医療脱毛のマーケティング戦略|大手と価格で戦わない個人クリニックの集患術

  • 皮膚科・美容皮膚科
公開日
更新日
執筆者内科・医療支援部
コラムテーマ集患・マーケティング
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大手クリニックの低価格キャンペーンが目立つなか、自院の医療脱毛をどう伸ばせばよいか悩む院長先生は少なくありません。

本コラムでは、船井流マーケティングの原則である「差別化の8要素」をもとに、個人クリニックが価格競争に巻き込まれずに選ばれるための医療脱毛マーケティングと、Web集客の優先順位を解説します。皮膚科・美容皮膚科に限らず、内科・整形外科・産婦人科など、医療脱毛を導入済み、または導入を検討中のクリニックの先生方にお読みいただきたい内容です。

医療脱毛マーケティングで個人クリニックが直面する課題

近年、大手美容クリニックによる医療脱毛の低価格化が進み、SNS広告や交通広告でも「安さ」を前面に出した訴求が増えています。その結果、次のようなお悩みを伺う機会が増えました。

  • 大手の価格を見て、自院も値下げすべきか迷っている
  • 以前より医療脱毛の新規申し込みが減った
  • 価格競争は避けたいが、具体的な差別化の方法が分からない

価格で大手と戦わず「ロイヤリティ」で選ばれる

結論から申し上げると、個人クリニックが大手と同じ土俵に立ち、価格だけで勝負することはおすすめできません。値下げで一時的に反響が増えても、施術時間・人件費・機器コストまで含めると利益率が下がり、現場の負担だけが増えるおそれがあるためです。

船井流マーケティングには、「差別化の8要素」という原則があります。患者さんは、実は以下の要素(上から影響力が大きい順)の中でクリニックを選んでいます。

  1. 立地:最適な立地選択と狙う市場の選定
  2. 規模:売場面積や資本力などの事業規模
  3. ロイヤリティ(認知度・信頼):顧客からの圧倒的な知名度と安心感
  4. 商品力:他にはない品質や独自サービスの魅力
  5. 価格力:顧客がその価値に納得できる価格設定
  6. 販促力:魅力を的確に伝え、集客する広告宣伝力
  7. 接客力:顧客満足度を高める丁寧な対応や提案力
  8. 固定客化:リピートを促し、長く通い続ける仕組み

すぐには変えにくい立地と規模を除けば、「価格力」よりも影響力が大きいのは「ロイヤリティ(認知度と安心して任せられる信頼)」です。医療脱毛マーケティングで最初に取り組むべきは値下げではなく、「このクリニックなら安心」と思っていただける理由づくりなのです。

個人クリニックが打ち出すべき3つの「安心感」

①診療科の専門性を生かした「医師に相談できる」安心感

火傷や硬毛化などの肌トラブルを心配する患者さんは多く、アトピー性皮膚炎やニキビ、敏感肌の方は「そもそも自分が受けて大丈夫か」という不安を抱えています。日頃から疾患を診ている医師が在籍し、必要に応じて診察・処方・経過観察まで対応できる体制は、大手には真似しにくい安心材料です。

皮膚科・形成外科なら肌トラブルへの対応力、内科なら持病や服用中の薬を踏まえた施術可否の判断、整形外科なら将来の介護に備えた「介護脱毛」の相談、産婦人科なら妊娠・出産を見据えたVIO脱毛の相談など、自院の診療科の強みと結びつけて伝えましょう。

②一人ひとりに合わせた照射と効果へのこだわり

効率重視の施術体制では、「流れ作業のように感じた」「効果に不安が残った」と感じる患者さんもいます。

医師が肌質や毛質を確認し、看護師が痛みの感じ方を確かめながら出力や照射方法を調整する。こうした個別対応は個人クリニックならではの強みです。

③地域に根差し、保険診療を行っている継続性

一部の脱毛クリニックの突然の閉院がニュースになり、「コースを契約しても途中で通えなくなるのでは」と不安を抱く患者さんが増えています。地域で保険診療を続けてきたクリニックは、それ自体が継続性の裏付けです。

安心感を集患につなげるマーケティング施策

ロイヤリティという土台が整ったら、次は「販促力」「接客力」「固定客化」を強化し、仕組みとして連動させます。

販促力①:保険診療の患者さんへの案内導線をつくる

新規集患を広告だけに頼る必要はありません。

保険診療で通院中の患者さんは、すでに自院を信頼しています。待合室のポスターや診察時の案内で、たとえば肌荒れで通院中の方に「カミソリ負けを防ぐための医療脱毛」を提案するなど、保険診療から自費診療への導線を整えることが、最も費用をかけずにできる販促です。

販促力②:Web集客は「安心感を届ける順」に整える

8要素で見ると、販促力とは「自院のロイヤリティを、まだ来院していない患者さんに正しく伝える力」です。Web施策をやみくもに増やすのではなく、次の順で整えることをおすすめします。

  1. ホームページ(医療脱毛ページ)を整える
    SEO・AIO すべての施策の受け皿になるのが、自院ホームページの医療脱毛ページです。料金(総額・回数・追加費用の有無)、施術の流れ、リスク・副作用、医師の経歴、診療科ならではの強み、よくある質問、予約方法を分かりやすく掲載します。「地域名+医療脱毛」での検索に対応でき、AI検索で自院の情報が引用されやすくなる効果も期待できます。即効性は高くありませんが、広告への依存を抑える資産になります。

  2. リスティング広告で検討中の患者さんに届ける
    ページが整ったら、「地域名 医療脱毛」「医療脱毛 効果」など、すでに医療脱毛を検討している方が検索するキーワードに絞って広告を出します。配信エリアを商圏内に絞ること、広告の内容と遷移先ページの内容を一致させることが、無駄な広告費を抑えるポイントです。

  3. MEO(Googleマップ)で地域の患者さんに見つけてもらう
    Googleビジネスプロフィールに医療脱毛のメニュー、院内写真、診療時間を正しく登録し、定期的に更新します。保険診療で積み重ねてきた口コミや地域での認知は、開院したばかりの脱毛専門院にはない強みです。

  4. SNS・LINEで信頼を深め、再来院につなげる
    SNSでは料金訴求よりも、医師やスタッフの考え方、院内の雰囲気、施術の流れを発信し、安心感を補強します。評価の軸はフォロワー数ではなく、予約や来院につながっているかどうかです。
    LINEの強みは、今は来院していない過去の患者さんにも直接メッセージを届けられることです。以前に保険診療で受診された方や、脱毛の途中で通院が途絶えた方に、医療脱毛のご案内や再開のきっかけをお届けしましょう。新たな広告費をかけずに来院につなげられる、個人クリニックこそ活用したい施策です。

接客力:「安心して選べる」カウンセリングを徹底する

「無理な勧誘はないか」「契約以外の追加料金はかからないか」という不安を取り除くことが接客の鍵です。売るためではなく、肌の悩みを聞き取り、安心して選んでいただくためのカウンセリングを徹底することで、結果として契約率は高まります。

固定客化:医療脱毛を美容医療の「入口」にする

医療脱毛は、患者さんが美容医療に初めて触れる入口になりやすいメニューです。施術中のコミュニケーションを通じてシミ治療や美肌治療など次のニーズを把握し、脱毛完了後も通い続けていただける導線をつくりましょう。

情報発信は医療広告ガイドラインに沿って

ホームページや広告には医療広告ガイドラインが適用されます。「痛くない」「必ず効果が出る」といった断定的な表現や、他院より優れていると誤認させる表現、体験談の掲載は避け、費用やリスク・副作用もあわせて記載しましょう。

医療脱毛マーケティングのよくある質問

Q. 大手クリニックに合わせて値下げすべきですか?

A. 基本的にはおすすめしません。値下げは利益率を下げ、価格で選ぶ患者さんを集めることにつながりやすいためです。まずは診療科の専門性や継続性といった「安心感」を明確に伝え、価格は「その価値に納得できる水準」で設定することが大切です。

Q. 広告費はどのくらいかければよいですか?

A. 当社では、美容売上に対する年間広告費の比率で考えることをおすすめしています。保険診療中心で美容医療も行うクリニックで5〜7%、美容医療中心のクリニックで7〜10%がひとつの目安です。ただし利益率や競合状況、予約枠によって適正値は変わります。広告費を増やす前に、来院率や成約率も確認しましょう。

Q. 保険診療中心のクリニックでも、医療脱毛で集患できますか?

A. できます。むしろ保険診療の患者さんという信頼関係のある母集団を持っていることが強みです。院内での案内導線と、ホームページの医療脱毛ページの整備から始めると、広告費を抑えながら成果につなげやすくなります。

Q. Web集客は何から始めればよいですか?

A. まずはホームページの医療脱毛ページを整えることです。広告やMEO、SNSで興味を持った患者さんが最終的に確認するのはホームページです。受け皿が整っていないまま広告を出すと、費用をかけても予約につながりにくくなります。

まとめ

医療脱毛市場では、今後も大手による低価格訴求が続くと考えられます。

しかし、個人クリニックが価格競争に巻き込まれる必要はありません。まずは自院の「安心感」を言語化し、それをホームページ、広告、MEO、SNS・LINEの順で届け、接客と固定客化へつなげる仕組みができているかを確認してみてください。

船井総合研究所では、医療脱毛の導入・強化をはじめ、Web集客の設計やカウンセリング体制づくりまで、クリニック経営のご相談を承っています。自院に合った打ち手を知りたい先生は、お気軽に経営相談をご利用ください。

執筆者 : 内科・医療支援部

全国の医療機関における成功事例を武器に、業績向上と強固な組織づくりを支援するコンサルタント集団です。集患対策・自費診療の活性化から、専門職の採用・定着まで、現場の課題を即座に解決。院長先生に寄り添い、地域一番の実績づくりを徹底サポートします。