A.短期滞在手術等基本料1の点数変更による特に白内障手術における減収の可能性と、短期滞在手術等基本料3の要件見直しによる、入院設備をお持ちのクリニック様での運用見直しの可能性が予想されます。こちらに対応するため、診療効率化、白内障件数さらに増やす、多焦点眼内レンズへの取り組み等の対応が必要となります。
2026年度(令和8年度)の診療報酬改定に向けた議論が本格化する中で公開された「短冊(改定項目案)」の内容をもとに、眼科クリニックに影響を与える項目について列挙させていただきます。
眼科クリニック経営において特に影響が大きいと考えられるのは、以下の5点です。
- (1) 短期滞在手術等基本料1・3の見直し
- (2) 近視抑制治療の選定療養化に伴う検査制限
- (3) 糖尿病患者さんにおける眼科医療機関連携強化加算の新設
- (4) ベースアップ・初再診料に関する改定
- (5) 医療DX・ICT活用に関する改定
それぞれの項目についてお伝えさせていただきます。
(1)短期滞在手術等基本料1・3の見直し
短期滞在手術等基本料1・3において下記改定が予定されています。
短期滞在手術等基本料1の点数変更による特に白内障手術における減収の可能性と、短期滞在手術等基本料3の要件見直しによる、入院設備をお持ちのクリニック様での運用見直しの可能性が予想されます。
(2) 近視抑制治療の選定療養化に伴う検査制限【新設】
近年ニーズが高まっている小児の近視抑制治療(低濃度アトロピン点眼等)に関して、選定療養になるとともに検査に制限が設けられる方向です。
• 回数制限
近視の進行抑制を目的として、当該効能効果を有する医薬品を投与している患者に対し、眼科学的検査を行った場合は、**「年2回に限り」**算定可能となります。
• 検査項目数制限
1回の受診で複数の検査を行った場合、**「2種類を限度」**として算定することとされました。
選定療養となることでこれまで以上に近視抑制治療へのニーズが高まり、小児の患者増が見込まれます。同時に夕方以降、土曜日の検査が混雑していくことが予想されます。
(3) 糖尿病患者さんにおける眼科医療機関連携強化加算【新設・プラス改定】
内科等の「生活習慣病管理料(I)・(II)」において、眼科との連携を評価する加算が新設されます。眼科にとって、内科からの紹介受診が増え、糖尿病網膜症の患者さんが増えていくことも予想されます。
レーザーや硝子体注射の治療による収益増の機会となることが見込まれます。
(4) ベースアップ(賃上げ)・初再診料に関する改定
① 初診料・再診料の引き上げ【プラス改定】
物価高騰・賃金上昇対応として、基本診療料が引き上げられます。
② 医療従事者の賃上げ対応(ベースアップ評価料)
看護師、視能訓練士、事務職員等の賃上げを実施するクリニックを評価する仕組みが新設・拡充されます。
(5) 医療DX・ICT活用に関する改定
① 医療DX推進体制整備加算等の再編【見直し】
現在の「医療情報取得加算」「医療DX推進体制整備加算」が廃止され、新たな加算に組み替えられます。
- 新設:電子的診療情報連携体制整備加算
② 電子処方箋・リフィル処方箋の推進
- 遠隔電子処方箋活用加算(新設):オンライン診療時に電子処方箋を発行した場合の評価が新設されます。
- リフィル処方箋:処方箋様式の見直し等により、さらなる活用促進が図られます。
③ サイバーセキュリティ対策
- 診療録管理体制加算:サイバーセキュリティ対策が要件として強化される見込みです。


