対応体制加算(1・2・3・4)
- 点数:再診時に限る
- 加算1:7点
- 加算2:5点
- 加算3:4点
- 加算4:2点
- 算定対象者
- 時間外の診療体制について届出を行った診療所において、再診(情報通信機器による再診などを含む)を行った患者。
【感染対策・処方】組織的防衛体制と生活習慣病の重点管理
⑥ 充実管理加算
- 点数:月1回に限る
- 充実管理加算1:30点
- 充実管理加算2:20点
- 充実管理加算3:10点
-
なお、※主病が「脂質異常症」「高血圧症」「糖尿病」のいずれの場合も、上記の区分に分かれます。
- 算定対象者
- 届出医療機関(許可病床200床未満の病院または診療所)において、脂質異常症、高血圧症または糖尿病を主病とする患者(入院中を除く)に対して、同意を得て生活習慣に関する計画的な治療管理(生活習慣病管理料Ⅰ又はⅡ)を行った患者。
⑦ 外来感染対策向上加算
- 点数:月1回に限る
- 6点
- 算定対象者
- 組織的な感染防止対策の施設基準を満たして届け出た保険医療機関(診療所に限る)において、初診、再診、計画的な医学管理または在宅での療養管理を行った患者。
- 備考
- 発熱患者等に適切な感染対策を講じて診療した場合は、月1回に限り「発熱患者等対応加算」として20点を算定できます。
⑧ 連携強化加算
- 点数:月1回に限る
- 3点
- 算定対象者
- 上記「外来感染対策向上加算」を算定している患者のうち、それぞれの加算要件(地域医療機関との連携、サーベイランス等への参加、抗菌薬の使用状況報告など)を満たして届出を行った医療機関を受診した患者
⑨ サーベイランス強化加算
- 点数:月1回に限る
- 1点
- 算定対象者
- 上記「外来感染対策向上加算」を算定している患者のうち、それぞれの加算要件(地域医療機関との連携、サーベイランス等への参加、抗菌薬の使用状況報告など)を満たして届出を行った医療機関を受診した患者
⑩ 抗菌薬適正使用体制加算
- 点数:月1回に限る
- 5点
- 算定対象者
- 上記「外来感染対策向上加算」を算定している患者のうち、それぞれの加算要件(地域医療機関との連携、サーベイランス等への参加、抗菌薬の使用状況報告など)を満たして届出を行った医療機関を受診した患者
持続可能な医療提供体制の構築に向けて
本コンサルタントコラムで概説したR8改定の各項目は、現代の医療経営における「標準装備」を定義するものです。
スタッフの処遇改善による人材の確保、DXによるオペレーションの高度化、そして地域連携の深化を通じた患者管理の徹底。これらは相互に作用し、医療機関のレジリエンスを強固にする可能性を秘めています。
制度改定の波を単なるコスト増や負担増と捉えるのではなく、むしろ、これらの施設基準を精緻にクリアし、加算を積み上げるプロセスそのものが、スタッフの定着率を高め、デジタル化による効率性を享受し、地域社会からの信頼を獲得する「医療機関のブランド化」への最短距離であると考えます。
自院の体制で、あといくら「ベースアップ」が可能か?
「再診の全患者」対象の加算を一つ取りこぼすだけで、機会損失が生じています。
本コンサルタントコラムでは、あえて具体的な算定要件や届出条件は記載していません。難解なルールを読み解き、「うちのスタッフ数と設備で取れるのか?」と悩まれること自体が、最大のコストだからです。
- 「時間外対応加算は24時間電話番が必要なんでしょ?」
- 「ベースアップ評価料の計画書を作る暇がない」
- 「施設基準のハードルが高くて諦めている」
このようなお悩みを抱える先生へ向け、無料経営相談(オンライン)を実施しています。医療現場を熟知したコンサルタントが、貴院の体制をヒアリングし、「明日からすぐ届出可能な加算」と「クリア手順」を個別診断いたします。利益の取りこぼしを止めたい方は、以下よりお申し込みください。
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- 「カルテ残業ゼロ・定時帰宅」を実現する仕組みづくり
- 今のメンバーのままで実現できるタスクシフトとマネジメント手法
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② 専門患者を的確に集め、地域に選ばれるクリニックを作りたい先生へ
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- “病名”ではなく“症状”で潜在患者を集める特化型Web戦略
- 最新のSEO/MEO・AIを活用した記事作成と効果測定の仕組み



