有明こどもクリニック　豊洲院

今回ご取材に応じて下さったのは、東京・湾岸地区で2院（2018年春3院目開業予定）の小児科を展開し、年間延べ8万人の外来患者の診察をしている、医療法人社団モルゲンロート理事長、有明こどもクリニック　豊洲院院長の小暮裕之氏だ。

分院である豊洲院では、湾岸エリアの共働き世帯のニーズを聞き続けて平日21時までの診察、休診日なしの診療体制を確立。開院当初は乳幼児死亡率低下をミッションに世界の予防医療を取り入れ、現在は出生率上昇をミッションとしながら保育園や病児保育にも挑戦しようとされている。

さらに、2020年までに国内に10医院、2020～2025年のアジア進出のビジョンを掲げられている。

■ドクター20名、スタッフ60名の組織をどのようにまとめているのでしょうか？

開業してからは1人で頑張るスタイルでやってきました。

しかし、自分1人で頑張る体制が限界になったときに、周りに協力してもらわないと自分が掲げるミッションは実現できないと気付き、それからは「自分がいなくても回る」をテーマに組織作りを行ってきました。

大切にしていることは、ミッション・ゴールを伝えることです。 理事長はミッション・ゴールを伝え、どう行動すべきかはスタッフになるべく考えさせるようにしています。

また、採用の時に4時間くらいかけて理念研修をしています。 だれでも入職時が一番モチベーションの高い時期です。ですので、その時期にクリニックのファンになってもらうということに力を入れています。

■先生のクリニック経営におけるミッションを教えてください。

当初は、国内の「乳幼児死亡率低下」をミッションとして1院目を開院しました。 そのために、日々の正確な診療を行い早期に治療することはもちろんの事としながら、当時の乳幼児の死因の第１位であった不慮の事故の予防や、世界に比べて遅れていた国内の予防接種を先進国のレベルまで引き上げることに取り組むなど、当時の小児科クリニックとしては一般的ではなかったことも並行して取り組みました。

そして診療を続けながら地域の皆様のニーズを伺っているうちに、共働きの多いこの地域でまだまだ出産や子育てが安心してできる状態ではないということを感じるようになりました。 国内でも出生率の低下、人口減少は深刻な課題となっています。 そのため当院のミッションを、医療を軸に安心して出産や子育てができる地域を作るという方針へ変更しました。

■ミッションを実現するために行っている取り組みを教えてください。

まずはこの地域の小児医療そのものが不足していたことから、豊洲院を2016年5月に開院しました。 有明院と豊洲院の両院になってからは、医療の受け皿が増えこの地域の小児医療の不足は改善されてきたのではないかと思っています。

また共働きの方が多いこの地域だからこそ、豊洲院ではお仕事の終わった後にも通院できるように平日は２１時まで診療することで、地域の方々が安心して子育てができるように努めています。

おかげさまで有明院・豊洲院両院合わせて２万人以上の方が年間８万回以上ご利用いただくクリニックとなりましたが、 「自分がやりたい医療」よりも「地域の患者さんが求めていること」に耳を傾け、それに応えてきた結果かと考えています。

■今後の展望を教えてください。

2020年までに10院を展開し、2020年以降はアジアへフィールドを広げたいと考えています。 アジアの医療の質をあげていきたいと考えており、そのためにも、日本では圧倒的1番になっておきたいですね。

■小暮先生取材に応じていただきありがとうございました。

志の高いビジョンを次々と実現していく、小暮理事長率いる、有明こどもクリニックから今後も目が離せない。

船井総合研究所　井上駿　執筆

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