ぱくペインクリニック様

パク先生

今回、兵庫県神戸市のぱくペインクリニック院長 朴 基彦氏にお話を伺った。ぱくペインクリニックでは、超音波ガイド下神経ブロックによる治療を日本全国に先駆けて導入し、現在でも神経ブロックだけでなく超音波による診断にも積極的に取り組んでいる。 それにあたり、朴院長自身も全国各地で超音波セミナーの講師を務め、全国の医師に啓発活動も積極的に行っている。

【ペインクリニックとの出会い】

ぺインクリニックとの出会いは、神経ブロックにおける最先端の技術と知識を習得するために、ペインクリニック界をリードしているNTT東日本関東病院(旧関東逓信病院)ペインクリニック科で勤務されることを決意したときであった。目の前にいる患者さんのつらい思いを何とかしたいという想いのもと、治療の選択肢を少しでも増やしたいことが目的であった。

 4年間の修行期間を経て、再度大学病院へ戻るが、大学病院でしか診れない特有の患者さんが多かった。大規模病院の良さとして、内科的な疾患などの対応が必要な場合にその場で対応ができる、MRIといった検査機器でより正確な検査ができるなどの利点を感じていたが、習得した知識・技術を多くの方へ還元するために、2010年2月にぱくペインクリニックを開業した。

【ペインクリニックについて~整形外科との違いについて~】

ペインクリニックは痛みを治す、整形外科は構造を治すという点で違いがある。ペインクリニックに来院される患者は、治らないことへの不安や悩みを抱えていることが多く、その不安や悩みが痛みの原因や悪化させることが多い。そのため、情動体験(心の動き、脳で感じる部分)を理解し、医療者側がうまく説明することで、患者に状態を理解していただくことが治療の中で重要である。そして、情動をベースとした診療スタイルこそがペインクリニックが提供できる武器である。

【トップの診療の取り組み方が、スタッフに影響を与える】

患者の痛みに対する不安や悩みを理解する朴院長の診療スタイルは、そのままスタッフマネジメントでも通ずる部分がある。朴院長自らが、どう患者と接しているかをスタッフに見せることによって、スタッフが患者への向き合い方についても、「言う」ことではなく、朴院長の姿勢を理解して行動してもらうことを重要視している。それにあたり、組織におけるトップの重要性を強調されており、トップが誰よりもきちんと診療に向き合うことが、医療の組織にとって重要である。

最初は完治が難しくても、院長やスタッフの言葉や姿勢で完治に向かった場合、患者が変わっていく姿を、院長がスタッフに「最初は大変だったけど、今は良くなってるね」とスタッフに伝え、患者との向き合い方についてスタッフに気づきを与えている。

【診察においては、速さと丁寧さは相反するのか?】

痛みに焦点を当てているペインクリニックの診療において、患者の訴えは多岐に渡ることが多い。診療において、よく議論されることが、「診察においては、速さと丁寧さは相反するのか?」という点である。その点について、朴院長の考えは以下の通りである。

 

診察の丁寧さとスピードは対立するものではない。まず、効率的に診療を行うために、診察・治療手技の向上は、技術的な側面で無駄なことを減らす。整形外科においてもそうだと思われるが、手術が上手な方は無駄が少なく時間をかけない。

 

そして、患者さんへの対応においては、痛みや不安などの表面的な話題が多く、時間を要する時は、本当の課題・不安を捉えていないケースが多い。そのため、患者さんが本当に抱えている不安を把握すれば、良いケースがある。例えば、脊柱管狭窄症の方でも、しびれや痛み、脊椎の状態よりも、「このまま歩けなくなるのではないか?」を不安に感じている患者さんがいますので、その不安に対して状態を踏まえ、大丈夫だと声をかけたり、必要な対応を伝えていきます。

患者さんの不安やニーズに先回りして、「歩けなくなることはないよ」と伝え、信頼関係を作ることによって、あってほしくはないが、仮に痛みがなくなりきらなくなっても、「ここに来てよかった」と思って頂けるかもしれない。そういうクリニックを目指していこうと考えています。

【エコー検査の技術向上・後進育成】

朴院長はエコー技術について、Youtubeチャンネルや若手育成の場を設けるなど、精力的に普及や教育に尽力をされている。元々は、NTT病院在籍時に、肩の疾患に関することで勉強することを勧められたことがエコーとの出会いであった。エコーは、診療の幅を広げて、治療の引き出しを増やし、医療従事者を成長に導くツールであると朴院長は考える。

特に、若手育成については、SMAP(https://smap20161112.wixsite.com/smap)という、運動器エコーに興味を持っている若手医師のグループの顧問を務めている。SMAPは、運動器エコーを使いたくても使えない、そんな環境にいる若手医師には、奨学金を用意し、運動器エコーに関するセミナー等の企画・情報発信を行って、若手医師のスキルアップを応援している。ただ、教育環境を整え、手取り足取り教えたいというわけではなく、新しいことを切り拓き、それに追随する方と共に学んでいきたいという想いが強い。

【朴院長が思い描く医療の形】

療がワンストップで行えることが理想だが、クリニック単体で医療が完結することは難しい。そのため、整形外科では取り組むことが難しい、またはやりたいけどできない治療を提供することで差別化を図るが、ペインクリニックで取り組める領域を理解し、領域外の治療は他の先生に頼れることは重要であると、朴院長は語る。また、疼痛治療は多科目で展開され、患者のニーズも多岐に渡るため、裾野を広げていく必要があると朴院長は考える。

患者が満足しても、医療者が満足せず、本当に解決できているのかというところを突き詰めて、「痛みがある人の痛みを少なくしたい」という想いのもとで、提供できる治療の領域を広げるチャレンジを朴院長は続けている。

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