医療法人社団 照 在宅テラス診療所なかはら

医療法人社団 照
在宅テラス診療所なかはら
理事長 齋賀 真言 氏

今回は神奈川県川崎市にある「医療法人社団 照 在宅テラス診療所なかはら」の
理事長 齋賀 真言 先生にお話しを伺ってまいりました。齋賀先生は2017年に在宅テラス診療所なかはらを開設されました。
取材依頼にも快くお引き受けいただき取材時にも笑顔で質問にお応えいただきました。
短い時間でもお人柄を感じることができ職員の方を大事にされていることを知ることができた齋賀先生の取材内容をご紹介いたします。

 

 

●沿革について
・2017年 在宅テラス診療所なかはら開設
・2019年 法人化
・2021年 居宅介護支援事業所テラスケアサポート開設
・2022年 新城テラスクリニック開設

●貴院の訪問診療の特徴をお教えください
在宅医療で紹介を受けた際に“断らない”を信念に日々取り組んでいます。時代とともに
医療の細分化と高度化が強くなってきていますが、在宅医療を掲げる以上は他院で断られるような患者さんも当院では引き受けるようにしています。そういったことから、症状が重く多くの医療処置が必要な患者さんも対応しております。癌や難病の輸血を必要とする患者さんも沢山いらっしゃいますが、できるだけ自宅で過ごすことができるようにサポートをしたいという思いから職員一同取り組んでいます。

また診療に同行している看護師がしっかり情報を集約し、患者さんや家族に必要なサービス内容の吟味や他職種との連携をリードすることで、多くの非常勤医師による凸凹な診療サービスの質をできるだけ均一化しています。
連携は特に大事にしてほしいと常に伝えています。在宅医療には地域における多職種連携が欠かせませんので、地域の訪問看護ステーションやケアマネジャーさんへの連絡は最新の情報と迅速且つ丁寧に対応するように心掛けています。

●在宅医療を運営していく上でマネジメントなどの取り組みをお教えください
各医師が伸び伸びと自身の経験を基に診察をすることが大事だと考えています。当法人には優秀な看護師が多くいます。法人の診療方針を担保するという意味でも同行する看護師が週一回勤務の非常勤医師をサポートすることに尽力してくれています。
 
職員が働きやすい環境作りを意識しています。子育て世代の職員が多いため職種に関わらず“子育てしながら働く”を応援できればと思っています。残業はなるべくしない、休暇の取得や勤務時間の融通などは取りやすくできるよう配慮しています。お互いにサポートし合いプライベートも仕事も充実してほしいという願いがあります。

●エンディングケアについてお教えください
患者さんもご家族も、お互いに伝え忘れたことや思い残すことがない状態で最期の時を迎えられるようにサポートしたいというのが、当院でのエンディングケアの取り組みです。執着の無い心の状態で最期を迎えることで、寂しさの中にも心の平安が、送る側にも送ら
れる側にももたらされると考えています。遺族の心の平安を目指すグリーフケアというものは、本当は患者さんの生前に終了できると思うのです。
印象的なエンディングケアとしては、前立腺癌の旦那様と献身的な奥様のご夫婦です。我々の介入が必要とは感じられない程にお二人はよくコミュニケーションをとっておられたことから最初は介入を拒まれていたのですが、患者さんから奥様に向けての「生まれ変わっても一緒になりたい」という想いはさすがに気恥ずかしさから伝えられていないということがわかり、我々が患者さんに2回ほどインタビューした内容とともに、お手紙にしたためて生前のうちに奥様にお伝えしました。「こういう機会のお陰で、これまで恥ずかしくて伝えられていなかった気持ちが伝えられた」と言って頂いた笑顔がとても印象的に思い出されます。

●今後の展望をお聞かせください
日本人の誰もが、都市部にいても地方にいても質の高い医療サービスを享受し、最期まで自宅で過ごせるための訪問診療サービスに手が届く、そのような未来を目指していきたいと思います。
具体的な話ですと、最期まで自宅で過ごせる患者さんを増やそうと考えますと、外来診療でも訪問診療でも、例えば簡単な肺炎治療や点滴加療のために患者さんを簡単に病院に送らず責任をもって当法人で診ることができる医療体制の構築が必要です。看護小規模多機能施設や病床をもつことでその課題に取り組んでいく予定です。そうすることは、地域の基幹病院や急性期病院への安易な搬送・入院減少につながり、病診連携の健全化にもつながります。
また、超高齢化社会という未曾有の危機を日本が迎え認知症患者さんが爆発的に増えています。そのタイミングで医療に携わっている巡り合わせも感じており、我々法人も真正面から認知症に取り組む必要があると考えています。まずは外来診療において物忘れ外来を開始しており、通院困難な患者さんを訪問診療で受け入れております。今後は、自宅での生活が難しくなってきた認知症患者さんの“らしさのある”生活を支える介護サービス提供も思案中です。

 

 

最後に、足元である川崎市で地域に根差した質にこだわった医療を提供するのは勿論のこと、地方の医療過疎地域に医療提供を行っていくことも前向きに検討中です。
地方では実に多くの方が訪問診療や質のいい外来診療を求めていると感じています。需要と供給バランスがすでに崩れている地方も数多くあります。当法人はその問題に対して積極的に取り組んでいきたいと考えています。
質のいい医療を展開するには働くスタッフが健康的で元気なことが必須条件ですので、引き続き法人全体の労働環境に配慮したいと思います。

 

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