2026年6月の診療報酬改定により、「短期滞在手術等基本料」が1,359点から680点へと減算されました。
将来的な評価の見直しも進む中、改定が施行された今、「これからのクリニック経営をどう立て直していくべきか」とお悩みの先生もいらっしゃるのではないでしょうか。
現在、内視鏡クリニックに求められているのは、従来の延長上にある微調整ではなく、「新しい環境に合わせた診療スタイルの再構築」です。
環境の変化をチャンスと捉え、ドクターやスタッフが持ち味を最大限に発揮できる環境をつくること。
そして、保険診療だけに頼らない柔軟な経営体質を育てていくこと。
今回は、今すぐ取り組むべき「3つの基本方針」をご紹介いたします。
内視鏡クリニックが今進めるべき3つの方針
私たちが提案する基本方針は以下の3つです。
- 方針1:無駄のないスマートな診療設計(大腸カメラ「1時間3枠」の円滑な運用)
- 方針2:大腸カメラ比率の最適化(提供価値と満足度を高める取り組み)
- 方針3:自費診療の活用と収益の多角化(改定の波に左右されない経営基盤づくり)
方針1:ドクターが集中できる「1時間3枠」のスマートな運用
改定後の収益性を補うために「診療時間を増やす」「休診日の日曜も診療する」といった選択肢を真っ先に検討するのは、少し立ち止まりたいところです。
働き方改革が定着している今、持続可能なクリニックをつくるためには、無理に時間を伸ばすのではなく、日々の業務のスリム化を図ることが大切です。
工夫次第で無駄な工程を減らし、タスクシフトを進めることで、負担なく「1時間で大腸カメラ3件」をスムーズに巡らせているクリニックも出現しています。
実際にそうした先進的なクリニックでは、以下のような取り組みが行われています。
スタッフ全員で進める現場の改善ミーティング
改善のポイントは「ダウンタイム(前の患者のスコープを抜いてから次の患者のスコープ挿入までの入れ替え時間)」の短縮です。
目標を3〜4分に設定し、準備にかかる時間をチームで可視化して共有することから意識改革が始まります。
役割分担(タスクシフト)の整理
効率化を個人の努力だけに頼るのではなく、仕組みとして整えます。
- 洗浄業務:専任のサポートスタッフや看護助手へ委託
- 検査中の所見入力:医療クラークによる代行、検査室内での入力体制構築
- 事前説明:下剤服用などの解説を「動画視聴」との選択制にし、診察室での重複した説明時間を短縮
戦略的な検査予約枠のルール化・コントロール
「ポリープ切除・腸管洗浄不良の患者さんが続いて検査が長引いてしまう」というようなスケジュールが圧迫されるのを防ぐため、予約段階でコントロールします。
- ルールA(年齢・配慮層):50歳以上で初めて検査を受ける方など、時間がかかる可能性のある枠は連続させず、分散して配置する
- ルールB(お腹の状態):便秘傾向のある方は前処置の時間を考慮し、少し遅めの枠を案内する
- クッション枠:2回目以降の検査受診で、状態が把握できている「定期フォローの患者」を途中に挟むことで、全体の時間にゆとりを持たせる
方針2:「大腸カメラ」の体制強化と魅力伝えるブランディング
短期滞在手術等基本料が減算されたとはいえ、大腸カメラは内視鏡クリニックの経営における「大きな柱」であることに変わりはありません。
この柱をより強固なものにしていくことが大切です。
ポイントとなるのは、「大腸カメラの枠をいかに効率よく生み出すか(枠を増やす)」と、「専門性をわかりやすく伝えて選ばれるクリニックになるか(枠を埋める)」の2点です。
「外来」と「検査」の集中枠を分ける
- 9:00~10:30は外来に集中
- 10:30〜14:00は内視鏡検査に集中
- 14:00〜17:00は外来・検査後説明に集中
のようにスケジュールを明確に区分することで、「午前中の外来が長引いてしまい、予定していた内視鏡検査のスタートが遅れてしまう」「内視鏡検査が後ろ倒しになってしまい、午後診療のスタートも遅れてしまう」といったスケジュール崩壊、それによる慢性的な残業などを防ぎます。
また、ドクターの診察室と検査室を何度も往復する無駄な動線や思考の切り替えもなくなり、ドクターが目の前の検査だけに集中することができます。
WEB問診を活用した検査誘導
事前問診で「血便がある」「家族に既往歴がある」といった回答があった場合、WEB問診上で自動的に大腸カメラの重要性を訴求し、予約へスムーズに案内できる仕組みを整えます。
検査の「質」の可視化と安心感の提示
ADRやがん発見率など、実績を「質の高い検査を行っている証」としてホームページで公開します。
単なる数値としてではなく、患者さまに安心感を与える「品質の証」として提示することで、信頼の向上につながります。
方針3:自費診療を取り入れた「新しいサポートの形」
保険診療の最適化を進めると同時に、制度の変化に左右されない独自の自費診療を育てることも、これからのクリニック経営において大切になります。
人間ドックの導入
地域のニーズ・年齢・所得に応じたメニューを設計し、特別感のある体験を提供します。
保険診療サイトとは完全に切り離した、ラグジュアリー感のある人間ドック専用LPを制作し、WEB広告でターゲット層へアピールします。
美容メニューの導入
看護師を中心に実施できる「医療レーザー脱毛」や「美容点滴・注射」などは、ドクターの手を止めることなく、クリニック全体のサポート力を引き上げる効果的な手段です。
コンサルタントによる「無料経営相談」受付中
今回の診療報酬改定は、これまでの体制を「より強固で魅力あるクリニックへ生まれ変わらせるための好機」でもあります。
これからの内視鏡業界で生き延びるために、是非、これらの3つの方針をご検討ください。
「検査を高回転でまわしたいが、現状の無駄な業務やオペレーションの正解がわからない」
「自費診療を展開をしたいが、始め方がわからない」
という方は、内視鏡クリニック経営の専門コンサルタントに無料でご相談いただけます。
数多くの内視鏡クリニックを成功に導いてきたノウハウをもとに、先生の現状や理想の診療スタイルを丁寧にヒアリングし、ご提案いたします。



