vol.98「患者様・医療スタッフ動線をもう一度考えよう」

2016年5月10日配信

 
こんにちは。 船井総合研究所 医療・介護・福祉・教育支援部
クリニック経営研究会 整形外科分科会 主幹の 上藤英資 です。
 
今回は、「患者様・スタッフ動線をもう一度考えよう」と題してお伝えしたいと思います。
 
 
■「患者様満足度」の定義を改めて考える 患者様から支持され、来院し続けていただける医院。
それが、目指す医院の理想像です。 そうなるためには、「患者様から選ばれ続ける」ことが必要です。
 
先生の医院の近隣には、恐らく数件の「同科目」の診療所があることが多いのではないでしょうか。
「複数」の選択肢(診療所)の中から、患者様に「ここに行こう」と選ばれる医院である必要があります。
そのために大事にしていただきたいことが「患者様満足」とは一体なにか、ということです。
 
 
■「医師の診察の丁寧さ」だけが患者満足度ではない、という事実 初めて来院した患者様が、「また来たい」と思う事が再診に繋がり、口コミからの紹介患者に繋がります。
そのために、来院された患者様の「満足度」をしっかり確保することが大事になります。 そこでお考えいただきたいことが、「患者様がまた来たい、思う理由はなんだろう」ということです。
言葉を変えると「“患者様満足度”とはなんだろう」ということです。 よく院長からお伺いすることは「医師が丁寧に診察すれば、患者はついてくる」ということです。
 
もし「患者様がまた来たい」と思う要素が「診察の丁寧さ」だけであれば、 極端な例で言うと「夜何時まで待っても、患者様が来院する」という医院が存在してもいいはずです。
ですが、現実的には、
・診察待ち時間が1時間半から2時間になると、患者様から「待ち時間のクレーム」が増える
・診察待ち時間が1時間半から2時間になると、一日の総来院患者数が頭打ちになる という現象が間違いなく起こります。
つまり、この例でお伝えしたいのは、 患者様満足度は、「医師の診察の丁寧さ」だけではない、
ということです。
 
 
■「治ること」×「分かること」×「早いこと」が患者様満足度の要素 船井総研では、患者様満足度の定義を、「治ること」×「分かること」×「早いこと」 とセミナーなどでお話します。
間違えていただきたくないのは、「医師の診察の丁寧さ」という要素は、満足度のための絶対的ベースである、ということです。
その上で、上記3つの視点がある、という捉え方をしていただきたいと思います。
根本的な満足度として、 「先生に診てもらって、治療をしてもらったら“症状が治った”」 という「治ること」や 「自分の病気や治療法について、丁寧に説明してもらって、安心した」 という「わかること」も大切です。
それは、「診察の丁寧さ」に似たことかもしれません。 もう一つの「早いこと」という点。
待ち時間が長くなると、患者様からのクレームが増え、 結果として「待ち時間が長いから、違うクリニックに行こう」と患者様が“離反”する要因になります。
だからこそ、 「来院してから診察までの“待ち時間”を短くすること」 「診察が終わってから会計に進むまでの“待ち時間”を短くすること」 が大切になります。 それが「早いこと」が大事である理由です。
 
 
■「早いこと」を実現するために院内の患者様・スタッフ動線を見直す
「開業するときはこんなに患者様が来ると思っていなかったから、診察室は一つだけにした」 というのは、先生方からよくお聞きすることです。
「患者様が多く来院されて、それでも待ち時間を短くするための“患者動線”と“スタッフ動線”」 を頭に入れた上で、院内レイアウトをもう一度考え直していただきたい、ということです。
「一日の患者数が100人か、それ以上」になっていて、 待ち時間が1時間半から2時間ある、という場合には、効率的に診察できる“診察オペレーション”を前提に医院の動線をもう一度考え直していただきたいのです。
 
 
■診察室は最低2つ。
電子カルテを入力する「医療クラーク」を設置する。 診察を効率的に行うコツは、
①診察室を2つ作ること。
②時間がかかる処置、などを行うために、処置室を作ること。
③医師の電子カルテ入力の時間を削減するために、「医療クラーク」をつけること。
そのために、電子カルテのディスプレイやキーボードを設置すること。 の3点です。
 
 
■診察室は医院にとって最大の経営資源 待ち時間を短くするための一番の障害は、診察が長くなることです。
その解消のために①②があります。 医師の問診を終え、診断を下す。 その後に速やかに次の患者様の診察に移る。
端的に言うと、これが診察を早くまわすためのポイントです。
これを実現するために、
①診察室を2つ作り、診断が終われば速やかにもう一つの診察室に移動し、次の患者様を診察する。
②診察内容のカルテ入力を完了するために「医療クラーク」を配置する。 ⇒どんなにキーボード入力が速い先生でも、患者様一人当たり30秒から1分は時間がかかります。
一人当たりは1分ですが、それが100人と積み重なれば、待ち時間が単純に50分から100分は生まれてしまいます。
③時間がかかる処置は別室に患者様を移し、診察室を「診察」だけで使用する。 という3点の実現が大事になります。
 
 
■「待ち時間が気になる」「患者様を待たせる時間を短くしたい」 そうお考えの先生には、是非一度、院内動線の再考をしてみていただきたいと思います。
 
 


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今回の担当コンサルタント

医療・介護経営支援部

上藤 英資(ウエフジ エイスケ)

入社以来、診療所のコンサルティングに従事。現在は整形外科を専門にコンサルティングを行っている。整形外科の集患強化・スタッフマネジメント・採用教育支援を行う。近年は整形外科が取り組む介護事業(デイケア、デイサービス、訪問リハ、居宅介護支援事業所など)の立ち上げ、活性化支援も手がける。
 
 
 

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